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「くるみの脂質は太る」は嘘?驚きのダイエット効果

2025.09.23
「くるみの脂質は太る」は嘘?驚きのダイエット効果

「くるみは体に良いと聞くけれど、脂質が多いから太りそう…」そう思っていませんか?確かにくるみは脂質が豊富ですが、実はそのほとんどが健康や美容に嬉しい効果をもたらす「良質な脂質」なんです。 

この記事では、くるみの脂質の正体であるオメガ3脂肪酸の驚くべきパワーや、1日の適切な摂取量を分かりやすく解説します。もう「太るかも」と心配せずに、くるみを毎日の食生活に賢く取り入れましょう!

1. くるみの脂質は敵じゃない?実は体に良い「オメガ3」の宝庫だった!

「ナッツって脂質が多いから、食べると太っちゃいそう…」あなたは、そんな風に考えて、ヘルシーなイメージのあるナッツを少し敬遠してしまっていませんか?確かに、ナッツ類は脂質を多く含んでいるのは事実です。ですが、その「脂質」の中身をよく見てみると、実は私たちの健康や美容にとって、むしろ積極的に摂りたい素晴らしい栄養素がぎっしり詰まっているんです。特に、今回主役としてお話しする「くるみ」の脂質は、まさにその代表格なんですよ。

くるみの脂質と聞くと、どうしてもカロリーの高さが気になってしまいますよね。私も以前はそうでした。「体に良いって聞くけど、結局は油でしょ?」なんて、少し疑いの目で見ていた時期もあります。しかし、くるみに含まれる脂質の正体を知ったとき、その考えは180度変わりました。くるみの脂質は、単なるエネルギー源ではなく、私たちの体内で作ることができない貴重な栄養素「オメガ3脂肪酸」の宝庫だったのです。

この記事では、今まで少し誤解されがちだったくるみの脂質が持つ、驚くべきパワーについて、少しだけマニアックな視点も交えながら、できる限り分かりやすく、そして楽しく解説していきたいと思います。なぜ、くるみの脂質が「敵」ではなく「味方」なのか。その秘密を解き明かしていくうちに、きっとあなたのくるみに対するイメージもガラッと変わるはずです。スーパーでくるみを見かけたら、思わず手に取りたくなってしまうかもしれませんよ。さあ、一緒にくるみの脂質の奥深い世界を探検してみましょう!

2. 【栄養士解説】くるみの脂質の正体!不飽和脂肪酸が9割を占める驚きの内訳

それでは早速、くるみの脂質の核心に迫っていきましょう。「脂質」と一括りにしてしまいがちですが、その中身は実に多様で、私たちの体に与える影響も全く異なります。くるみの脂質のすごいところは、その構成バランスにあるんです。

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の違いとは?

まず、基本の知識として脂肪酸の種類について少しお話しさせてくださいね。脂肪酸は、大きく「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2つに分けられます。

  • 飽和脂肪酸: 主に動物性の脂肪、例えばお肉の脂身やバター、ラードなどに多く含まれています。常温で固まりやすい性質があり、エネルギー源として重要ですが、摂りすぎると血中の悪玉(LDL)コレステロールを増やし、生活習慣病のリスクを高める可能性があると言われています。

  • 不飽和脂肪酸: 主に植物油や魚の油に多く含まれ、常温では液体であることが多いのが特徴です。こちらは逆に、血中の悪玉コレステロールを減らす働きがあるなど、健康維持に役立つ「体に良い脂質」として知られています。

そして、この「不飽和脂肪酸」はさらに「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」に分けられます。

  • 一価不飽和脂肪酸: 代表的なのはオリーブオイルに豊富な「オレイン酸(オメガ9脂肪酸)」です。悪玉コレステロールを減らす効果が期待されています。

  • 多価不飽和脂肪酸: こちらは体内で合成することができないため、食事から必ず摂取する必要がある「必須脂肪酸」です。青魚に多い「DHA」や「EPA」、そして、くるみに豊富な「α-リノレン酸」などがこの仲間で、「オメガ3脂肪酸」と「オメガ6脂肪酸」に分類されます。

この脂肪酸の分類を頭の片隅に置いていただくと、この後のくるみの話がもっと面白くなりますよ!

くるみの脂質の驚くべき内訳を大公開!

では、本題のくるみの脂質の内訳を見ていきましょう。カリフォルニアくるみ協会の公表しているデータ(可食部100gあたり)を参考にすると、くるみの総脂質量は約68.8g。このうち、実に9割近くが体に良い「不飽和脂肪酸」で占められているんです。

具体的な数字を見てみると、驚くべきバランスが分かります。

  • 総脂質量: 約68.8g

    • 飽和脂肪酸: 約6.4g (約9%)

    • 不飽和脂肪酸: 約59.3g (約86%)

    • 一価不飽和脂肪酸(主にオレイン酸): 約10.5g

    • 多価不飽和脂肪酸: 約48.8g

いかがでしょうか?摂りすぎに注意したい飽和脂肪酸は1割にも満たず、そのほとんどが健康効果の期待できる不飽和脂肪酸で構成されていることがお分かりいただけるかと思います。お肉の脂身とは全く性質の異なる、まさに「良質な脂質」の塊なのです。

ナッツ類で断トツ!α-リノレン酸の圧倒的な含有量

くるみの脂質のすごさは、不飽和脂肪酸が多いというだけではありません。注目すべきは、その中でも「多価不飽和脂肪酸」が突出して多いこと。そして、その多価不飽和脂肪酸の大部分を、現代人に不足しがちな「α-リノレン酸(オメガ3脂肪酸)」が占めている点です。

くるみ100gあたりに含まれるα-リノレン酸の量は、なんと約9.0g。これは、数あるナッツ類の中でも群を抜いてトップの含有量です。例えば、美容に良いとされるアーモンドのα-リノレン酸含有量が100gあたり約0.01g、カシューナッツに至っては約0.05gですから、くるみがいかに特別な存在であるかが分かりますよね。

一方で、同じ多価不飽和脂肪酸でも、サラダ油や加工食品に多く含まれる「リノール酸(オメガ6脂肪酸)」は、現代の食生活では過剰摂取になりがちです。オメガ6脂肪酸も必須脂肪酸ではありますが、オメガ3脂肪酸との摂取バランスが重要で、理想的な比率は「オメガ6:オメガ3 = 4:1」程度と言われています。くるみの場合、リノール酸も約39g含まれていますが、α-リノレン酸も豊富に含むため、このバランスを整えるのに非常に役立つのです。

このように、くるみの脂質は、単に「不飽和脂肪酸が多い」というだけでなく、「現代人が積極的に摂るべきα-リノレン酸(オメガ3脂肪酸)がナッツ類で断トツに多い」という、極めて優れた特徴を持っているのです。

3. 美肌も健康もサポート!くるみの脂質の主役「α-リノレン酸」のすごいパワー

さて、くるみの脂質の主役が、他のナッツにはないほど豊富に含まれる「α-リノレン酸(オメガ3脂肪酸)」であることはお分かりいただけたかと思います。では、このα-リノレン酸は、私たちの体の中で具体的にどんな素晴らしい働きをしてくれるのでしょうか?その驚くべきパワーを、最新の研究結果なども交えながら詳しくご紹介しますね。

体の中で変化する!EPA・DHAの母なる存在

α-リノレン酸の最も重要な特徴の一つは、体内で合成することができない「必須脂肪酸」であるということです。つまり、健康を維持するためには、食事からコンスタントに摂取し続ける必要がある栄養素なのです。

そして、摂取されたα-リノレン酸の一部は、体内で私たちの健康に不可欠な別のオメガ3脂肪酸、そう、あの有名な「EPA(エイコサペンタエン酸)」や「DHA(ドコサヘキサエン酸)」に変換されます。EPAやDHAは主に青魚に多く含まれる成分で、血液をサラサラにしたり、脳の働きをサポートしたりすることで知られていますよね。

つまり、くるみを食べることは、植物性のオメガ3脂肪酸であるα-リノレン酸を直接摂れるだけでなく、その一部をEPAやDHAとして体内で活用することにも繋がるのです。お魚を毎日食べるのは難しいという方にとっても、くるみは非常に効率的にオメガ3脂肪酸を補給できる、まさに救世主のような存在と言えるでしょう。

血管と血液を健やかに保つ確かな働き

α-リノレン酸の健康効果として、最も広く知られているのが「心血管疾患のリスクを低減する」という働きです。これには複数の大学や研究機関による科学的な裏付けがあります。

例えば、2024年6月に東邦大学薬学部の研究グループが発表した研究では、α-リノレン酸が血管の異常な収縮を強力に抑制するメカニズムの一端を解明しました。これは、動脈硬化や心筋梗塞といった深刻な病気の予防に繋がる可能性を示唆する、非常に興味深い報告です。

また、ペンシルベニア州立大学の研究では、くるみを日常的に食事に取り入れたグループは、悪玉(LDL)コレステロール値が有意に低下したことが報告されています。α-リノレン酸には、血中の中性脂肪を減らし、血圧を安定させる効果も期待されており、まさに血液と血管の健康を守るための多角的なサポートをしてくれるのです。これらの作用が複合的に働くことで、私たちの循環器系を健やかな状態に保つのに役立ってくれます。

肌の炎症を抑え、内側から潤いを守る美肌効果

α-リノレン酸の嬉しい効果は、健康面だけにとどまりません。実は、私たちの肌を美しく保つためにも、非常に重要な役割を果たしているんですよ。

私たちの肌は、約60兆個ともいわれる細胞からできています。その一つひとつの細胞を包んでいるのが「細胞膜」ですが、α-リノレン酸をはじめとする良質な脂質は、この細胞膜の材料となります。しなやかで健康な細胞膜を作ることで、細胞は栄養をしっかり取り込み、老廃物をスムーズに排出できるようになります。これにより、肌のターンオーバーが正常に整い、キメの細かい、ハリのある肌へと繋がるのです。

さらに、α-リノレン酸には優れた「抗炎症作用」があることが分かっています。2018年には、順天堂大学大学院の研究グループが、オメガ3脂肪酸の摂取がアレルギー性結膜炎の症状を改善させるメカニズムを解明しました。これは、肌荒れやニキビ、アトピー性皮膚炎といった肌の炎症トラブルにも、同様に良い影響を与える可能性を示しています。慢性的な炎症は、肌の老化を促進する原因にもなりますから、α-リノレン酸を摂ることは、肌トラブルの予防とエイジングケアの両方にアプローチできる、賢いインナーケアと言えるでしょう。

忘れがちな脳の健康もサポート?

そしてもう一つ、見逃せないのが脳機能への影響です。脳の約60%は脂質でできており、特にDHAは神経細胞の重要な構成成分です。先ほどお話ししたように、α-リノレン酸は体内でDHAに変換されるため、くるみを食べることは、間接的に脳の健康をサポートすることにも繋がります。

アメリカのロマリンダ大学で行われた研究では、くるみの摂取が、学習能力や記憶力、認知機能の改善に役立つ可能性が示唆されています。日々の仕事や勉強で頭をクリアに保ちたい、将来の健康もしっかり考えていきたい、そんなあなたにとって、くるみは心強い味方になってくれるはずです。

4. アーモンドと徹底比較!脂質の種類で見る、くるみが特別な理由

ナッツというと、くるみと並んで「アーモンド」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。どちらも健康や美容に良いイメージがありますが、実は含まれている「脂質の種類」に大きな違いがあり、それによって体へのアプローチも異なってくるのです。ここでは、アーモンドとくるみを徹底的に比較して、なぜくるみの脂質が「特別」なのかを明らかにしていきましょう。

アーモンドの脂質の主役は「オレイン酸(オメガ9)」

まず、アーモンドの脂質について見てみましょう。アーモンドも非常に良質な脂質を含んでいますが、その主役は「オレイン酸」という一価不飽和脂肪酸です。これは「オメガ9脂肪酸」の仲間で、オリーブオイルに豊富に含まれていることでも有名ですね。

アーモンドの脂質(100gあたり約53g)のうち、半分以上をこのオレイン酸が占めています。オレイン酸は、血中の悪玉(LDL)コレステロールを減らし、善玉(HDL)コレステロールは維持するという優れた働きがあり、動脈硬化の予防などに効果が期待されています。また、酸化しにくい性質を持つため、体内で活性酸素の害を受けにくいというメリットもあります。

ビタミンEが豊富なことと合わせて、アーモンドは「抗酸化」というアプローチで私たちの体を守ってくれるナッツと言えるでしょう。これも非常に素晴らしい特徴です。

くるみの脂質の主役は「α-リノレン酸(オメガ3)」

一方、くるみの脂質の主役は、これまで何度もお伝えしてきた通り「α-リノレン酸(オメガ3脂肪酸)」です。くるみにもオレイン酸は含まれていますが、アーモンドほど多くはありません。その代わり、アーモンドにはほとんど含まれていないα-リノレン酸を圧倒的な量で含有しているのが最大の特徴です。

思い出してみてください。くるみ100gあたりのα-リノレン酸含有量は約9.0g。対するアーモンドは約0.01g。この差は歴然ですよね。

このα-リノレン酸(オメガ3)は、オレイン酸(オメガ9)とはまた違ったアプローチで私たちの健康に貢献します。コレステロール値を改善する効果に加えて、特に「抗炎症作用」や「血液凝固を抑制する作用(血液をサラサラにする)」、「アレルギー反応の抑制」といった働きが強いのが特徴です。

「オメガ3」と「オメガ9」、どちらを優先すべき?

「じゃあ、オメガ3とオメガ9、どっちを摂ればいいの?」と疑問に思うかもしれませんね。答えは「どちらも大切ですが、現代の食生活では特にオメガ3を意識して摂ることが重要」です。

オレイン酸(オメガ9)は、体内で合成することも可能な脂肪酸です。また、調理に使う油をオリーブオイルに変えるなど、比較的摂取しやすい環境にあります。

しかし、α-リノレン酸(オメガ3)は体内で作れない必須脂肪酸でありながら、現代の食生活では圧倒的に不足しがちな栄養素なのです。外食や加工食品では、大豆油やコーン油といったリノール酸(オメガ6)が豊富な油が使われることが多く、意識しないとオメガ3とオメガ6のバランスはどんどん崩れてしまいます。このバランスの乱れが、アレルギーや生活習慣病の一因になるとも言われています。

だからこそ、ナッツ類の中で唯一、オメガ3脂肪酸であるα-リノレン酸を豊富に含むくるみは、「特別な存在」なのです。アーモンドが持つオレイン酸の良さも素晴らしいですが、「不足しがちな栄養素を効率よく補う」という観点から見ると、くるみの脂質には他に代えがたい価値があると言えるでしょう。

他のナッツ、例えばカシューナッツやマカダミアナッツも、主成分はオレイン酸(オメガ9)です。ピスタチオもオレイン酸が多めです。ピーカンナッツはくるみと少し似ていますが、それでもα-リノレン酸の含有量はくるみには及びません。こうして見ると、数あるナッツの中でも、くるみがいかにユニークで貴重な脂質構成を持っているかが、より一層お分かりいただけるのではないでしょうか。

5. 【食べ過ぎ注意!】体に良いくるみの脂質、1日のベストな摂取量は?

さて、ここまでくるみの脂質がいかに体に良いか、その素晴らしいパワーについて熱く語ってきました。これを読んで、「よし、今日からくるみをたくさん食べるぞ!」と思ってくださった方もいるかもしれません。しかし、ここで一つ、大切な注意点があります。それは「食べ過ぎ」です。体に良いからといって、無制限に食べていいわけではないのです。ここでは、くるみの健康効果を最大限に引き出しつつ、賢く付き合っていくための「ベストな摂取量」についてお話しします。

なぜ「ひとつかみ」がベストなの?

くるみの1日の適切な摂取量の目安として、よく「ひとつかみ程度」と言われます。具体的には、重さにして約28g、くるみの粒の大きさにもよりますが、大体7粒前後が相当します。なぜこの量が推奨されているのでしょうか。その理由は、くるみの脂質の主役である「α-リノレン酸(オメガ3脂肪酸)」の摂取目標量と深く関係しています。

厚生労働省が策定した「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、オメガ3脂肪酸の1日あたりの摂取目標量が定められています。これは生活習慣病の予防を目的としたもので、30代の女性の場合は1日あたり1.6gとされています。

ここで、くるみに含まれるα-リノレン酸の量を思い出してみましょう。くるみ100gあたりには約9.0gのα-リノレン酸が含まれています。ということは、1日の目安量である約28gのくるみを食べると、

9.0g × (28g / 100g) \= 約2.5g

となり、これだけで1日の目標量を十分にクリアすることができるのです。たったひとつかみのくるみで、不足しがちなオメガ3脂肪酸をしっかり補えるなんて、とても効率的だと思いませんか?この「約28g」という量は、多くの臨床研究でも用いられている量であり、健康効果が報告されている信頼性の高い目安でもあるのです。

気になるカロリーはどれくらい?

体に良いとはいえ、やはり気になるのはカロリーですよね。くるみは脂質が豊富な分、カロリーも決して低くはありません。くるみ100gあたりのカロリーは約713kcal。お茶碗一杯のご飯(約150g)が約234kcalですから、その高さが分かります。

では、1日の目安量である「ひとつかみ(約28g)」ではどうでしょうか。計算してみると、

713kcal × (28g / 100g) \= 約199kcal

となります。これは、コンビニで売っているおにぎり1個分とほぼ同じくらいのカロリーです。間食として考えるなら、決して高すぎるカロリーではありませんよね。例えば、午後の小腹が空いた時間に、甘いお菓子やスナック菓子を食べる代わりにくるみをひとつかみ食べる。そうすれば、余計な糖質や悪い脂質を避けつつ、良質な脂質やビタミン、ミネラル、食物繊維といった栄養素をしっかり摂ることができます。満足感も得られやすいので、結果的に全体の摂取カロリーを抑えることにも繋がるかもしれません。

食べ過ぎが招く意外な落とし穴

もし、この目安量を大幅に超えて、毎日たくさんのくるみを食べ続けてしまったらどうなるでしょうか。まず考えられるのは、やはり「体重増加」です。約200kcalの間食は適正範囲内ですが、これが倍の56g(約400kcal)になると、ケーキ1個分に匹敵するカロリーになってしまいます。良質な脂質も、過剰に摂取すれば体脂肪として蓄積されてしまうのです。

また、くるみは食物繊維も豊富に含んでいます。適量であればお通じの改善に役立ちますが、一度に大量に食べ過ぎると、かえってお腹が張ったり、下痢や便秘を引き起こしたりする可能性もあります。

さらに、脂質の消化には肝臓や膵臓も働きます。あまりに多くの脂質を一度に摂ると、これらの臓器に負担をかけてしまうことも考えられます。どんなに体に良いものでも、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」。くるみの素晴らしい恩恵をしっかりと受け取るためにも、1日ひとつかみ、約7粒という「おいしくて健康になれる魔法の量」を、ぜひ守っていただきたいと思います。

6. 【私の実体験】くるみを毎日食べ続けた結果は?おすすめの食べ方と”良い脂質”比較表

理論や研究データも大切ですが、「実際に食べ続けてみてどうなの?」という部分が、一番気になるところかもしれませんね。何を隠そう、私自身がくるみの脂質のパワーに魅了され、毎日ひとつかみ(約7粒)のくるみを習慣にしてから数年が経ちます。ここでは、そんな私の個人的な体験談と、毎日飽きずに続けるためのおすすめの食べ方、そして他の「良い脂質」を持つ食品との比較をまとめたオリジナル一覧表をご紹介します!

私の体に起きた嬉しい変化トップ2

くるみを食べ始めてから、様々な体の変化を感じましたが、特に「これはくるみのおかげかも!」と実感している嬉しい変化が2つあります。

一つ目は、「肌の調子が格段に安定したこと」です。以前は、季節の変わり目や少し寝不足が続いただけで、すぐに肌がカサついたり、小さな吹き出物ができたりと、ゆらぎやすいのが悩みでした。しかし、くるみ習慣を始めてから、肌の水分と油分のバランスが整ってきたような感覚があるのです。特に、肌の内側から潤っているような、ハリのある感触が続いています。これはきっと、くるみ豊富なα-リノレン酸が、肌細胞の膜を健康に保ち、炎症を抑える働きをしてくれているおかげだと感じています。ファンデーションのノリが良い日が続くと、朝から気分も上がりますよね!

二つ目は、「お腹のスッキリ感」です。私はもともと便秘に悩まされることが多かったのですが、くるみを食べるようになってから、自然なお通じが毎日続くようになりました。これは、くるみに含まれる不溶性食物繊維が、腸内で水分を吸って膨らみ、便のカサを増して腸の動きを刺激してくれる効果と、良質な脂質が便の滑りを良くしてくれる効果の相乗作用だと考えています。お腹がスッキリすると、体全体が軽く感じられますし、ぽっこりお腹も気にならなくなりました。

もちろん、これらはあくまで私の個人的な感想であり、効果には個人差があります。ですが、くるみが持つ栄養素の働きを考えると、十分に起こりうることだと感じています。

毎日続けられる!おすすめの食べ方

「毎日7粒」と決めても、ただポリポリ食べるだけでは飽きてしまうこともありますよね。くるみは様々な食材と相性が良いので、ぜひ色々なアレンジを試してみてほしいです。私がよくやるおすすめの食べ方をいくつかご紹介しますね。

  • 朝食の定番!ヨーグルトのトッピングに: 無糖のヨーグルトに、砕いたくるみと、はちみつを少し加えるのが私の定番です。ヨーグルトの乳酸菌と、くるみの食物繊維で、腸活効果もアップ!くるみの食感がアクセントになって、満足感も高まります。

  • サラダの食感と栄養価をアップ: レタスやベビーリーフのシンプルなサラダに、砕いたくるみを散らすだけで、一気におしゃれなデリ風サラダに変身します。ドレッシングは、くるみと同じくオメガ系の良質な脂質を含む、オリーブオイルや亜麻仁油を使ったものがおすすめです。

  • 和え物に加えてコクと風味をプラス: きのこのソテーや、ほうれん草のおひたしなどに、細かく刻んだくるみを和えるのも美味しいですよ。くるみの香ばしさとコクが加わって、いつもの和食がワンランクアップします。醤油や味噌との相性も抜群です。

  • 手作りおやつの材料に: パウンドケーキやクッキー、グラノーラバーなどの生地に混ぜ込むのも良いですね。手作りなら甘さも調整できますし、栄養価の高いおやつになります。

ローストされたくるみはそのまま使えますが、生のくるみの場合は、フライパンで軽く煎るか、オーブントースターで数分加熱すると、香ばしさが引き立ち、カリッとした食感になってより一層美味しくなりますよ。

【独自比較表】良い脂質を持つ食品たち

くるみの脂質が素晴らしいことはお分かりいただけたと思いますが、健康のためには様々な食品からバランスよく脂質を摂ることが大切です。そこで、くるみ以外にも「良い脂質」で知られる代表的な食品と、含まれる脂質の種類を比較する一覧表を作成してみました。日々の食生活の参考にしてみてくださいね!

食品名 主な脂質の種類 特徴 おすすめの食べ方
くるみ α-リノレン酸 (オメガ3), リノール酸 (オメガ6) ナッツ類で唯一オメガ3が豊富。現代人に不足しがちな栄養素を補える。抗炎症作用が強い。 ヨーグルト、サラダ、和え物、そのままおやつに
アボカド オレイン酸 (オメガ9) 「森のバター」と呼ばれる。悪玉コレステロールを減らす働き。ビタミンEや食物繊維も豊富。 サラダ、ディップ、スムージー、醤油とわさびで
青魚 (サバ、イワシなど) EPA, DHA (オメガ3) α-リノレン酸から変換されるオメガ3。血液サラサラ効果や脳機能サポート効果が非常に高い。 刺身、塩焼き、煮付け、缶詰の活用
オリーブオイル (エキストラバージン) オレイン酸 (オメガ9) 地中海式食事法の中心。抗酸化作用のあるポリフェノールも含む。加熱に比較的強い。 サラダのドレッシング、炒め物、パンにつけて
亜麻仁油・えごま油 α-リノレン酸 (オメガ3) α-リノレン酸の含有率が非常に高い。熱に弱いため、加熱調理には不向き。 ドレッシング、スムージー、納豆やスープにかける
アーモンド オレイン酸 (オメガ9), リノール酸 (オメガ6) ビタミンEが非常に豊富で抗酸化作用が高い。食物繊維も多く、美容の味方。 そのままおやつに、スライスしてトッピングに

この表を見ると、同じ「良い脂質」でも、その種類や特徴が全く違うことが分かりますよね。例えば、平日はくるみと亜麻仁油で植物性のオメガ3を摂り、週末はお魚で動物性のオメガ3を摂る。調理にはオリーブオイルを使い、サラダにはアボカドをプラスする…といったように、これらの食品を上手に組み合わせることで、理想的な脂質バランスに近づくことができます。

ぜひ、この比較表を参考に、くるみの脂質をあなたの健康的な食生活の素晴らしいパートナーとして、今日から迎えてあげてくださいね!

WRITING
西村恭平
西村恭平 Nishimura Kyohei

大学を卒業後、酒類・食品の卸売商社の営業を経て2020年2月に株式会社ブレーンコスモスへ入社。現在は「無添加ナッツ専門店 72」のバイヤー兼マネージャーとして世界中を飛び回っている。趣味は「仕事です!」と即答してしまうほど、常にナッツのことを考えているらしい。