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【保存版】本当に美味しいくるみパウンドケーキ4選|決定版レシピ

2025.08.09
【保存版】本当に美味しいくるみパウンドケーキ4選|決定版レシピ

オーブンから漂うバターの甘い香りと、香ばしいくるみの風味。ゴロゴロ入ったくるみの食感が楽しい、しっとりとしたパウンドケーキをご自宅で味わってみませんか?

くるみのパウンドケーキは、シンプルな材料ながら、いくつかのコツを押さえるだけで、お店のような本格的な味わいに仕上がります。この記事では、誰でも失敗なく作れる黄金比のレシピを大公開。週末は、手作りの絶品パウンドケーキで、心温まるティータイムを過ごしましょう。

1. まずは基本から!香ばしさが決め手の「王道くるみパウンドケーキ」レシピ

何事もまずは基本から!ということで、シンプルだからこそ奥深い、王道のくるみパウンドケーキの作り方をご紹介します。「くるみって、そのまま入れていいの?」なんていう素朴な疑問にもお答えしますよ。実は、ちょっとした下処理で、くるみの香ばしさが格段にアップするんです。このひと手間が、あなたの作るくるみパウンドケーキをワンランク上の美味しさに引き上げてくれます。

くるみをローストする最適な温度と時間

くるみパウンドケーキの主役である「くるみ」。このくるみのポテンシャルを最大限に引き出す秘訣が「ロースト」です。生のくるみでももちろん美味しいのですが、ローストすることで余分な水分が飛び、カリッとした軽快な食感が生まれます。さらに、加熱されることでくるみの油分から香ばしい風味が立ち上り、パウンドケーキの生地全体に豊かな奥行きを与えてくれるのです。

では、最適なローストの条件とは何でしょうか。カリフォルニアくるみ協会が行った研究によると、ローストの温度と時間によって風味や食感が大きく変化することが分かっています。家庭用のオーブンでおすすめしたいのが、「160℃で7〜10分」という条件です。この温度帯でじっくり加熱することで、くるみの内部まで均一に火が通り、渋みが抑えられ、甘みと香ばしさが際立ちます。170℃を超えると焦げやすくなり、せっかくの風味が損なわれてしまう可能性があるので注意が必要です。ローストしたてのくるみは、まるで専門店のような本格的な香りがキッチンに広がりますよ。

生地に混ぜ込むくるみのベストな大きさとタイミング

ローストして香ばしくなったくるみですが、生地に混ぜ込む際の大きさとタイミングも、実は仕上がりを左右する重要なポイントです。まず大きさですが、あまり細かく刻みすぎない「手で粗く割る」程度がおすすめです。具体的には、5mm〜1cm角くらいの大きさが目安です。こうすることで、食べた時にくるみの存在感がしっかりと残り、「カリッ」という楽しい食感のアクセントになります。細かすぎると食感が弱くなり、大きすぎると生地が割れたり、切り分ける際に崩れたりする原因になります。

次に混ぜ込むタイミングです。ベストなタイミングは、粉類(薄力粉やベーキングパウダー)を生地に加え、ゴムベラでさっくりと混ぜ合わせ、少し粉気が残っている状態の時です。この段階でくるみを加えることで、くるみの周りに粉が薄くまぶされ、生地の中で沈み込んでしまうのを防ぐ効果があります。焼き上がりの断面を見た時に、くるみが底に固まらず、全体にバランス良く散らばっているのが理想的な状態。この美しい見た目も、美味しさの大切な要素ですよね。

バターを「ポマード状」にする本当の意味とは?

パウンドケーキ作りのレシピで必ずと言っていいほど目にする「バターを常温に戻し、ポマード状に練る」という工程。これは一体なぜなのでしょうか?その答えは、パウンドケーキのふっくらとした食感を生み出す「クリーミング性」というバターの性質に隠されています。

バターは、13℃〜18℃の温度帯で、固体脂と液体脂が理想的なバランスで混ざり合った状態になります。この状態のバターを泡立て器で混ぜると、たくさんの細かい空気の泡を抱え込むことができるのです。この性質を「クリーミング性」と呼びます。指で押すとスッと跡がつくくらいの硬さ、まさに整髪料の「ポマード」のような状態が、このクリーミング性を最大限に発揮できるサイン。この工程で生地にたっぷりと空気を含ませることで、オーブンで焼いた時にその空気が膨張し、きめ細かく、ふんわりとした理想的なパウンドケーキになるのです。

逆にバターが冷たすぎると硬くて空気を抱き込めず、温めすぎて溶けてしまうと、抱え込んだ空気がすべて抜けてしまいます。辻調理師専門学校の製菓技術概要でも、このバターの温度管理の重要性が強調されています。美味しいくるみパウンドケーキを作るための、科学的な根拠に基づいた大切な第一歩と言えるでしょう。

材料(18cmパウンド型1台分)

  • 薄力粉:120g

  • ベーキングパウダー:小さじ1(約4g)

  • 食塩不使用バター:120g

  • グラニュー糖:110g

  • 卵(Mサイズ):2個 (約100g)

  • くるみ(生):80g

作り方

  1. (下準備) バターと卵は作る1時間前には冷蔵庫から出し、必ず常温に戻しておきます。オーブンは170℃に予熱を開始してください。パウンド型にはクッキングシートを敷いておきましょう。

  2. (くるみのロースト) 天板にくるみを広げ、160℃に設定したオーブンで7〜8分ローストします。香ばしい香りがしてきたら取り出し、粗熱が取れたら手で5mm〜1cm角程度に粗く割っておきます。

  3. (生地作り① バターを練る) ボウルに常温に戻したバターを入れ、ゴムベラでなめらかになるまで練ります。バターが均一に柔らかくなったら、泡立て器に持ち替え、グラニュー糖を3回に分けて加えながら、その都度白っぽくふんわりとなるまですり混ぜます。ここでしっかりと空気を含ませるのがポイントです。

  4. (生地作り② 卵を加える) 別のボウルで溶きほぐした卵を、5〜6回に分けて少しずつ加えていきます。加えるたびに、バターと卵が完全に混ざり合って乳化するまで、泡立て器で丁寧によく混ぜ合わせてください。一度に多くの卵を加えると分離の原因になるので、焦らずゆっくりと行いましょう。

  5. (生地作り③ 粉類を加える) 薄力粉とベーキングパウダーを合わせてふるい入れます。ゴムベラに持ち替え、ボウルの底から生地をすくい上げるように、切るようにさっくりと混ぜ合わせます。練らないように注意してください。

  6. (生地作り④ くるみを加える) 粉気が少し残っている状態で、ローストしておいたくるみを加えます。全体にくるみが行き渡るように、さっと混ぜ合わせます。

  7. (焼成) 生地を準備しておいたパウンド型に流し入れ、ゴムベラで表面を平らにならします。型の中心部を少しへこませるようにすると、焼き上がりが均一に膨らみやすくなります。型を2〜3回、少し高い位置からトントンと落として余分な空気を抜いたら、170℃のオーブンで40〜45分焼きます。

  8. (仕上げ) 焼き始めてから10〜15分経った頃に、一度オーブンから取り出し、ナイフで中央に縦一本の切り込みを入れると、お店のパウンドケーキのように「腹割れ」が綺麗にできます。焼き上がったら、竹串を中心に刺してみて、ドロッとした生地がついてこなければ完成です。型からすぐに取り出し、ケーキクーラーの上で粗熱を取ってください。ほんのり温かいうちにラップで包んでおくと、翌日にはさらにしっとりとした食感のくるみパウンドケーキが楽しめます。

2. 濃厚リッチな味わい!「チョコとくるみのパウンドケーキ」で至福のひととき

次にご紹介するのは、みんな大好きなチョコレートとの組み合わせ!濃厚なチョコの風味と、くるみのカリッとした食感がたまらない、ちょっと贅沢なくるみパウンドケーキです。カカオの香りが口いっぱいに広がるこのケーキは、自分へのご褒美スイーツとしてはもちろん、バレンタインや大切な人へのプレゼントにもぴったりですよ。

ビター?ミルク?使用するチョコで変わる味わいの違い

チョコレートと一言で言っても、その種類は様々。パウンドケーキに使うチョコレートを変えるだけで、仕上がりの印象は大きく変わります。

  • ビターチョコレート(カカオ分60%以上): カカオの風味が豊かで、甘さが控えめなのが特徴です。ビターチョコを使うと、カカオ本来のほろ苦さとコクが際立ち、濃厚で本格的な大人の味わいのパウンドケーキに仕上がります。くるみの香ばしさとも相性抜群で、甘すぎるのが苦手な方におすすめです。

  • ミルクチョコレート(カカオ分40%前後): カカオ分に乳製品が加えられており、まろやかでクリーミーな甘さが特徴です。ミルクチョコを使うと、お子様から大人まで楽しめる、優しく親しみやすい味わいのパウンドケーキになります。コーヒーや紅茶はもちろん、ミルクとの相性も抜群です。

どちらを選ぶかはお好み次第。今回は、濃厚さを重視して、カカオ分65%の製菓用ビターチョコレートを使用するレシピをご紹介しますが、ミルクチョコレートでアレンジするのも楽しいですよ。

ココアパウダーと溶かしチョコ、ダブル使いで濃厚さを極めるコツ

このレシピの最大のポイントは、純ココアパウダーと溶かしたチョコレートの両方を使う「ダブル使い」にあります。なぜこの二つを併用するのでしょうか?

純ココアパウダーは、カカオマスから脂肪分(カカオバター)を取り除いて粉末にしたもの。生地に混ぜ込むことで、水分を吸収し、焼き上がりの生地をよりホロっと、しかし濃密な食感にしてくれます。そして何より、カカオの純粋な香りとほろ苦さをダイレクトに生地へ与えてくれます。

一方、溶かしたチョコレートには、カカオバターという油脂分が豊富に含まれています。これを生地に加えることで、パウンドケーキ特有の「しっとり感」が格段にアップします。また、チョコレートが持つ甘みやコク、そして滑らかな口溶けが加わり、ケーキ全体にリッチな深みを与えてくれるのです。

このように、役割の違う二つのカカオ製品を組み合わせることで、香り、食感、コクのすべてが満たされた、究極に濃厚なチョコくるみパウンドケーキが完成するのです。

くるみとチョコの黄金比率を探る

濃厚なチョコレート生地の中で、くるみの存在感をどう際立たせるか。ここでもバランスが重要になります。基本のパウンドケーキ(粉120g)に対して、くるみは60g〜80g程度が一般的ですが、チョコレート生地の場合は少し多めの80gがおすすめです。

チョコレートの強い風味に負けないよう、くるみの量を増やすことで、どこを食べてもカリッとした食感と香ばしさが感じられるようになります。また、今回は生地に混ぜ込むだけでなく、焼き上がりのトッピングにもくるみを使うことで、見た目にも華やかで、食感のコントラストが楽しいパウンドケーキを目指します。まさに、くるみとチョコレートの魅力を最大限に引き出すための黄金比率と言えるでしょう。

材料(18cmパウンド型1台分)

  • (基本の材料から変更・追加)

  • 薄力粉:100g

  • 純ココアパウダー:20g

  • ベーキングパウダー:小さじ1(約4g)

  • 食塩不使用バター:120g

  • グラニュー糖:100g

  • 卵(Mサイズ):2個

  • 製菓用ビターチョコレート(カカオ分60%以上推奨):60g

  • くるみ(生):80g

  • 牛乳(または生クリーム):大さじ1

作り方

  1. (下準備) 基本のレシピと同様に、バターと卵を常温に戻し、オーブンを170℃に予熱します。型にシートを敷いておきます。くるみは160℃のオーブンで7〜8分ローストし、60gは粗く割り、残りの20gはトッピング用に少し大きめに割っておきます。薄力粉と純ココアパウダー、ベーキングパウダーは合わせてふるっておきます。

  2. (チョコレートを溶かす) ビターチョコレートを細かく刻み、ボウルに入れて50℃〜60℃の湯煎にかけ、ゆっくりと溶かします。溶けたら湯煎から外し、人肌程度に冷ましておきます。

  3. (生地作り① バターと砂糖) ボウルにバターを入れ、ポマード状になるまで練ります。グラニュー糖を加えて白っぽくふんわりとなるまで、泡立て器でよく混ぜ合わせます。

  4. (生地作り② 卵とチョコを加える) 溶き卵を少しずつ加え、その都度よく混ぜて乳化させます。分離しそうになったら、ふるっておいた粉類を少量加えると安定します。次に、溶かしておいたチョコレートを加え、ゴムベラで均一になるまで混ぜ合わせます。

  5. (生地作り③ 粉類を加える) ふるっておいた粉類(薄力粉、ココアパウダー、ベーキングパウダー)を一度に加え、ゴムベラで切るようにさっくりと混ぜます。

  6. (生地作り④ くるみと牛乳を加える) 粉気が少し残っている段階で、生地用に割っておいたくるみ60gと、牛乳(または生クリーム)大さじ1を加えます。牛乳を加えることで、ココアパウダーが吸った水分を補い、しっとりとした仕上がりになります。艶が出るまでさっくりと混ぜ合わせましょう。

  7. (焼成) 生地を型に流し入れ、表面をならします。トッピング用に残しておいたくるみ20gを中央に飾り付け、170℃のオーブンで45〜50分焼きます。竹串を刺して生の生地がついてこなければ焼き上がりです。

  8. (仕上げ) 型から出してケーキクーラーの上で冷まします。濃厚なチョコレートの風味は、一日置くことで生地全体に馴染み、より一層美味しくなります。コーヒーや赤ワインと共に、至福のひとときをお過ごしください。

3. ほろ苦さがたまらない!大人の「キャラメルくるみパウンドケーキ」

甘いだけじゃ物足りない!というあなたに心からオススメしたいのがこちら。香ばしく焦がした自家製キャラメルとくるみを組み合わせた、ちょっぴりビターで大人の味わいのパウンドケーキです。ほろ苦いキャラメルの風味と、バターのコク、そしてくるみの香ばしさが見事に調和したこのケーキは、特に深煎りのコーヒーとの相性が抜群ですよ。

失敗しない!鍋で作る本格キャラメルソースの作り方

「キャラメル作りは焦がしてしまいそうで難しい…」と感じる方も多いかもしれません。でも、いくつかのポイントを押さえれば、ご家庭の小鍋で本格的なキャラメルソースを失敗なく作ることができます。

一番のコツは、「砂糖が色づき始めるまで、絶対に混ぜないこと」。小鍋にグラニュー糖と水を入れたら、中火にかけて静かに見守ります。鍋を揺するのはOKですが、ヘラなどでかき混ぜると、温度が下がって砂糖が再結晶化し、ジャリジャリになってしまう原因になります。

鍋の縁から徐々に茶色く色づき始めたら、鍋全体を優しく揺すって色を均一にします。理想の色になったらすぐに火を止め、温めておいた生クリームを加えます。この時、温度差でキャラメルが激しく跳ねるので、火傷には十分注意してください。長い柄のゴムベラなどで手早く混ぜ合わせれば、なめらかで美味しいキャラメルソースの完成です。

キャラメルの「焦がし具合」で風味はどう変わる?

キャラメルパウンドケーキの味わいを決定づけるのが、キャラメルの「焦がし具合」です。

  • 薄いキツネ色(琥珀色): この段階では、まだ甘みが強く、優しいミルクキャラメルのような風味です。お子様向けや、マイルドな味わいが好みの方はこちらがおすすめです。

  • 濃い茶色(醤油くらいの色): ここまで焦がすと、甘さに加えて香ばしさと心地よい苦味が出てきます。パウンドケーキの生地に混ぜ込むと、甘いバター生地と合わさって、風味にグッと深みと奥行きが生まれます。今回のレシピでは、この「しっかり焦がした」ビターなキャラメルを目指します。

  • 煙が立ち上る黒色: これは焦がしすぎのサイン。苦味が強すぎてしまい、えぐみが出てしまうので注意しましょう。

火を止めてからも余熱で色は濃くなるので、理想の色の一歩手前で火から下ろすのが成功の秘訣です。

生地に混ぜ込む用と、トッピング用のキャラメルくるみの作り分け

このレシピでは、2種類のキャラメルくるみを用意します。一つは「キャラメルソース」として生地に混ぜ込む用、もう一つはトッピングとしてケーキの上に飾る「キャラメリゼしたくるみ」です。

生地に混ぜ込むキャラメルソースは、生クリームを加えて液体状にすることで、バター生地とスムーズに混ざり合い、ケーキ全体を美しいマーブル模様に染め上げます。

一方、トッピング用のキャラメリゼくるみは、ローストしたくるみに、煮詰めたキャラメルを直接絡めて作ります。冷ますとキャラメルがカリカリに固まり、まるで専門店のナッツ菓子のよう。これを焼き上がったパウンドケーキの上に飾れば、見た目の華やかさと、カリカリとした食感のアクセントが加わり、より完成度の高い一品になります。このひと手間が、おうちカフェのレベルを格段に引き上げてくれますよ。

材料(18cmパウンド型1台分)

  • (基本の材料に加えて)

  • キャラメルソース用

    • グラニュー糖:60g

    • 水:大さじ1

    • 生クリーム(動物性脂肪分35%以上推奨):60ml

  • キャラメリゼくるみ(トッピング用)

    • くるみ(ロースト済み):30g

    • グラニュー糖:20g

    • 水:小さじ1

作り方

  1. (下準備) 基本のレシピと同様に、バターと卵を常温に戻し、オーブンを170℃に予熱します。型にシートを敷き、生地用のくるみ50gはローストして粗く割っておきます。生クリームは小鍋か電子レンジで人肌程度に温めておきます。

  2. (キャラメルソース作り) 小鍋にグラニュー糖60gと水大さじ1を入れ、中火にかけます。混ぜずに鍋を揺すりながら加熱し、全体が濃い茶色になったら火を止めます。温めておいた生クリームを、跳ねに注意しながら少しずつ加えて手早く混ぜ合わせます。粗熱を取っておきます。

  3. (キャラメリゼくるみ作り) 別の小鍋にグラニュー糖20gと水小さじ1を入れて火にかけ、薄い茶色になったらロースト済みのくるみ30gを加えて素早く絡めます。クッキングシートの上に取り出し、一粒ずつ離して冷まし、固めておきます。

  4. (生地作り) 基本のレシピと同様に、バターと砂糖を混ぜ、溶き卵を少しずつ加えて乳化させます。

  5. (生地に混ぜる) ふるった粉類(薄力粉、ベーキングパウダー)を加え、ゴムベラでさっくりと混ぜます。粉気が少し残っている段階で、生地用のくるみ50gを加えて混ぜ合わせます。

  6. (マーブル模様を作る) 出来上がった生地の1/3量を別のボウルに取り分け、そこに作っておいたキャラメルソースの2/3量を加えて混ぜ合わせ、キャラメル生地を作ります。

  7. (型に入れる) パウンド型に、プレーン生地とキャラメル生地を交互にスプーンで落とし入れ、層になるようにします。最後にゴムベラや竹串で底から一度大きくかき混ぜると、美しいマーブル模様になります。

  8. (焼成) 表面をならし、170℃のオーブンで40〜45分焼きます。竹串を刺して生の生地がついてこなければ焼き上がりです。

  9. (仕上げ) 焼き上がったパウンドケーキの粗熱が取れたら、残しておいたキャラメルソースを表面に塗り、冷ましておいたキャラメリゼくるみを散らして飾ります。キャラメルのほろ苦さと香ばしさが口いっぱいに広がる、贅沢なくるみパウンドケーキの完成です。

4. 風味豊かで上品に!「ラムレーズンとくるみのパウンドケーキ」

最後にご紹介するのは、ラム酒の芳醇な香りがたまらない、上品な味わいの大人のためのくるみパウンドケーキです。じっくりとラム酒に漬け込んだレーズンのジューシーな甘みと酸味、そしてくるみの香ばしい食感が織りなすハーモニーは、一度食べたらやみつきになること間違いなし。ゆっくりと過ごす休日の午後に、香り高い紅茶と共に味わいたい、とっておきの一品です。

市販品でもOK!でも、自家製ラムレーズンはもっと美味しい!漬け込み期間の目安

もちろん市販のラムレーズンを使っても手軽に作れますが、自家製ラムレーズンの美味しさは格別です。作り方は驚くほど簡単。オイルコーティングされているレーズンは、さっと熱湯をかけて油抜きし、水気をしっかり拭き取ります。あとは清潔な保存瓶にレーズンを入れ、ひたひたになるまでラム酒を注ぐだけ。

美味しくなるための最短漬け込み期間は「一晩」です。一晩置くだけでもレーズンがラム酒を吸ってふっくらとし、香りが移ります。ですが、真価を発揮するのは「1週間以上」漬け込んだもの。レーズンの甘みがラム酒に溶け出し、ラム酒のアルコールがまろやかになって、複雑で奥深い風味へと変化します。一度作っておけば冷蔵庫で半年以上保存可能なので、ぜひ自家製に挑戦してみてください。

おすすめのラム酒の種類(ダークラム?ゴールドラム?)

ラム酒には様々な種類がありますが、お菓子作りに使うなら、香りとコクが豊かな「ダークラム」が断然おすすめです。ダークラムは、サトウキビの糖蜜を原料とし、樽で長期間熟成させて作られます。そのため、バニラやカラメルのような甘く芳醇な香りと、スモーキーで複雑な味わいを持ち、パウンドケーキのような焼き菓子に負けない力強い風味を与えてくれます。特に「マイヤーズ」や「ネグリタ」といった銘柄は、製菓用としても人気が高く、手に入りやすいのでおすすめです。

一方、熟成期間が短い「ゴールドラム」や「ホワイトラム」は、風味がライトでスッキリしているため、カクテルなどには向いていますが、焼き菓子に使うと香りが飛んでしまいがちです。せっかく作るなら、ぜひダークラムを選んで、本格的な香りを楽しんでみてください。

くるみとラムレーズンの水分量を考慮した生地の調整方法

ラムレーズンは、その名の通りラム酒という水分をたっぷりと含んでいます。これをそのまま生地に加えると、生地全体の水分量が多くなりすぎてしまい、焼き上がりがべちゃっとしたり、生焼けになったりする原因になります。

これを防ぐためのポイントは2つあります。まず1つ目は、「ラムレーズンの水気を軽く切ること」。漬け込んであるラムレーズンを茶こしなどにあげ、キッチンペーパーで軽く押さえるようにして、表面の余分なラム酒を取り除きます。ただし、絞りすぎるとジューシーさが失われるので注意してください。

2つ目は、「生地に加える前に、少量の粉(分量内)をまぶしておくこと」。これは王道くるみパウンドケーキの際にもご紹介したテクニックと同じで、具材の周りを粉でコーティングすることで、生地の中での沈み込みを防ぐと同時に、余分な水分が生地に広がりすぎるのを抑える効果があります。この2つのひと手間で、ラムレーズンはジューシーさを保ちつつ、パウンドケーキの生地は理想的な食感に焼き上がります。

材料(18cmパウンド型1台分)

  • (基本の材料に加えて)

  • レーズン:80g

  • ダークラム:100ml〜(レーズンが浸る量)

  • くるみ(生):60g

  • 仕上げ用ラム酒(お好みで):大さじ1

作り方

  1. (ラムレーズン作り) 事前にラムレーズンを準備します。保存瓶にレーズンを入れ、ダークラムをひたひたになるまで注ぎ、冷蔵庫で最低一晩以上漬け込んでおきます。(1週間以上置くとさらに美味しくなります。)

  2. (下準備) 基本のレシピと同様に、バターと卵を常温に戻し、オーブンを170℃に予熱します。型にシートを敷いておきます。くるみは160℃のオーブンで7〜8分ローストし、粗く割っておきます。

  3. (生地作り) 基本のレシピと同様に、バターと砂糖を混ぜ、溶き卵を少しずつ加えて乳化させます。

  4. (具材の準備) 漬け込んでおいたラムレーズンの水気をキッチンペーパーで軽く押さえます。ローストしたくるみとラムレーズンをボウルに入れ、分量内の薄力粉から大さじ1杯分を振り入れて、全体に軽くまぶしておきます。

  5. (生地に混ぜる) バターと卵のボウルに、ふるっておいた残りの粉類(薄力粉、ベーキングパウダー)を加え、ゴムベラでさっくりと混ぜ合わせます。

  6. (具材を加える) 粉気が少し残っている状態で、粉をまぶしておいたくるみとラムレーズンを加えます。具材を潰さないように、ゴムベラで手早く全体に混ぜ合わせます。

  7. (焼成) 生地を型に流し入れ、表面をならしたら、170℃のオーブンで40〜45分焼きます。竹串を刺して生の生地がついてこなければ焼き上がりです。

  8. (仕上げ) ケーキが熱いうちに、刷毛で仕上げ用のラム酒を表面全体にたっぷりと塗ります。こうすることで、ラム酒の香りがさらに引き立ち、生地が乾燥するのを防ぎ、よりしっとりとした大人の味わいに仕上がります。粗熱が取れたらラップで包み、一晩寝かせると、味が馴染んで最高の食べごろになります。

5. あなたのお気に入りは?4種のくるみパウンドケーキ徹底比較&実食レポート!

ここまで4つの絶品くるみパウンドケーキのレシピをご紹介してきましたが、いかがでしたか?「どれも美味しそうで、どれから作ろうか選べない!」というあなたの声が聞こえてきそうです。そこで、今回ご紹介した4種類のパウンドケーキを、甘さや濃厚さといった項目別に比較してみました。ぜひ、あなたの今の気分やシーンに合わせて、作るレシピを選ぶ際の参考にしてみてくださいね。

独自コンテンツ①:くるみパウンドケーキ4種 徹底比較表

レシピ名 甘さ 濃厚さ 香ばしさ 大人の味 初心者向け度
王道くるみパウンドケーキ ★★★☆☆ ★★☆☆☆ ★★★★★ ★★☆☆☆ ★★★★★
チョコくるみパウンドケーキ ★★★★☆ ★★★★★ ★★★☆☆ ★★★☆☆ ★★★★☆
キャラメルくるみパウンドケーキ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★★★ ★★★★☆ ★★★☆☆
ラムレーズンくるみパウンドケーキ ★★★☆☆ ★★★☆☆ ★★★☆☆ ★★★★★★ ★★★☆☆

独自コンテンツ②:作って食べてみた!正直レビュー

というわけで、私、全部作って食べちゃいました!(笑) 作る工程もそれぞれに個性があって楽しかったのですが、やはり味が一番気になりますよね。あくまで個人的な感想ですが、正直にレビューさせていただきます!

まず「王道くるみパウンドケーキ」は、なんといってもくるみの香ばしさが主役!バターと砂糖のシンプルな甘さが、ローストしたくるみの風味を最大限に引き立てていて、まさに「毎日食べたい」と思える安心感のある美味しさでした。甘さ控えめなので、朝食にコーヒーと一緒にいただくのが最高でしたね。基本の作り方なので、お菓子作り初心者の方が最初に挑戦するのにもぴったりです。

次に「チョコくるみパウンドケーキ」。これはもう、チョコレート好きにはたまらない濃厚さ!ココアパウダーと溶かしチョコのダブル使いが効いていて、ガトーショコラに近いようなリッチな味わいです。くるみのカリッとした食感が、濃厚な生地の良いアクセントになっていました。疲れた日の夜に、自分へのご褒美として食べたい、そんな満足感たっぷりの一品です。

そして「キャラメルくるみパウンドケーキ」。これは、ほろ苦さがクセになる、まさに大人のためのスイーツでした。自分で焦がしたキャラメルの香ばしさは格別で、甘さと苦さのバランスが絶妙。トッピングしたキャラメリゼくるみのカリカリ感もたまりません。深煎りのコーヒーはもちろん、夜にウイスキーやブランデーなどのお酒と合わせて、ちびちび楽しむ…なんていう贅沢な楽しみ方もできそうな、奥深い味わいでした。

最後に「ラムレーズンくるみパウンドケーキ」。これは4つの中で一番「オシャレ」な味!扉を開けた瞬間にふわっと香るラム酒の芳醇な香りが、なんとも言えません。じっくり漬け込んだラムレーズンのジューシーさと、くるみの食感の組み合わせは、まさに鉄板。一口食べるごとに、優雅な気持ちにさせてくれます。休日の午後に、お気に入りの紅茶を丁寧に淹れて、ゆっくりと味わいたい上品なパウンドケーキです。

どれも本当に個性的で美味しいくるみパウンドケーキでした。ぜひ、あなたの気分やシーンに合わせて、ぴったりのレシピを選んでみてくださいね。くるみパウンドケーキ作り、本当に楽しいですよ!

WRITING
西村恭平
西村恭平 Nishimura Kyohei

大学を卒業後、酒類・食品の卸売商社の営業を経て2020年2月に株式会社ブレーンコスモスへ入社。現在は「無添加ナッツ専門店 72」のバイヤー兼マネージャーとして世界中を飛び回っている。趣味は「仕事です!」と即答してしまうほど、常にナッツのことを考えているらしい。