無添加
魚の旨味が違う!一度は食べたい絶品無添加かまぼこ4選
2025.12.21
スーパーのかまぼこの「プリプリしすぎた食感」に違和感を覚えたことはありませんか?実は私もその一人でした。しかしある無添加かまぼこと出会いその概念が覆されたんです。 噛むほどに溢れる魚本来の旨みと自然な弾力。「これが本物か」と思わず唸ってしまいました。
この記事では単に体に優しいだけでなく「味が別格だから選びたい」と私が心から感動した無添加かまぼこだけを厳選。いつもの食卓やおせちのレベルが劇的に変わる体験をぜひあなたにも味わってほしいです。
1. 無添加かまぼこは魚本来の旨味が別格!
裏面のラベルを見て驚いたことはありませんか
お正月のおせち料理には欠かせない存在であり、普段のうどんや茶碗蒸し、ちょっとしたおつまみとしても食卓に彩りを添えてくれるかまぼこですが、あなたはスーパーで商品を手に取ったとき、パッケージの裏面にある原材料名欄をじっくりと眺めたことはあるでしょうか。
多くの人が「どれも同じ魚のすり身でしょ?」と思っているかもしれませんが、実はそこには大きな違いが隠されています。一般的な安価な製品のラベルには、リン酸塩(Na)やソルビン酸K、調味料(アミノ酸等)、赤色106号といった添加物の名前がびっしりと並んでいることが少なくありません。これらは保存性を高めたり、プリプリとした食感を人工的に作り出したり、見栄えを良くするために使われていますが、私はこれらの表記を見るたびに少し複雑な気持ちになります。
もちろん食品添加物がすべて悪だとは言いませんし、現代の流通において必要な役割を果たしていることも理解していますが、やはり「食べるなら素材そのものの味を楽しみたい」と強く思うのです。特にリン酸塩は、魚のすり身の保水性を高めて食感を良くする結着剤として多用されますが、これこそが魚本来の繊細な風味をマスクしてしまい、特有の「練り物臭さ」や舌に残る雑味の原因になっていると私は感じています。
魚本来の甘みと弾力を知っていますか
そこで私が強くおすすめしたいのが「無添加かまぼこ」という選択肢です。余計なものを一切入れない、あるいは極限まで減らした無添加かまぼこは、一口食べた瞬間にその違いがはっきりと分かります。まず驚かされるのは、その香りです。
パッケージを開けた瞬間に広がるのは、添加物特有のケミカルな匂いではなく、まるで海辺にいるかのような優しく上品な魚の香りなのです。そして口に入れたときの食感も、人工的なゴムのような硬さとは全く異なります。魚の筋肉の繊維がしっかりと感じられるような、自然でしなやかな弾力があり、これを業界用語や通の間では「足(アシ)」と呼びますが、この「足」の良さこそが本物の証だと言えるでしょう。
噛みしめるたびに、すり身にされた魚そのものが持つ淡い甘みと旨味がじわじわと口の中に広がっていき、飲み込んだ後の余韻も非常にすっきりとしています。化学調味料のアミノ酸による強烈な旨味に慣れてしまっていると、最初は「味が薄い?」と感じるかもしれませんが、2切れ、3切れと食べ進めるうちに、その奥深い味わいの虜になるはずです。
今回ご紹介する厳選ラインナップについて
今回の記事では、日頃からナッツや調味料、健康食品の原材料には人一倍うるさい私が、実際に日本各地から取り寄せて食べてみて、心から感動した「実在する無添加かまぼこ」を4つ厳選してご紹介します。
単なる健康志向というだけでなく、味のクオリティとして圧倒的に優れているものばかりを選びましたので、グルメなあなたにもきっと満足していただけるはずです。小田原の老舗が誇る最高峰の逸品から、関西ならではの製法で作られた香ばしいもの、そしてトビウオの旨味が凝縮された野趣あふれるものまで、ちょっとマニアックな視点で解説していきます。これを読めば、今までの「練り物」に対する概念がガラリと変わるかもしれません。
2. 【小田原の王道】鈴廣の「超特選蒲鉾 古今」は無添加かまぼこの最高峰!
無添加かまぼこ界のレジェンド的存在
まず最初にご紹介しなければならないのは、かまぼこの聖地・小田原に店を構える老舗中の老舗、鈴廣かまぼこの「超特選蒲鉾 古今(ここん)」です。これはもう、無添加かまぼこ界におけるレジェンドと言っても過言ではありません。
私が初めてこの「古今」を食べたとき、今まで食べていた紅白のかまぼこは一体何だったのかと衝撃を受けました。まず注目すべきは、その原材料へのこだわりです。一般的なかまぼこには安価で加工しやすいスケトウダラが使われることが多いのですが、この「古今」では高級魚として知られる「グチ(イシモチ)」や、深海魚でありながら非常に上品な白身を持つ「オキギス」をメインに使用しています。
これらの魚は非常に繊細で、鮮度管理や加工が難しいのですが、鈴廣は長年の経験と技術でそれを見事に使いこなしています。もちろん、保存料や化学調味料は一切不使用で、魚本来の味を最大限に引き出すための天然素材のみで構成されているのです。
職人の「手付け」が生む芸術的な食感
「古今」の凄さは原材料だけではありません。その製造工程においても、効率を重視した機械生産とは一線を画す「手付け」という伝統技法が採用されています。国家資格である「水産練り製品製造技能士」を持つ熟練の職人たちが、一つ一つ丁寧に手作業ですり身を板に盛り付け、成形しているのです。
この「手付け」によって、機械ではどうしても潰れてしまう魚の繊維が生き残り、また空気の入り具合が絶妙に調整されることで、きめ細やかで滑らかな舌触りが生まれます。表面のなめらかな艶、美しい扇形のカーブ、そして包丁を入れたときの吸い付くような断面の美しさは、もはや食品というよりも一つの芸術品と呼ぶにふさわしいレベルです。
お正月などのハレの日に、この美しいかまぼこが食卓にあるだけで、その場の空気がパッと華やかになり、背筋が伸びるような気持ちにさせてくれます。
しっとりとした粘りのある弾力の虜に
実際に食べてみた感想ですが、その食感は「プリッ」という単純な表現では片付けられません。歯を入れた瞬間は柔らかく感じるのに、噛み込もうとすると押し返してくるような強い弾力があります。
そして何より特徴的なのが、「しっとりとした粘り」です。口の中でしっとりと吸い付くような質感があり、噛めば噛むほどに魚の濃厚な旨味が溢れ出してきます。これは、化学的な結着剤を使わずに、魚肉のタンパク質が塩ずりによって網目構造をしっかりと形成しているからこそ生まれる食感なのです。
わさび醤油を少しだけつけて食べるのが王道ですが、私は何もつけずにそのまま厚切りで食べることを強くおすすめします。グチとオキギスが織りなす上品で奥深い甘みは、日本酒、特に純米大吟醸のような華やかなお酒との相性が抜群で、ついついお酒が進んでしまう危険な美味しさです。
3. 【食感重視】籠清の「鳳扇」も外せない!弾力自慢の無添加かまぼこ
鈴廣と双璧をなす小田原の老舗
次にご紹介するのは、同じく小田原に本店を構える老舗、籠清(かごせい)の「鳳扇(ほうせん)」です。小田原かまぼこといえば鈴廣が有名ですが、通の間では「籠清派」も非常に多く、まさに小田原かまぼこ界の双璧をなす存在と言えるでしょう。
私も気分によってこの二つを買い分けているのですが、籠清の最大の特徴は、なんといってもその「アシ(弾力)」への異常なまでのこだわりにあります。良い意味で変態的とも言えるそのこだわりは、創業から200年以上続く歴史の中で培われたものであり、無添加かまぼこでありながら、添加物を使ったもの以上に力強いコシを実現している点には脱帽するしかありません。
パッケージのデザインも重厚感があり、贈り物としても非常に喜ばれる逸品ですが、やはり自分へのご褒美として、この特別な弾力を楽しむ時間は格別です。
石臼技術が生み出す強烈なコシ
では、なぜ籠清の「鳳扇」はそれほどまでに強いコシを持っているのでしょうか。その秘密は、リン酸塩などの結着剤に頼ることなく、魚のすり身と塩のバランス、そして伝統的な「石臼(いしうす)」でする技術にあります。
現代の大量生産では、カッターと呼ばれる高速回転の機械ですり身を作ることが一般的ですが、石臼を使うと熱が発生しにくく、魚の繊維を壊さずに丁寧に練り上げることができます。籠清はこの石臼の温度管理や回転速度を職人の勘と経験で微調整し、魚肉のタンパク質が最も強く結合する状態を見極めているのです。
この手間暇を惜しまない製法によって、魚の旨味を逃すことなく、なおかつ歯を押し返すようなブリブリとした食感が生まれます。口に入れたときの存在感が圧倒的で、「今、私は魚を食べている!」という実感を強く感じさせてくれるのが、この「鳳扇」の魅力なのです。
1.2cmの厚切りで味わう至福
この「鳳扇」のおすすめの食べ方ですが、私の経験上、薄くスライスするのはもったいないです。ぜひ、定規で測りたくなるくらい正確に、あえて「1.2cm(4分)」くらいの厚切りにしてみてください。
この厚みが、籠清自慢の弾力を最もダイレクトに感じられる黄金比だと私は思っています。分厚く切った「鳳扇」を箸で持ち上げ、たっぷりの本ワサビだけを乗せて口に運んでみてください。醤油はあえてつけません。
歯がすり身に食い込むときの「プツン」と切れる快感、そしてそこから広がる魚のピュアな塩気と旨味が、ワサビの辛味と混ざり合って、言葉にならない幸福感に包まれます。白ワイン、特にミネラル感のある辛口のシャブリなんかと合わせると、和と洋のマリアージュが楽しめて、週末の晩酌がワンランク上のものになりますよ。
4. 【関西の雄】和田八の「無添加焼きかまぼこ」は香ばしさがたまらない
大阪の老舗が作る関西風の魅力
さて、ここまで関東の「蒸し蒲鉾」を紹介してきましたが、関西にも素晴らしい無添加かまぼこが存在します。それが、大阪の老舗・和田八(わだはち)が作る「無添加 焼きかまぼこ」です。
関東では板に乗った蒸し蒲鉾が主流ですが、関西では焼いて仕上げる「焼き蒲鉾」も深く愛されています。和田八は創業弘化二年という歴史を持ち、大阪の食文化を支え続けてきた名店ですが、その中でもこの無添加シリーズは、素材への回帰をテーマにした意欲作です。
蒸し蒲鉾がつるりとした白い肌を持つのに対し、この焼きかまぼこは表面にこんがりとした焼き色がついており、袋を開けた瞬間に漂う香ばしさが食欲をそそります。見た目からも温かみが感じられ、普段の食卓に並べても違和感なく馴染む親しみやすさがあります。
関西好みの魚種が生む独特の旨味
和田八の「無添加 焼きかまぼこ」の特筆すべき点は、その原材料に使われている魚の種類です。関西で好まれる「エソ」「グチ」「ハモ」といった魚種を贅沢に使用しています。
特に関西の夏には欠かせない高級魚であるハモ(鱧)が入っていることで、上品でありながらも芯のある強い旨味が加わっています。また、エソという魚は非常に良い出汁が出ることで知られており、これらの魚をブレンドすることで、砂糖の甘みよりも魚の塩気と旨味が前に出る、キリッとした味わいに仕上がっています。
関東のかまぼこが洗練された「引き算の美学」だとすれば、関西のこのかまぼこは、魚の個性を重ね合わせた「足し算の旨味」と言えるかもしれません。完全無添加で作られているため、これらの魚の個性が喧嘩することなく、見事なハーモニーを奏でているのです。
日本酒のアテに最高な香ばしさ
このかまぼこの最大の魅力は、やはりその皮目の香ばしさにあります。焼くことで生まれるメイラード反応の香りが、魚の旨味を一層引き立ててくれます。
そのまま食べてももちろん美味しいのですが、私はこれをオーブントースターで軽く炙ってから食べるのが大好きです。表面が少しチリチリと音を立て、香ばしさが倍増したアツアツの状態をハフハフと言いながら食べるのは最高です。
相性で言えば、これには間違いなく日本酒が合います。それも、少し癖のある山廃仕込みや、常温〜ぬる燗の純米酒と合わせると、焼き目の香ばしさと酒の旨味が共鳴して、たまらない美味しさになります。関東風の蒸し蒲鉾とは一味違う、野趣あふれる楽しみ方ができるのが、この和田八の魅力と言えるでしょう。
5. 【飛魚の旨味】出雲のちくわ屋「無添加あご野焼」でかまぼこの概念が変わる
伝統の「焼き抜き」製法と地酒のこだわり
最後にご紹介するのは、少し変化球ですが、これも広義の「かまぼこ(焼き抜きかまぼこ)」の一種として絶対に外せない逸品です。島根県出雲市にある別所蒲鉾店(出雲のちくわ屋)の「出雲の国 斐伊川の清流 無添加あご野焼」です。
「あご野焼」とは、島根県の郷土料理で、すり身を串に巻き付けて回転させながら直火で焼き上げる、巨大なちくわのような見た目の練り物です。しかし、これをただのちくわだと思ってはいけません。別所蒲鉾店のこだわりは凄まじく、味付けには島根県の伝統的な地酒「出雲地伝酒」を使用しています。
この地伝酒は、赤酒のような甘みと旨味を持つ料理酒で、これが魚の臭みを消しつつ、独特の風味とコクを与えています。化学調味料を使わずにここまでの深い味わいを出せるのは、この地伝酒の力と、それを使いこなす職人の技があってこそなのです。
トビウオ(あご)の力強い出汁の旨味
商品名にもある通り、主原料は「トビウオ(あご)」です。九州や山陰地方ではトビウオのことを「あご」と呼び、その出汁(あごだし)は上品かつ力強い旨味があることで有名ですが、このあご野焼にはその旨味がギュッと凝縮されています。
一口かじると、一般的な白身魚のすり身とは全く違う、野性的とも言える濃厚な魚の味がガツンと来ます。トビウオ特有の筋肉質な身質がそのまま食感にも表れており、プリプリというよりは、ギュッギュッとしたしっかりとした歯ごたえがあります。
スーパーの練り物コーナーにある量産品とは、もはや次元が違う食べ物です。添加物で味付けされた表面的な旨味ではなく、噛めば噛むほど奥から染み出してくる「魚の筋肉の味」とでも言うべき生命力を感じる味わいです。
そのまま丸かじりしたくなるワイルドな魅力
この「無添加あご野焼」は、その大きさにも驚かされます。太くて長いので、輪切りにして盛り付けるのが一般的ですが、私は時々、行儀が悪いと知りつつも、そのまま丸かじりしたくなる衝動に駆られます。
そのワイルドな見た目と味は、繊細な懐石料理というよりは、漁師町のお祝いの席を思わせる豪快さがあります。マヨネーズに七味唐辛子を混ぜたものをつけて食べると、トビウオの旨味とマヨネーズのコクが合わさって、ビールが止まらない最高のおつまみになります。
また、軽く炒めて醤油を垂らしても香ばしさが増して美味しいですし、おでんの具材として煮込めば、信じられないほど良い出汁が出て、鍋全体を美味しくしてくれます。かまぼこの概念を良い意味でぶち壊してくれる、私の大好きな一本です。
6. 4種の無添加かまぼこを徹底比較!私のイチオシと選び方まとめ
4つの名品をマトリックスで比較
ここまで熱く語ってきましたが、それぞれの特徴を整理するために、今回紹介した4つの無添加かまぼこを独自の視点で比較してみたいと思います。あなたの好みや用途に合わせて選ぶ際の参考にしてください。
| 商品名 | 弾力の強さ | 魚の香りの強さ | 入手難易度 | 価格帯 |
| 鈴廣「古今」 | ★★★★☆ (しっとり) | ★★★☆☆ (上品) | ★★☆☆☆ (百貨店等) | ★★★★★ (高級) |
| 籠清「鳳扇」 | ★★★★★ (ブリブリ) | ★★★☆☆ (上品) | ★★★☆☆ (専門店等) | ★★★★☆ (やや高) |
| 和田八「焼き」 | ★★★☆☆ (プリッ) | ★★★★☆ (香ばしい) | ★★★☆☆ (関西中心) | ★★★☆☆ (中級) |
| あご野焼 | ★★★★☆ (ギュッ) | ★★★★★ (濃厚) | ★★★★☆ (通販推奨) | ★★★☆☆ (中級) |
※「入手難易度」は、一般的なスーパーでの見かけなさを示しています。通販ならどれも購入可能です。
シーン別の使い分けのご提案
実際にこれら4つを何度も食べ比べてきた私なりの使い分けをご提案します。まず、お正月や大事な来客へのおもてなし、あるいは目上の方への贈り物なら、間違いなく鈴廣の「古今」です。その圧倒的な知名度と品質、美しい見た目は、誰に出しても恥ずかしくない最高級品です。
次に、自分自身が「今日は美味しいかまぼこを腹一杯食べたい!」という時や、食感フェチな方には籠清の「鳳扇」がベストです。あの弾力は一度味わうと癖になります。
そして、気取らない晩酌のアテとして、日本酒と一緒にちびちびやるなら和田八の「焼きかまぼこ」、ビールや焼酎でガッツリと魚の旨味を味わいたいなら「あご野焼」がおすすめです。特に関西出身の方には和田八が、濃い味が好きな方にはあご野焼が刺さるはずです。
生鮮食品としての「かまぼこ」を楽しもう
無添加かまぼこには、一つだけデメリットがあります。それは「賞味期限が短い」ということです。保存料が入っていないため、一般的な製品よりも早く食べる必要があります。
しかし、それは裏を返せば、かまぼこが本来「魚」という生鮮食品であることの証明でもあります。鮮魚を食べるのと同じように、その命をいただくという感覚で、新鮮なうちに最高の状態で味わう。これこそが、食の本来の楽しみ方ではないでしょうか。
添加物で長持ちさせられた味ではなく、職人が手間暇をかけて引き出した魚本来の味。それを知ってしまったら、もう元の世界には戻れないかもしれません。
まずは、あなたの近くのスーパーの少し高級なラインナップを覗いてみるか、各メーカーの公式通販で「お試しセット」などを取り寄せてみてはいかがでしょうか。ぜひ、あなた自身の舌で、この本物の感動を体験してみてくださいね。
大学を卒業後、酒類・食品の卸売商社の営業を経て2020年2月に株式会社ブレーンコスモスへ入社。現在は「無添加ナッツ専門店 72」のバイヤー兼マネージャーとして世界中を飛び回っている。趣味は「仕事です!」と即答してしまうほど、常にナッツのことを考えているらしい。

