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【プロ直伝】お店の味になる「くるみバター」の黄金比とは?

2025.09.19
【プロ直伝】お店の味になる「くるみバター」の黄金比とは?

香ばしいくるみと芳醇なバター、想像しただけでお腹が空いてきませんか?おうちで手軽に作れる「くるみバター」は、いつものパンを格段に美味しくしてくれる魔法のレシピです。

この記事では、定番の甘いレシピだけでなく、お料理にも使える塩系くるみバターの作り方もご紹介。さらに、日持ちさせる保存方法や、プレゼントにもぴったりなラッピングのアイデアまで、くるみバターを隅々まで楽しむための情報が満載です。新しいお気に入りのレシピが、きっと見つかりますよ。

1. おうちで絶品!魅惑のくるみバターを手作り!

こんにちは!おうちカフェがもっと楽しくなる、とっておきのレシピをご紹介しますね。今回は、香ばしくて栄養満点、一度食べたらやみつきになるくるみバターの作り方です。市販のものとは一味も二味も違う、手作りならではのフレッシュな美味しさに、あなたもきっと驚くはずですよ!

この記事では、基本のレシピからちょっと変わったアレンジまで、私が厳選した本格的なくるみバターレシピを4つご紹介します。香ばしいくるみの風味と、コクのあるバターの組み合わせは、まさに至福の味わい。あなたにぴったりの最高のくるみバターが、きっと見つかります!

2. まずはコレから!シンプルイズベストな「基本のくるみバター」レシピ

すべてのくるみバター作りの基本となる、シンプルで奥深いレシピから始めましょう。材料が少ないからこそ、ひとつひとつの工程が味を大きく左右するんです。この基本をマスターすれば、アレンジも自由自在!くるみとバター、それぞれの素材が持つ本来の美味しさを最大限に引き出す、プロのコツを詳しく解説していきますね。

くるみの選び方とローストの極意

最高のくるみバターを作るための最初のステップは、主役である「くるみ」を厳選することです。スーパーのナッツコーナーに行くと、「生くるみ」と「ローストくるみ」が並んでいますが、どちらを選ぶかで仕上がりが大きく変わってきます。

生くるみとローストくるみの違い

くるみバター作りには、断然「生くるみ」をおすすめします!なぜなら、自分でローストすることで、香りの立ち方が格段に良くなるからです。ローストしたてのくるみは、香ばしいアロマが最高潮に達しており、そのフレッシュな風味をそのままバターに閉じ込めることができます。

市販のローストくるみは手軽ですが、いつローストされたか分からず、風味が少し落ちている可能性があります。また、酸化している場合もあるので、フレッシュさを求めるなら「生くるみ」一択ですね。

くるみには、健康に良いとされるオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)がナッツ類の中でも特に豊富に含まれています。アメリカのペンシルベニア州立大学の研究によると、くるみを日常的に摂取することで、悪玉コレステロール(LDL)が低下するという報告もあるんですよ。美味しくて健康にも良いなんて、最高の食材ですよね。

美味しくなるローストの温度と時間

くるみのローストは、オーブンを使うのが最も均一に火が入りやすくおすすめです。ポイントは「低温でじっくり」です。

理想的なロースト方法

  1. オーブンを160℃に予熱します。

  2. 天板にオーブンシートを敷き、生くるみが重ならないように広げます。

  3. 160℃のオーブンで8分〜12分ほど、うっすらと焼き色がつき、香ばしい香りがしてくるまでローストします。途中で一度、天板を揺すって全体を混ぜると焼きムラがなくなりますよ。

高温で短時間で焼くと、表面だけが焦げて中まで火が通らず、渋みやえぐみが残ってしまいます。低温でじっくり火を通すことで、くるみの渋皮に含まれるタンニンが変化し、甘みと香ばしさが最大限に引き出されるんです。これは、メイラード反応と呼ばれる化学変化で、美味しそうな焼き色と香りの元になります。ローストしたてのくるみの香りは、キッチンを幸せな空間に変えてくれますよ。

有塩?無塩?バター選びのポイント

次に重要なのが「バター」です。バターもくるみと同様に、有塩バターと無塩バターのどちらを選ぶかで、仕上がりのくるみバターの味わいや使い道が変わってきます。

仕上がりの違いを徹底解説

結論から言うと、私は「無塩バター」をおすすめします。特に、発酵バターを選ぶと、特有の芳醇な香りとコクが加わり、ワンランク上のくるみバターに仕上がりますよ。よつ葉乳業の「よつ葉発酵バター」などは、手に入りやすく香りも良いのでおすすめです。

無塩バターをおすすめする理由

  • 塩分を自分で調整できる: 後から加える塩の種類や量で、自分好みの塩加減にできるのが最大のメリットです。岩塩を使えばミネラル感がプラスされ、フルール・ド・セル(塩の結晶)を使えば、時々感じる塩の粒が食感のアクセントになります。

  • 用途が広がる: お菓子作りに使う場合、レシピの塩分量を正確に計算できるため、無塩バターが基本です。甘いメープルくるみバターや、お料理の隠し味にも使いやすくなります。

有塩バターを使う場合

もちろん、有塩バターでも美味しく作れます。有塩バターを使うと、味がバシッと決まりやすく、トーストに塗るなど、そのまま食べる用途には手軽で便利です。日本のバターは、製品によって塩分濃度が異なりますが、おおよそ1.5%前後のものが多いです。この塩気が、くるみの甘みを引き立ててくれる効果もあります。

あなたの主な用途に合わせてバターを選んでみてくださいね。迷ったら、まずは無塩バターで試してみて、後から塩を加えるスタイルが良いでしょう。

攪拌が生み出す食感マジック

くるみとバター、最高の材料が揃ったら、いよいよ混ぜ合わせる工程です。ここでの主役は「フードプロセッサー」。攪拌の仕方ひとつで、なめらかなクリーム状にも、ザクザクとした食感を残したクランチタイプにも作り分けることができるんです。

乳化のサインを見逃さないで!

フードプロセッサーでくるみを攪拌し始めると、最初はサラサラの粉末状になります。しかし、諦めずに攪拌を続けてください。5分ほど回し続けると、くるみ自体の油分が出てきて、だんだんとまとまり始めます。これがペースト状になる第一段階です。

さらに攪拌を続けると、ある瞬間、急に全体が滑らかになり、ツヤが出てきます。これが「乳化」のサインです!くるみに含まれる油分と、バターの水分・油分がフードプロセッサーの力で均一に混ざり合った状態ですね。この状態になると、分離しにくく、口当たりも非常に滑らかになります。高性能なフードプロセッサー、例えばクイジナート社の製品などを使うと、この乳化がスムーズに進みますよ。

なめらか食感とつぶつぶ食感の作り分け

  • 究極のなめらか食感を目指すなら:

    1. ローストしたくるみを、まず単体でフードプロセッサーにかけます。

    2. 最初は粉状ですが、根気よく10〜15分ほど回し続けます。途中、壁面に張り付いたくるみをヘラで落としながら、全体がペースト状になるまで攪拌します。

    3. くるみが完全にペースト状になったら、常温に戻した柔らかいバターを加えて、さらに攪拌します。こうすることで、驚くほど滑らかなくるみバターが完成します。

  • 食感が楽しいつぶつぶ(クランチ)タイプなら:

    1. ローストしたくるみのうち、4分の1程度を別にしておき、粗く刻んでおきます。

    2. 残りの4分の3のくるみをフードプロセッサーでペースト状にします。

    3. ペースト状になったらバターを加えて攪拌し、全体が混ざったら最後に、取り分けておいた刻みくるみを加えます。

    4. 最後に数秒だけ軽く攪拌して、粒々感を残したまま完成させます。

食感を変えるだけで、同じ材料でも全く違う楽しみ方ができます。ぜひ、あなたの好みの食感を見つけてみてくださいね。

基本のくるみバター レシピ

材料

  • 生くるみ:200g

  • 無塩バター:100g (常温に戻しておく)

  • 塩:小さじ1/4〜1/2(お好みで調整)

作り方

  1. 生くるみを160℃に予熱したオーブンで10分前後ローストし、粗熱を取ります。

  2. フードプロセッサーにローストしたくるみを入れ、ペースト状になるまで5〜10分ほど攪拌します。

  3. ペースト状になったら、常温に戻した無塩バターと塩を加え、全体が滑らかになるまでさらに1〜2分攪拌します。

  4. 清潔な保存瓶に移して完成です。冷蔵庫で保存してください。

このシンプルなくるみバターは、くるみ本来の力強い味わいとバターのコクがダイレクトに感じられます。トーストはもちろん、ほうれん草のソテーに加えたり、鶏肉のソースに使ったりと、お料理の隠し味としても大活躍しますよ。

3. 優しい甘さがたまらない!メープルくるみバターの作り方

くるみの香ばしさに、メープルシロップの優しい自然な甘さが加わった、私のお気に入りのレシピです!これさえあれば、いつものパンケーキやスコーンが、まるでカフェのデザートのようにグレードアップします。お子様から大人まで、家族みんなが笑顔になること間違いなしのくるみバターですよ。優しい甘さのくるみとバターの組み合わせは、朝食の時間を特別なものにしてくれます。

メープルシロップのグレード選び

スーパーでメープルシロップを選ぼうとすると、ラベルに「アンバー」や「ダーク」といった表記があることに気づくかもしれません。これはカナダの基準で定められたグレードで、樹液を採取する時期によって色や風味が変わるんです。どのグレードを選ぶかで、くるみバターの仕上がりの印象がガラッと変わりますよ。

  • ゴールデン(デリケートテイスト): 収穫時期の初期にとれる希少なシロップ。色が最も薄く、繊細で上品な甘さが特徴。くるみの風味を邪魔したくない場合に。

  • アンバー(リッチテイスト): 最も一般的で、皆さんが「メープルシロップ」と聞いて思い浮かべるであろう風味がこれです。美しい琥珀色で、風味のバランスが非常に良いのが特徴です。パンケーキやトーストによく合います。今回のくるみバターには、このアンバーが最もおすすめです!くるみの香ばしさとメープルの風味、両方が引き立ちます。

  • ダーク(ロバストテイスト): 収穫時期の中盤〜後半にとれるシロップ。色が濃くなり、風味もより力強く、コクが増します。メープルの風味をしっかり効かせたい、少し個性的なくるみバターにしたい場合にぴったりです。お菓子作りの風味付けにも向いています。

  • ベリーダーク(ストロングテイスト): 収穫時期の最後に採れるため、色が最も濃く、ミネラル感が豊富で非常に力強い風味が特徴。プロの料理人がソースなどに使うことが多いグレードです。

今回は、バランスの良い「アンバー(リッチテイスト)」を使いますが、あなたの好みでダークを選んで、より濃厚なメープル風味のくるみバターにするのも素敵ですね。

分離させない!加えるタイミング

手作りナッツバターでよくある失敗が「分離」。油分と水分が分かれてしまい、口当たりが悪くなってしまう現象です。メープルシロップは水分なので、加えるタイミングを間違えると分離の原因になります。でも、安心してください!プロの技を使えば、誰でも滑らかで美味しいメープルくるみバターが作れます。

分離させないためのベストタイミング

そのタイミングとは、「くるみとバターが完全に乳化し、一体化してから加える」ことです。

  1. まず、基本のレシピと同様に、ローストしたくるみをフードプロセッサーでペースト状にします。

  2. 次に、常温のバターを加えて、全体がツヤっとして滑らかになるまでしっかりと攪拌します。この「乳化」の工程が非常に重要です。

  3. くるみとバターが完全に一体化したら、フードプロセッサーを回したまま、メープルシロップを少しずつ、糸を垂らすようにゆっくりと加えていきます。

  4. 全てのシロップを加え終えたら、さらに1分ほど攪拌して全体を均一に混ぜ合わせます。

最初にくるみとバターで安定した乳化状態を作っておくことで、後から水分であるメープルシロップを加えても、その乳化が壊れにくくなるのです。焦って最初から全ての材料を一度に入れてしまうと、油分と水分がうまく混ざらず分離しやすくなるので、この順番をぜひ守ってくださいね。

甘さを自然に調整する方法

メープルシロップの代わりに、他の甘味料を使いたい場合もありますよね。はちみつやアガベシロップでも、美味しいくるみバターを作ることができます。ただし、代用する際にはいくつか注意点があります。

  • はちみつで代用する場合:
    はちみつはメープルシロップよりも粘度が高く、甘みも強い傾向があります。加える量は、メープルシロップのレシピ分量より少し(1〜2割ほど)減らすと、甘さのバランスが取りやすいでしょう。また、はちみつは種類によって風味が大きく異なります。アカシアのはちみつならクセがなく上品に、レンゲならコクのある仕上がりに、と選ぶ楽しみもありますね。ただし、1歳未満の赤ちゃんには、はちみつは与えないようにしてください。

  • アガベシロップで代用する場合:
    アガベシロップは、リュウゼツランという植物から作られる甘味料で、GI値が低いことで知られています。クセがなく、すっきりとした甘さが特徴で、メープルシロップよりも甘みが強いので、こちらも使用量は少し控えめにするのがおすすめです。さらりとしているので、くるみバターにも混ざりやすいですよ。

どちらのシロップを使う場合も、加えるタイミングはメープルシロップと同様に「くるみとバターが乳化した後」が鉄則です。あなたのライフスタイルや好みに合わせて、甘味料を選んでみてくださいね。

メープルくるみバター レシピ

材料

  • 生くるみ:200g

  • 無塩バター:100g (常温に戻しておく)

  • メープルシロップ(アンバー推奨):大さじ3〜4(お好みで調整)

  • 塩:ひとつまみ

作り方

  1. 生くるみを160℃のオーブンで10分ローストし、粗熱を取ります。

  2. フードプロセッサーにくるみを入れ、ペースト状になるまで攪拌します。

  3. 常温に戻したバターを加え、全体が滑らかに乳化するまでしっかりと混ぜ合わせます。

  4. フードプロセッサーを回したまま、メープルシロップを少しずつゆっくりと加えます。

  5. 最後に塩をひとつまみ加えて味を引き締め、全体が均一になるまで攪拌したら完成です。

このメープルくるみバターは、休日の朝のパンケーキにたっぷりかけるのが私の一番のおすすめです!焼きたてのパンケーキに、とろりとしたメープルくるみバターが溶けていく様子は、見ているだけでも幸せな気持ちになりますよ。

4. 今夜はちょっぴり贅沢に。ラム酒が香る大人のくるみバター

いつものくるみバターにラム酒をほんの少し加えるだけで、グッと大人向けの芳醇な味わいに変身します。口に入れた瞬間に広がるラムの甘く豊かな香りと、くるみの香ばしさ、バターのコクが三位一体となった、まさに贅沢な逸品です。バニラアイスに添えれば、それだけで極上のデザートに。夜、ワインやウイスキーを片手に、チーズプレートのお供にするのも最高ですよ。

お菓子作りに合うラム酒の選び方

ラム酒と一言で言っても、その種類は様々。サトウキビの搾り汁を原料に作られるお酒で、色や製法によって「ホワイトラム」「ゴールドラム」「ダークラム」などに分類されます。それぞれキャラクターが違うので、作りたいお菓子のイメージに合わせて選ぶのがポイントです。

  • ホワイトラム: 活性炭でろ過されているため、無色透明でクセのないクリアな味わいが特徴です。カクテルのベース(モヒートなど)によく使われますが、素材の風味を活かしたい繊細なお菓子作りにも向いています。

  • ゴールドラム: 樽で短期間熟成させるため、美しい琥珀色をしています。バニラやカラメルのような甘い香りがほんのり感じられ、バランスの取れた味わいです。

  • ダークラム: 樽での長期熟成、またはカラメル添加によって濃い褐色をしています。風味が非常に濃厚で、スパイシーかつ甘い香りが力強いのが特徴です。ドライフルーツの漬け込みや、チョコレート系のお菓子、そして今回のくるみバターのように、しっかりとした風味を付けたい時に最適です!

お菓子作りにおすすめの具体的な銘柄

  • マイヤーズ ラム オリジナルダーク (Myers’s Rum Original Dark):
    「ラム酒といえばコレ!」という方も多い、定番中の定番。ジャマイカ産のダークラムで、濃厚な香りと深いコクが特徴です。お菓子に少量加えるだけで、本格的な風味をプラスしてくれます。今回のくるみバターには、このマイヤーズが非常におすすめです。

  • パンペロ アニベルサリオ (Pampero Aniversario):
    ベネズエラ産のプレミアムダークラム。革袋に入ったユニークな見た目も素敵ですが、味わいも絶品。バニラやレーズンのような甘く複雑な香りで、口当たりが非常に滑らか。少し奮発して、より上質なくるみバターを目指すなら試す価値ありです。

フランベで香りを引き出すコツ

ラム酒をそのまま加えても美味しいのですが、アルコールが少し気になる…という方や、もっとラムの「香り」だけを凝縮させたい!という方におすすめなのが「フランベ」という調理法です。フランベとは、アルコール度数の高いお酒をフライパンなどに入れて熱し、火をつけてアルコール分を飛ばすこと。これにより、ツンとしたアルコールの刺激が和らぎ、ラム酒本来の芳醇な香りだけをバターに移すことができるんです。

安全にフランベを行うための注意点

※火を扱いますので、必ず周りに燃えやすいものがないか確認し、換気扇を回して、細心の注意を払って行ってください。

  1. 小さなフライパンや鍋に、使う分量のラム酒(大さじ1〜2程度)を入れます。

  2. 弱火にかけ、ラム酒を少し温めます。フツフツと沸騰させないように注意してください。

  3. フライパンを少し傾け、コンロの火を移すようにすると、青い炎が「ボッ」と上がります。
    (もしコンロの火で着火するのが怖い場合は、柄の長いチャッカマンなどを使うと安全です。)

  4. 炎が自然に消えるまで、フライパンを優しく揺すります。10〜20秒ほどでアルコールが飛んで火が消えます。

  5. アルコールが飛んで香りが凝縮されたラム酒を、くるみバターの最後の仕上げに加えます。

このひと手間を加えるだけで、アルコール感のない、純粋なラムの香りだけをまとった、洗練された大人のくるみバターが完成します。

相性抜群!おすすめの組み合わせ

この大人のくるみバターは、他のドライフルーツと組み合わせることで、さらに魅力がアップします。味や食感のアクセントになり、見た目も華やかになりますよ。

  • ラムレーズン:
    これはもう、王道の組み合わせですね!フランベしたラム酒にレーズンを少し浸しておき、それをくるみバターに混ぜ込むだけで、自家製ラムレーズンバターが完成します。アイスクリームに添えるのはもちろん、クッキーサンドにしても絶品です。

  • ドライフィグ(いちじく):
    プチプチとした食感が楽しいドライフィグも、ラム酒との相性が抜群です。フィグを細かく刻んで混ぜ込むと、甘みと食感の複雑さが増し、赤ワインにぴったりのおつまみになります。クリームチーズと一緒にバゲットに乗せれば、簡単でおしゃれなアペリティフになりますよ。

加えるベストタイミング

ドライフルーツは、フードプロセッサーの最後の工程で加えるのがポイントです。くるみとバターが完全に混ざり合った後、刻んだドライフルーツを加えて、ゴムベラでさっくりと混ぜ合わせるか、フードプロセッサーで数秒だけ軽く回す程度に留めましょう。攪拌しすぎると、フルーツが細かくなりすぎて食感が失われてしまうので注意してくださいね。

大人のくるみバター レシピ

材料

  • 生くるみ:200g

  • 無塩バター:100g (常温に戻しておく)

  • ダークラム(マイヤーズなど):大さじ1〜2

  • お好みでレーズンやドライフィグ:30g

  • きび砂糖やブラウンシュガー:大さじ1(お好みで)

  • 塩:ひとつまみ

作り方

  1. くるみを160℃のオーブンで10分ローストし、粗熱を取ります。

  2. フードプロセッサーでくるみをペースト状にし、バターを加えて滑らかになるまで攪拌します。

  3. お好みで砂糖と塩を加えて混ぜ合わせます。

  4. ラム酒を加え(お好みでフランベしてから)、全体に香りが行き渡るように軽く攪拌します。

  5. 最後に細かく刻んだドライフルーツを加え、ゴムベラで混ぜ合わせたら完成です。

今夜は、この芳醇なくるみバターで、少しだけ贅沢な時間を過ごしてみませんか?

5. スパイス好き必見!アレンジ自在なシナモンくるみバター

いつものくるみバターに、ほんの少しスパイスを加えるだけで、一気に専門店のデリのような、本格的でエキゾチックな味わいに変身します。シナモンの甘い香りはもちろん、カルダモンやナツメグなど、くるみと相性抜群のスパイスはたくさんあるんです。自分だけのオリジナルブレンドを見つけるのも、このレシピの醍醐味。スパイスの魔法で、あなたのくるみバターの世界を無限に広げてみましょう!

スパイスの黄金比率を大公開

スパイスはたくさん入れれば良いというものではなく、バランスが命です。特にくるみは繊細な風味を持っているので、その良さを消してしまわないような、絶妙な配合が求められます。ここでは、私が試行錯誤の末に見つけた、くるみと相性抜群のスパイスとその黄金比率をご紹介しますね!

基本のスパイスミックス(くるみ200gに対して)

  • シナモンパウダー: 小さじ1

  • ナツメグパウダー: 小さじ1/4

  • カルダモンパウダー: 小さじ1/4

  • オールスパイス: ほんの少し(指でひとつまみ程度)

それぞれのスパイスの役割

  • シナモン: 甘く温かみのある香りで、全体のベースとなります。くるみの香ばしさを引き立て、甘みを加えてくれます。

  • ナツメグ: 甘く刺激的な香りが特徴で、乳製品(バター)との相性が抜群です。深みと奥行きを与えてくれます。入れすぎると薬っぽくなるので、少量でOK。

  • カルダモン: 「スパイスの女王」とも呼ばれる、清涼感のある高貴な香りが特徴。少量加えるだけで、一気に爽やかでエキゾチックな雰囲気になります。

  • オールスパイス: シナモン、ナツメグ、クローブを合わせたような香りがすることからこの名が付きました。複雑で深みのある香りをプラスする、隠し味的な存在です。

この比率を基本に、シナモンを多めにしてアップルパイのような風味にしたり、カルダモンを増やして北欧風にしたりと、自由にアレンジしてみてください。GABANやS\&Bなど、手に入りやすいメーカーのスパイスで十分に美味しく作れますよ。

「チャイ風」アレンジで本格的な味に

スパイス好きなら、きっとチャイもお好きなのではないでしょうか?実は、紅茶の茶葉を少量加えるだけで、このスパイスくるみバターが、一気に香り高い「チャイ風」に大変身するんです!

チャイ風アレンジのポイント

使用する紅茶の茶葉は、香りが華やかな「アールグレイ」が特におすすめです。アールグレイのベルガモットの香りが、スパイスとくるみの風味と見事に調和します。

作り方

  1. アールグレイのティーバッグ1袋分(約2g)の茶葉を、すり鉢や指で細かく砕きます。リーフティーの場合は、ミルなどでパウダー状にすると口当たりが良くなります。

  2. この茶葉パウダーを、上記のスパイスミックスと一緒にくるみバターに加えるだけです。

たったこれだけで、口に入れた瞬間に紅茶の豊かな香りが広がり、後からスパイスが追いかけてくる、非常に複雑で奥深い味わいのくるみバターが完成します。ライ麦パンのような少し酸味のあるパンに塗ったり、リンゴのスライスに乗せて食べるのが私のおすすめです。

香りを引き出すスパイス投入の順番

最高の香りを引き出すためには、スパイスをどの工程で加えるかが非常に重要です。スパイスの香りの成分は揮発性(熱で飛びやすい)なので、タイミングを間違えるとせっかくの香りが弱くなってしまいます。

ベストな投入タイミング

それは、「フードプロセッサーでの攪拌がほぼ終わり、仕上げる直前」です。

  1. まず、基本のレシピ通りに、ローストしたくるみをペースト状にし、バターを加えて滑らかに乳化させます。

  2. フードプロセッサーを止めて、準備しておいたスパイスミックス(と、お好みで紅茶パウダー)を加えます。

  3. 再度フードプロセッサーのスイッチを入れ、10〜20秒ほど、全体にスパイスが均一に行き渡るまで軽く攪拌します。

なぜこのタイミングが良いのか?

フードプロセッサーを長時間回すと、摩擦熱で内部の温度が上がります。最初からスパイスを入れて長時間攪拌してしまうと、その熱で繊細な香りが飛んでしまうのです。そのため、攪拌の最終段階で加えて、熱の影響を最小限に抑えつつ、バターの油分に香りをしっかりと移すのが理想的なのです。このひと工夫で、香りの立ち方が全く違ってきますよ。

スパイスくるみバター レシピ

材料

  • 生くるみ:200g

  • 無塩バター:100g(常温に戻しておく)

  • シナモンパウダー:小さじ1

  • ナツメグパウダー:小さじ1/4

  • カルダモンパウダー:小さじ1/4

  • 塩:ひとつまみ

  • (お好みで)アールグレイの茶葉:ティーバッグ1個分

作り方

  1. くるみを160℃のオーブンで10分ローストし、粗熱を取ります。

  2. フードプロセッサーでくるみをペースト状にし、バターを加えて滑らかになるまで攪拌します。

  3. 塩と、全てのスパイス(お好みで細かくした茶葉も)を加えます。

  4. 全体が均一になるまで10〜20秒ほど軽く攪拌したら完成です。

このスパイスくるみバターは、かぼちゃのポタージュに少し溶かしたり、焼き芋につけても絶品です。ぜひ、あなただけのオリジナルスパイスブレンドを見つけて、くるみとバターの新しい可能性を楽しんでくださいね!

6. 【作って食べて徹底比較】私のおすすめくるみバターはコレ!

ここまで4つの個性豊かなくるみバターのレシピをご紹介してきましたが、「結局どれが一番美味しいの?」と気になりますよね。そこで、私が実際に4種類すべてを作って、じっくり食べ比べてみました!それぞれの味や香り、おすすめの食べ方について、私の正直な感想を交えながらレポートします。あなたのくるみバター選びの参考になれば嬉しいです!

4つのくるみバター実食レポート

キッチンに4種類のくるみバターを並べた光景は、まさに圧巻!それぞれ見た目も香りも全く違って、テイスティング前からワクワクが止まりませんでした。焼きたてのバゲットを用意して、いざ実食です!

基本のくるみバター

まずは全ての土台となる「基本のくるみバター」から。口に入れた瞬間、ガツンとくるみの力強い風味が広がります!自分でローストしたからこその、フレッシュで香ばしいくるみの味がダイレクトに感じられますね。後から追いかけてくるバターのまろやかなコクと、キリッとした岩塩の塩気が、くるみの甘みを最大限に引き立てています。これは甘いパンよりも、全粒粉のパンやカンパーニュのような、穀物の味がしっかりするパンに合わせたくなります。意外な発見だったのは、赤ワインとの相性が抜群だったこと!濃厚なくるみとバターの風味が、カベルネ・ソーヴィニヨンなどの重めの赤ワインにぴったりで、これだけで立派なおつまみになります。シンプルだからこそ、くるみとバターのポテンシャルを一番感じられる逸品でした。

メープルくるみバター

次に、見た目もツヤツヤで可愛らしい「メープルくるみバター」を。これはもう、食べた瞬間に「幸せ〜!」と声が出てしまう美味しさです(笑)。メープルシロップの優しい、角のない甘さと華やかな香りが、くるみの香ばしさと完璧にマッチしています。甘すぎず、後味はすっきり。これは間違いなく、休日の朝食の主役ですね!実際に、週末に焼いたアメリカンタイプのパンケーキにたっぷりかけて家族に出したところ、「お店みたい!」と大歓声が上がりました。スコーンやワッフル、フレンチトーストにも絶対に合います。子供から大人まで、誰もが大好きになる味。常備しておけば、おやつの時間がもっと楽しくなること間違いなしのくるみバターです。

大人のくるみバター

そして、一番楽しみにしていた「大人のくるみバター」。蓋を開けた瞬間から、ダークラムの甘く芳醇な香りがふわっと漂って、期待が高まります。一口食べると、まずラム酒の華やかな香りが鼻に抜け、その後にくるみの深いコクと、一緒に混ぜ込んだドライフィグのプチプチとした食感、凝縮された甘みが追いかけてきます。これはもう、デザートであり、おつまみですね。バニラアイスに添えたら、それだけで高級レストランのドルチェのようになります。夜、一人でゆっくり映画でも観ながら、クリームチーズと一緒にクラッカーに乗せて、ウイスキーやブランデーをちびちび…なんていう贅沢な時間を過ごしたくなる、まさに大人のためのご褒美くるみバターです。

スパイスくるみバター

最後は、最も個性的でエキゾチックな「スパイスくるみバター」。シナモン、ナツメグ、カルダモン、そしてチャイ風アレンジで加えたアールグレイの香りが複雑に絡み合って、とても奥深い味わいです。甘さはほとんどなく、スパイスの香りが主役。特にカルダモンとアールグレイの爽やかな香りが、くるみのオイリーさを軽やかにしてくれて、後を引く美味しさです。これは、少し酸味のあるライ麦パンにぴったりでした!また、焼いたリンゴやかぼちゃのソテーに添えても、料理のアクセントになって素晴らしいと思います。人によっては好みが分かれるかもしれませんが、スパイス好きや、いつもと違う味を求めている方には、ぜひ試していただきたい、クセになる魅力を持ったくるみバターでした。

ひと目でわかる!くるみバター比較表

私の主観も入っていますが、4種類のくるみバターの特徴を一覧表にまとめてみました。あなたの好みや用途に合わせて選んでみてくださいね。

レシピ名 甘さ くるみ感 香り おすすめの食べ方 再現難易度
基本のくるみバター ★☆☆ ★★★ ★★☆ トースト、料理の隠し味、赤ワインと ★☆☆
メープルくるみバター ★★★ ★★☆ ★★☆ パンケーキ、スコーン、ワッフル ★★☆
大人のくるみバター ★★☆ ★★☆ ★★★ バニラアイス、チーズ、ウイスキーと ★★★
スパイスくるみバター ★☆☆ ★★☆ ★★★ ライ麦パン、フルーツ、焼き野菜 ★★☆

手作りくるみバターのある豊かな食生活

いかがでしたか?手作りくるみバターと一言で言っても、アレンジ次第で全く違う表情を見せてくれるのが面白いですよね。自分で材料を選び、丁寧に作る時間はとても豊かで、キッチンに広がる香ばしい香りは何よりのご褒美です。

作ったくるみバターは、必ず煮沸消毒した清潔な瓶に入れて、冷蔵庫で保存してくださいね。そうすれば、おおよそ2週間ほどは美味しく楽しむことができます。ただ、手作りで保存料は一切使っていないので、なるべく早めに食べ切るのがおすすめです。

週末に少しだけ時間を作って、あなただけの特別なくるみバター作りに挑戦してみませんか?きっと、あなたのいつもの食卓が、もっともっと豊かで楽しいものになりますように!

WRITING
西村恭平
西村恭平 Nishimura Kyohei

大学を卒業後、酒類・食品の卸売商社の営業を経て2020年2月に株式会社ブレーンコスモスへ入社。現在は「無添加ナッツ専門店 72」のバイヤー兼マネージャーとして世界中を飛び回っている。趣味は「仕事です!」と即答してしまうほど、常にナッツのことを考えているらしい。