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くるみリキュール「ノチェロ」とは?味や美味しい飲み方をプロが解説

2025.10.24
くるみリキュール「ノチェロ」とは?味や美味しい飲み方をプロが解説

ナッツの女王とも呼ばれる「くるみ」が、極上のリキュールになることをご存知でしたか?イタリアでは「ノチェロ」と呼ばれ、食後酒として古くから親しまれています。その魅力は、なんといっても濃厚で香ばしい風味。アイスクリームにかければ大人のデザートに、コーヒーに垂らせば贅沢なカフェタイムを演出してくれます。 

この記事を読めば、いつものリラックスタイムを、もっと特別でおしゃれな時間に変えるヒントがきっと見つかります。くるみリキュールの選び方から、とっておきのアレンジレシピまで、その魅力を余すことなくご紹介します。

1. くるみリキュールの代表格!『ノチェロ』ってどんなお酒?

こんにちは!ナッツフレーバーのお酒が大好きで、世界中のリキュールを飲み歩いている私が、今回は特にお気に入りの一本、くるみリキュール『ノチェロ』の魅力について、たっぷりとご紹介させていただきますね。

あなたはお酒の棚を眺めていて、ひときわ目を引くユニークな形のボトルに出会ったことはありませんか?もしかしたら、それがこの『ノチェロ』かもしれません。まずは、この魅惑的な「くるみリキュール」が一体どんなお酒なのか、基本的な情報から一緒に見ていきましょう。

イタリア生まれの伝統的なリキュール

ノチェロは、美食の国イタリアで生まれた、くるみを主原料としたリキュールです。リキュールとは、ジンやウォッカのような蒸留酒に、果物やハーブ、スパイス、そしてナッツなどの風味を加えて造られるお酒の総称ですね。その中でも、くるみを使ったリキュFュールは少し珍しい存在かもしれません。

ノチェロの一番の特徴は、なんといってもその豊かな香りと味わいです。蓋を開けた瞬間に広がる、まるでローストしたてのくるみのような香ばしいアロマ。そして、口に含んだ時に感じる、優しくてどこか懐かしい甘さは、一度味わうと忘れられない魅力を持っています。この絶妙なバランスが、世界中の多くの人々を虜にしている秘密なのです。

アルコール度数は24度。これはリキュールの中では比較的一般的で、例えばカシスリキュールの代表格である「ルジェ・クレーム・ド・カシス」が約20度、ハーブ系リキュールの「シャルトリューズ ヴェール」が55度であることを考えると、強すぎず弱すぎず、非常に扱いやすい度数だと言えるでしょう。そのため、ストレートやロックでじっくり味わうのはもちろん、様々なカクテルベースとしても大活躍してくれる、まさに万能選手と呼べるくるみリキュールなのです。

ボトルデザインの魅力

ノチェロの魅力を語る上で欠かせないのが、そのアイコニックなボトルデザインです。他のリキュールのボトルとは一線を画す、まるで香水瓶のようなどっしりとしたガラス瓶。そして、ラベルの中央にはくるみのイラストが描かれており、一目で「くるみのお酒だ!」とわかるようになっています。

特に印象的なのは、キャップの部分。くるみの実を模したようなデザインになっていて、遊び心が感じられますよね。この可愛らしい見た目から、バーやレストランのバックバーに並んでいると非常に存在感がありますし、ご家庭のキッチンカウンターやリビングの棚に飾っておくだけで、空間をおしゃれに演出してくれるインテリアアイテムにもなります。プレゼントとして贈っても、きっと喜ばれること間違いなしの、素敵なルックスを持ったくるみリキュールです。

どんなシーンで楽しめる?

この万能なくるみリキュール、ノチェロは、様々なシーンで私たちの時間をもっと豊かにしてくれます。私が特におすすめしたい楽しみ方をいくつかご紹介しますね。

食後の一杯として

イタリアでは、リキュールは食後酒(ディジェスティーヴォ)として楽しまれる文化が根付いています。美味しいディナーを堪能した後に、ノチェロをストレートでゆっくりと味わう時間は、まさに至福のひととき。くるみの香ばしい香りと優しい甘さが、食事の満足感をさらに高めてくれます。胃をすっきりとさせ、心地よい眠りへと誘ってくれるでしょう。

特別な日の乾杯に

誕生日や記念日など、特別な日のお祝いにもノチェロはぴったりです。いつものスパークリングワインに少量加えるだけで、ナッツの風味が香るオリジナルカクテル「ノチェロ・ロワイヤル」が完成します。シュワシュワとした泡と共に立ち上るくるみの香りが、お祝いの席をより一層華やかに彩ってくれますよ。

ホームパーティーでのおもてなしに

友人を招いてのホームパーティーでは、ノチェロを使ったカクテルでおもてなししてみてはいかがでしょうか。後ほど詳しくご紹介しますが、牛乳で割ったりコーヒーに加えたりと、誰でも簡単に作れる美味しいカクテルがたくさんあります。このくるみリキュールが一本あるだけで、おもてなしのバリエーションがぐっと広がります。

このように、ノチェロは様々な場面で楽しめる、懐の深いくるみリキュールなのです。この記事を読み終える頃には、あなたもきっとノチェロの虜になっているはずですよ!

2. 名前の由来は「くるみの木」?知って楽しいノチェロのマニアックな豆知識

さて、ノチェロがどんなリキュールか基本的なところをご理解いただけたところで、ここからはさらに一歩踏み込んで、知れば知るほど面白い、ノチェロのマニアックな豆知識の世界へご案内します。お酒は、その背景にあるストーリーを知ることで、味わいが何倍にも深く感じられるものです。このくるみリキュールに隠された、素敵な物語を一緒に紐解いていきましょう。

製造元「トスキ社」の歴史とこだわり

ノチェロ(Nocello)という名前の由来は、イタリア語で「くるみ」や「くるみの木」を意味する “Noce”(ノーチェ)から来ていると言われています。その名の通り、まさにくるみの恵みを一身に受けたリキュールなのです。

この素晴らしいくるみリキュールを製造しているのは、イタリアの「トスキ社(Toschi Vignola s.r.l.)」という会社です。1945年にジャンカルロ・トスキとランフランコ・トスキ兄弟によって創業された、歴史ある老舗メーカーなんですよ。トスキ社は、もともとサクランボをアルコール漬けにした製品からスタートした会社で、現在ではフルーツリキュールやシロップ、バルサミコ酢など、イタリアの豊かな食文化を世界に発信する様々な製品を手掛けています。

本社を構えるのは、北イタリアのエミリア=ロマーニャ州、モデナ近郊のヴィニョーラという町。この地域は、フェラーリやランボルギーニといったスーパーカーの産地としても有名ですが、同時にサクランボやプラムなどの果物栽培が非常に盛んな場所でもあります。豊かな自然の恵みと、伝統を重んじる職人たちの情熱。トスキ社が生み出す製品には、そんなイタリアの魅力がぎゅっと詰まっているのです。ノチェロもまた、そんな彼らのこだわりと伝統への敬意から生まれた、特別な一本と言えるでしょう。

くるみのどの部分を使っている?

ノチェロの奥深い味わいは、一体どこから来るのでしょうか。その秘密は、使用するくるみの部位にある、という説が非常に興味深いんです。

一般的に、くるみリキュールを造る際は、くるみの「実(仁)」の部分をアルコールに漬け込んで風味を抽出します。もちろん、ノチェロも香ばしいくるみの実を使っているのですが、一部の専門家の間では、それだけではないと言われています。伝統的なイタリアのくるみリキュールの製法では、実だけでなく、くるみの青い「葉」や、硬い「殻」も一緒に使用することがあるそうなのです。

  • くるみの実: 豊かな油分とコク、ナッティな風味の源泉です。

  • くるみの葉: 爽やかで少し青々しい香り、そしてほのかな苦味を与え、味わいに複雑さをもたらします。

  • くるみの殻: 香ばしいロースト感や、リキュールに美しい琥珀色を与える役割を担っていると考えられます。

これらの部位を絶妙なバランスで組み合わせることで、単に甘いだけではない、多層的で深みのある、あのノチェロ特有の風味が生まれるのかもしれません。公式に詳細なレシピが公開されているわけではありませんが、こうした背景を想像しながら飲む一杯は、また格別な味わいがありますよね。これぞ、くるみリキュールのロマンです。

イタリアでのノチェロの立ち位置

イタリアには、レモンの皮から造られる「リモンチェッロ」や、アニスを使った「サンブーカ」など、地域ごとに様々な伝統的なリキュールが存在します。ノチェロもその一つで、特にくるみの産地であるエミリア=ロマーニャ州周辺では、古くから家庭でもくるみリキュールが造られてきた歴史があります。

それぞれの家庭に「マンマ(お母さん)の味」があるように、くるみの収穫時期や漬け込むお酒の種類、砂糖の量など、レシピは様々。そうした伝統的な家庭の味を、トスキ社が洗練させ、世界中の誰もが楽しめる製品として完成させたのが、私たちが今手に取ることができる『ノチェロ』なのです。

イタリアの人々にとって、くるみリキュールは、食後の語らいの時間を豊かにしたり、寒い冬に体を温めたりと、日々の暮らしに寄り添う存在。そんな温かい文化の中で育まれたリキュールだからこそ、ノチェロにはどこかホッとするような、優しい魅力が溢れているのかもしれませんね。

3. 気になるそのお味は?くるみリキュール『ノチェロ』の風味を徹底レビュー!

ノチェロの背景を知って、ますますこのくるみリキュールへの興味が湧いてきたのではないでしょうか。「うんちくは分かったけど、結局のところ、本当に美味しいの?」「くるみのお酒って、具体的にどんな味がするの?」そんなあなたの疑問に、ここからは私自身のテイスティング体験をもとに、具体的にお答えしていきます!香水を選ぶように、言葉の香りからその風味を想像してみてくださいね。

香り:グラスに広がる香ばしさ

まずは、ノチェロをグラスに注いで、その香りから楽しんでみましょう。グラスをゆっくりと鼻に近づけると、最初に感じるのは、驚くほどストレートなくるみの香りです。まるで、オーブンで丁寧にローストしたての、温かいくるみを目の前にしたかのよう。ナッツ特有の、少しオイリーで甘く、そして何より香ばしいアロマが、ふわりと立ち上ります。

しかし、その香りは単調ではありません。さらにじっくりと嗅いでみると、くるみの背後から、バニラやメープルシロップのような甘いニュアンスが顔を覗かせます。例えるなら、高級なナッツのパウンドケーキを焼いている時のキッチンのような、幸福感に満ちた香り。アルコールのツンとした刺激はほとんど感じられず、ただただ優しく、まろやかな香りがあなたを包み込んでくれるはずです。この香りを嗅ぐだけで、リラックスした気分になれること請け合いですよ。

味わい:甘さとビター感の絶妙なバランス

いよいよ、一口含んでみましょう。舌の上にノチェロが触れた瞬間、まず感じるのは見た目通りのとろりとした、まろやかな甘みです。黒糖やカラメルソースを思わせる、コクのある優しい甘さが口の中いっぱいに広がります。しかし、ただ甘いだけの子供っぽいリキュールとは全く違います。

その甘さの中心には、しっかりと「くるみ」の存在感があります。くるみを噛みしめた時に感じる、あの独特の風味と、ほんのりとした渋皮のようなビターなニュアンス。このほろ苦さが、全体の味わいをぐっと引き締め、甘さに奥行きと複雑さを与えているのです。甘さとビター感のバランスが非常に秀逸で、まるで上質なデザートをいただいているかのような満足感を得られます。ナッツのオイル分から来る、クリーミーで滑らかな口当たりも、このリキュールの特徴の一つですね。

口当たりと余韻

ノチェロの魅力は、その美しい余韻にもあります。飲み込んだ後も、甘ったるさが口の中に残ることはありません。すっきりとしていながらも、ローストしたくるみの香ばしい風味が、鼻からふっと抜けるように長く続きます。この心地よい後味があるからこそ、「もう一口」と、ついついグラスを重ねてしまうのかもしれません。

ストレートでじっくり味わう

ノチェロの持つ風味の全てをダイレクトに感じたいなら、まずはストレートで試してみてください。常温で、小さなリキュールグラスに注いで、少しずつ口に含みながら、香りや味わいの変化をじっくりと楽しむのがおすすめです。時間と共に温度が少し上がることで、香りがより一層華やかに開いていきますよ。

ロックで楽しむ味わいの変化

甘さを少し抑えて、よりすっきりと楽しみたい気分の時には、ロックが最適です。大きめの氷を入れたグラスにノチェロを注ぐと、キリッと冷やされることで甘みが少し穏やかになり、くるみの香ばしさがより際立ちます。そして、氷がゆっくりと溶けていくにつれて、味わいが徐々にまろやかに変化していくのもロックの醍醐味。一杯で何度も美味しい、そんな楽しみ方ができるのも、このくるみリキュールの奥深さです。

4. 初心者でも簡単!くるみリキュール『ノチェロ』のおすすめカクテル3選

「ノチェロ、とっても美味しそう!でも、普段あまりお酒を飲まないし、カクテルを作るのは難しそう…」と感じたあなた、どうかご安心ください。ノチェロの素晴らしいところは、専門的な技術やたくさんの材料がなくても、誰でも驚くほど簡単に美味しいカクテルが作れてしまう点にあります。

ここでは、お酒初心者の方でも絶対に失敗しない、くるみリキュール『ノチェロ』を使った定番で最高に美味しい飲み方を3つ、厳選してご紹介しますね。これを読めば、あなたも今日からお家バーテンダーです!

心安らぐ王道の味「ノチェロ・ミルク」

まず最初にご紹介するのは、ノチェロカクテルの王道中の王道、「ノチェロ・ミルク」です。これは本当に簡単で、ノチェロを牛乳で割るだけ。それなのに、驚くほど本格的で心安らぐ味わいになる、魔法のようなカクテルなんですよ。

くるみの香ばしい風味とミルクのまろやかさが完璧に融合し、まるでチャイやナッツ風味のカフェラテのような、ほんのりスパイシーで優しい甘さのドリンクに仕上がります。

ホットとアイス、どっちも美味しい!

このカクテルの素晴らしい点は、季節を問わずに楽しめること。暑い日には、氷をたっぷり入れたグラスで冷たい「アイスノチェロ・ミルク」を。くるみの風味が爽やかに香り、ごくごくと飲めてしまいます。

そして、寒い冬の夜には、温めた牛乳で割る「ホットノチェロ・ミルク」がたまりません。体が芯から温まり、くるみの香りがより一層豊かに感じられます。眠る前に飲めば、リラックス効果で心地よい眠りにつけることでしょう。お好みでシナモンパウダーを少し振りかけると、さらに風味が引き立ちますよ。

美味しく作る黄金比は?

私がおすすめする黄金比は、「ノチェロ1:牛乳3〜4」の割合です。まずはこの比率で試してみて、あなたのお好みに合わせて濃さを調整してみてください。甘めが好きな方はノチェロを多めに、お酒が弱い方は牛乳を多めにすると良いでしょう。どんな割合でも美味しく仕上がるのが、このカクテルのすごいところです。

大人のカフェタイム「ノチェロ・カフェ」

次にご紹介するのは、コーヒー好きにはたまらない「ノチェロ・カフェ」です。これも作り方は至ってシンプル。あなたが普段飲んでいる、いつものコーヒーにノチェロを少量加えるだけです。

たったそれだけで、喫茶店のメニューにあるような、本格的なフレーバーコーヒーに大変身!コーヒーの深いコクと苦味に、くるみリキュールの香ばしさと甘みが加わり、味わいにぐっと深みと奥行きが生まれます。仕事の合間のリフレッシュタイムや、休日の午後の読書のお供にぴったりの一杯です。

相性の良いコーヒー豆の種類

基本的にどんなコーヒーとも合いますが、特におすすめなのは、ブラジルやグアテマラなど、ナッツ系のフレーバーを持つ中煎り〜深煎りのコーヒー豆です。豆の持つ香ばしさとノチェロのくるみの風味が共鳴し、最高のペアリングを楽しめます。インスタントコーヒーでも十分に美味しいですが、ドリップしたてのコーヒーを使えば、香りがさらに引き立ち格別な味わいになります。

アレンジレシピ:ウインナーコーヒー風

このノチェロ・カフェに、ホイップクリームをたっぷりと浮かべれば、リッチなデザートドリンク「ノチェロ・ウインナーコーヒー」の完成です。クリームのコクとノチェロの風味が相性抜群!自分へのご褒美に、ぜひ試してみてくださいね。加える量は、コーヒーカップ一杯に対して、ティースプーン1〜2杯(約5〜10ml)程度が目安です。

食前酒にも最適「ノチェロ・ソーダ」

甘いカクテルは少し苦手、という方におすすめしたいのが、この「ノチェロ・ソーダ」です。ノチェロを炭酸水(ソーダ)で割るだけの、非常にシンプルなスタイル。

ソーダの弾ける泡が、ノチェロの優しい甘さを程よく抑え、くるみの香ばしさを引き立ててくれます。驚くほどすっきりとしていて、爽快な飲み口なので、食事の前の食前酒(アペリティーヴォ)としても最適。シュワっとした喉越しが食欲を刺激してくれますよ。

爽やかさをプラスする一工夫

このカクテルをさらに美味しくするコツは、レモンやライムを軽く搾り加えることです。柑橘のフレッシュな酸味が加わることで、全体の味わいがきゅっと引き締まり、より爽やかな印象になります。グラスの縁にスライスしたレモンを飾れば、見た目もおしゃれなカフェ風ドリンクに。

フルーツとの組み合わせ

カットしたオレンジや、ベリー系の冷凍フルーツをグラスに加えるのもおすすめです。フルーツの甘酸っぱさとノチェロのくるみ風味が意外なほどマッチして、見た目も華やかなフルーツソーダカクテルになります。ホームパーティーなどで出せば、歓声が上がること間違いなしですよ。

5. お菓子作りにも大活躍!飲むだけじゃない、くるみリキュールの意外な使い方

ノチェロの魅力は、カクテルとして楽しむだけにとどまりません。実はこのくるみリキュール、キッチンに一本常備しておくと、いつものお菓子やデザート、さらにはお料理まで、ぐっと本格的な味わいに変身させてくれる、魔法の調味料としても大活躍してくれるんです。

ここでは、飲むだけではもったいない、ノチェロの意外で便利な使い方を、具体的なレシピのアイデアと共にご紹介します!

デザートを格上げする魔法の一滴

まずは、一番手軽に試せるデザートへの活用法です。火を使ったり、難しい手順は一切不要。ただ「かけるだけ」「混ぜるだけ」で、いつものデザートがワンランク上の「大人のスイーツ」に生まれ変わります。

アイスクリームやヨーグルトにかけて

これは絶対に試していただきたい、最もシンプルで最高に美味しい組み合わせです。市販のバニラアイスクリームに、ノチェロをとろりとかけるだけ。アイスの冷たさでノチェロの甘みが少し引き締まり、くるみの香ばしい風味が際立ちます。バニラのクリーミーな味わいと合わさって、まるで高級レストランのデザートのような一皿に。チョコレートアイスやキャラメルアイスとの相性も抜群ですよ。

また、朝食の定番であるプレーンヨーグルトにかけるのもおすすめです。ヨーグルトの酸味とノチェロの甘みが絶妙にマッチ。砕いたくるみやグラノーラを一緒にトッピングすれば、栄養満点で満足感のあるヘルシーなデザートになります。

パンケーキやフレンチトーストのシロップに

いつものメープルシロップの代わりに、ノチェロを使ってみてください。温かいパンケーキやフレンチトーストに染み込んだくるみリキュールが、ふわっと香り立ち、食欲をそそります。バターの塩気との相性も最高で、甘じょっぱい味わいが癖になりますよ。少し煮詰めてアルコールを飛ばし、とろみをつけた自家製くるみシロップを作るのも素敵ですね。

本格スイーツの香りづけに

次にご紹介するのは、お菓子作りの「香りづけ」としてノチェロを活用する方法です。製菓用のエッセンスやオイルのように、生地に少量加えるだけで、お店で売っているような、プロ顔負けの本格的な風味をプラスすることができます。

パウンドケーキやマフィンの生地に混ぜ込む

パウンドケーキやマフィン、クッキーなどの焼き菓子の生地を作る際に、ノチェロを少量加えてみてください。例えば、パウンドケーキ1台分の生地(薄力粉100g程度)に対して、ノチェロを大さじ1杯程度が目安です。アルコール分は焼いている間に飛んでしまうので、お子様でも安心して食べられます。残るのは、くるみの豊かで香ばしい風味だけ。生地に刻んだくるみを加えれば、ダブルのくるみ効果で、さらにリッチな味わいになります。

生チョコレートやガナッシュの風味付けに

バレンタインの手作りチョコにも、ノチェロは活躍します。溶かしたチョコレートに生クリームを加えて作るガナッシュに、ノチェロを数滴垂らしてみてください。チョコレートのビターな風味と、くるみリキュールのまろやかな甘みが驚くほどよく合います。トリュフや生チョコレートにすれば、ブランデーを使ったものとは一味違う、ナッティで優しい風味の大人なショコラが完成します。

意外な組み合わせ!料理の隠し味

「え、リキュールをお料理に?」と驚かれるかもしれませんが、実はノチェロは甘いものだけでなく、塩気のあるお料理の「隠し味」としても非常に優秀なんです。そのナッティなコクと甘みが、料理に深みと複雑さを与えてくれます。

煮込み料理のコク出し

特に相性が良いのが、クリーム系の煮込み料理です。例えば、クリームシチューや鶏肉のクリーム煮。仕上げにノチェロをほんの少し(4人分のシチューに小さじ1程度)加えてみてください。くるみの持つコクと甘みが、全体の味をまろやかにまとめ、ぐっと深みのあるプロの味わいに近づけてくれます。これは私が試して驚いた裏技なので、ぜひ一度挑戦してみてください。

ドレッシングやソースのアクセントに

お肉料理のソース作りにも応用できます。例えば、豚肉のソテーを作った後のフライパンに残った肉汁に、バルサミコ酢と醤油、そしてノチェロを加えて少し煮詰めれば、絶品のくるみ風味ソースが完成します。また、オリーブオイルと塩胡椒、お酢で作るシンプルなドレッシングにノチェロを数滴加えれば、サラダがごちそうになる、香り高いナッツドレッシングになりますよ。

このように、ノチェロはアイデア次第で無限の可能性を秘めた、キッチンの頼れるパートナーになってくれるくるみリキュールなのです。

6. 【筆者の体験談】他のナッツ系リキュールとくるみリキュールはどう違う?ノチェロの個性を深掘り!

ここまでノチェロの魅力をたっぷりと語ってきましたが、「ナッツのリキュールって、他にも色々あるよね?」「ヘーゼルナッツの『フランジェリコ』とはどう違うの?」と気になっている方もいらっしゃるかもしれませんね。

その疑問、非常によく分かります!そこでこのセクションでは、同じナッツ系リキュールとして非常に有名な「フランジェリコ」とノチェロを、私が実際に飲み比べて感じた違いを、個人の感想も交えながら徹底的に比較してみたいと思います。この比較を通して、ノチェロならではの唯一無二の個性を、さらに深く理解していただけるはずです。

比較対象!ヘーゼルナッツリキュール「フランジェリコ」とは?

まずは、比較対象となる「フランジェリコ(Frangelico)」について簡単にご紹介します。こちらもノチェロと同じくイタリア生まれのリキュールですが、主原料は「ヘーゼルナッツ」です。

最大の特徴は、キリスト教の修道士をかたどったユニークなボトルデザイン。腰にロープを巻いたその姿は、一度見たら忘れられないインパクトがありますよね。その名前は、伝説上の修道士「フラ・アンジェリコ」に由来すると言われています。彼は、ピエモンテ州の丘で自生するヘーゼルナッツを使って、素晴らしいリキュールを造る秘伝のレシピを知っていたのだとか。そんな物語も、フランジェリコの魅力の一つです。

味わいは、ヘーゼルナッツ特有の甘く華やかな香りが特徴で、チョコレートやココア、バニラのニュアンスも感じられます。世界で最も愛されているヘーゼルナッツリキュールと言っても過言ではないでしょう。

徹底比較!香り・甘さ・飲み方の違い

それでは、本題であるノチェロとフランジェリコの比較に入りましょう。私が両者をテイスティングして感じた違いを、分かりやすく表にまとめてみました。

リキュール名 ノチェロ フランジェリコ
主なナッツ くるみ ヘーゼルナッツ
香りの特徴 ローストしたくるみそのもの。香ばしく、少しビターで落ち着いた香り。 ヘーゼルナッツチョコレートやバニラを思わせる、甘く華やかで分かりやすい香り。
甘さの印象 優しい甘さ。カラメルや黒糖のような、コクのあるまろやかな甘み。 やや強めの、はっきりとした甘さ。砂糖菓子のような直接的な甘みが特徴。
味わいの個性 くるみの渋皮を思わせる、ほのかなビター感が全体の味を引き締めている。 コーヒーやカカオの風味が加わり、複雑でリッチな味わい。
おすすめの飲み方 ミルク割り、コーヒー割り、ストレート、ロック。落ち着いた風味を楽しむ飲み方。 ソーダ割り、ジンジャーエール割り、カクテルベース。華やかな香りを活かす飲み方。

実際に飲み比べてみると、同じナッツ系リキュールでも、その個性は全く異なることがよく分かります。

フランジェリコが、まるで「海外のナッツチョコレート」のような、明るく、華やかで、誰にでも分かりやすい美味しさを持っているのに対し、ノチェロは「和三盆を使ったくるみ菓子」のような、より繊細で、落ち着いた、奥ゆかしい魅力を持っている、と私は感じました。香りの方向性が全く違い、フランジェリコが甘く華やかに「香らせる」タイプなら、ノチェロは香ばしく「薫る」タイプと言えるかもしれません。

シーン別!ノチェロとフランジェリコの使い分け

どちらも甲乙つけがたい、素晴らしいリキュールであることは間違いありません。大切なのは、その日の気分やシーンに合わせて、上手に使い分けること。私なりの使い分けの提案をさせてください。

静かな夜に寄り添うノチェロ

一人で静かに過ごす夜、読書をしたり、映画を観たりしながら、ゆっくりとその時間を楽しみたい。そんな時には、断然ノチェロがおすすめです。その穏やかで優しい甘みと香ばしい香りは、心を落ち着かせ、リラックスした時間へと導いてくれます。私が特にお気に入りなのは、秋の夜長に、温かいホットミルクで割ったノチェロを飲みながら本を読む時間。これ以上の幸せはない、と感じる瞬間です。

華やかなパーティーシーンにはフランジェリコ

友人たちと集まって、ワイワイと賑やかに楽しむホームパーティー。そんな華やかなシーンには、フランジェリコがぴったりです。ソーダで割るだけで、甘くキャッチーな香りが広がり、場の雰囲気を盛り上げてくれます。アイスクリームにかけたり、様々なカクテルのベースにしたりと、エンターテイメント性の高い使い方ができるのもフランジェリコの魅力でしょう。

他にもある!世界のナッツリキュール

ナッツ系リキュールの世界は、この二つだけではありません。例えば、アーモンドの風味が特徴の「アマレット」(原料は杏の核ですが風味はアーモンド)や、ピスタチオのリキュール、マカダミアナッツのリキュールなど、探してみると世界には様々なナッツリキュールが存在します。

しかし、その中でも「くるみ」の個性をここまでストレートに、そしてエレガントに表現したリキュールは、やはりノチェロが随一だと私は思います。他のナッツにはない、くるみ特有のほろ苦さと豊かなコク。その魅力を最大限に引き出したノチェロは、ナッツリキュールの中でも特別な存在感を放っているのです。

この記事を読んで、くるみリキュール『ノチェロ』の魅力が少しでもあなたに伝わっていたら、これほど嬉しいことはありません。ぜひ今度の週末、あなたのお家にもこの素敵なリキュールを一本、迎えてみてはいかがでしょうか。きっと、あなたのリラックスタイムを、もっと豊かで香ばしいものにしてくれるはずですよ。

WRITING
西村恭平
西村恭平 Nishimura Kyohei

大学を卒業後、酒類・食品の卸売商社の営業を経て2020年2月に株式会社ブレーンコスモスへ入社。現在は「無添加ナッツ専門店 72」のバイヤー兼マネージャーとして世界中を飛び回っている。趣味は「仕事です!」と即答してしまうほど、常にナッツのことを考えているらしい。