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くるみはニキビの原因?美肌効果と噂の真相を徹底解説

2025.10.22
くるみはニキビの原因?美肌効果と噂の真相を徹底解説

繰り返しできる厄介なニキビ。スキンケアを頑張っても改善しないなら、食生活に原因があるのかもしれません。そんな時におすすめしたいのが、おやつとしても人気の「くるみ」です。 一見、ニキビに悪そうに思えるくるみですが、実は美肌作りに欠かせない栄養素の宝庫。

この記事を読めば、くるみがニキビケアの強力な味方になる理由と、今日から実践できる正しい取り入れ方がわかります。内側から輝く肌を目指しませんか?

1. くるみはニキビの原因?美肌の味方?

「くるみ=ニキビ」は大きな誤解だった?

「ナッツを食べるとニキビができる」という話、一度は耳にしたことがあるかもしれませんね。特に、栄養価の高さで知られる「くるみ」は、その独特の油分から「食べたらニキビが悪化しそう…」と敬遠している方もいらっしゃるのではないでしょうか。こんにちは!美容と健康の情報を日々探求している、ライターの私です。実は私も、長年しつこい大人ニキビに悩まされ、くるみを食べることに少し抵抗がありました。

しかし、栄養学的な観点から「くるみ」と「ニキビ」の関係を深く掘り下げてみると、そのイメージが180度変わるような、驚きの事実が見えてきたのです。結論から申し上げますと、くるみはニキビの直接的な原因になるどころか、正しい知識を持って、適切な量を摂取すれば、むしろニキビケアの強力なサポーターになってくれる可能性を秘めています。巷で囁かれる「くるみニキビ説」は、くるみの一部分だけを見て生まれた、少しもったいない誤解だったのかもしれません。この記事では、なぜくるみがニキビに良いとされるのか、逆にどんな食べ方がニキビを招いてしまうのか、そしてニキビに悩むあなたが今日から実践できる最適なくるみの取り入れ方まで、具体的かつ少しマニアックな視点で徹底的に解説していきます。

そもそも大人ニキビができる仕組みとは

くるみとニキビの関係を探る前に、まずは私たちの肌にニキビができてしまう基本的なメカニズムを簡単におさらいしましょう。ニキビは、主に4つのステップを経て発生します。

毛穴の出口が硬くなる「角化異常」

まず最初のステップは、毛穴の出口部分の皮膚が厚く、硬くなってしまう「角化異常」です。通常、私たちの肌は約28日周期で新しい細胞に生まれ変わる「ターンオーバー」を繰り返しています。しかし、ホルモンバランスの乱れやストレス、睡眠不足、栄養の偏りなどが原因でこのターンオーバーが乱れると、古い角質がうまく剥がれ落ちずに毛穴の出口を塞いでしまうのです。これがニキビの始まりである「コメド(面皰)」と呼ばれる状態です。

皮脂の過剰な分泌

次に、毛穴の中に皮脂が過剰に分泌される状態が挙げられます。特に、糖質や脂質の多い食事、ストレス、ホルモンバランスの乱れなどは、皮脂腺を刺激し、皮脂の分泌を活発にさせます。毛穴の出口が塞がれている状態で皮脂がどんどん分泌されると、当然ながら皮脂は外に出られず、毛穴の中に溜まっていきます。

アクネ菌の増殖

毛穴の中に溜まった皮脂は、皮膚の常在菌である「アクネ菌」にとって、格好のエサとなります。アクネ菌は本来、肌を弱酸性に保つなど良い働きもしてくれる菌なのですが、皮脂を栄養源として増殖する性質を持っています。特に酸素を嫌う嫌気性菌であるため、毛穴が塞がれ、皮脂が豊富な環境は、アクネ菌にとってまさに天国のような状態なのです。

炎症の発生

増殖したアクネ菌は、さまざまな物質を排出し、これが毛穴の壁を刺激して炎症を引き起こします。すると、私たちの体の免疫システムが反応し、白血球などが集まってきてアクネ菌と戦い始めます。この戦いの結果として、毛穴の周りが赤く腫れ上がったり、膿が溜まったりする、いわゆる「赤ニキビ」や「黄ニキビ」へと悪化してしまうのです。

この4つのステップのどこかに、くるみが関わってくるのでしょうか。次の章で、くるみに含まれる栄養素が、このニキビ発生のメカニズムにどうアプローチしていくのかを詳しく見ていきましょう。

2. なぜ?くるみがニキビケアに役立つ3つの栄養パワー

くるみがニキビケアの味方となり得る理由は、その豊富な栄養素に隠されています。特に「オメガ3脂肪酸」「ビタミンB群」「亜鉛」という3つの成分は、ニキビに悩む肌にとって、まさに三銃士のような存在です。それぞれがニキビ発生のメカニズムにどのように働きかけるのか、その驚くべきパワーを解き明かしていきましょう。

① 炎症を鎮める救世主「オメガ3脂肪酸」

くるみを語る上で絶対に外せないのが、ナッツ類の中でもトップクラスの含有量を誇る「オメガ3脂肪酸」です。くるみに含まれるオメガ3脂肪酸は、主に「α-リノレン酸」という種類で、私たちの体内で合成することができないため、食事から摂取する必要がある必須脂肪酸の一つです。

なぜオメガ3がニキビに効くの?

ニキビが悪化する大きな原因は「炎症」です。赤く腫れたり、痛みを伴ったりするのは、まさに肌が炎症を起こしているサイン。実は、この炎症の強さをコントロールする上で、食事から摂る「油の種類」が非常に重要になります。

私たちの体は、炎症を引き起こす物質(炎症性サイトカインなど)と、炎症を抑える物質のバランスを取りながら健康を維持しています。ハーバード大学医学大学院の研究でも、食事の内容が体内の炎症レベルに影響を与えることが示唆されています。そして、くるみに豊富なオメガ3脂肪酸には、この炎症を引き起こす物質の働きを抑制し、炎症を鎮める方向へと導く作用があるのです。つまり、くるみを摂取することで、体の中からニキビの炎症を悪化させないような環境づくりをサポートできる、というわけです。

くるみのオメガ3含有量はダントツ!

文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」によると、くるみ100gあたりに含まれるα-リノレン酸の量は、なんと9.0g。これは、アーモンド(0.04g)やピーナッツ(0.01g未満)と比べても、桁違いに多いことが分かります。まさに「食べる美容液」とも言えるこのオメガ3脂肪酸を効率的に摂れる点が、くるみが他のナッツと一線を画す、ニキビケアにおける最大の強みなのです。

② 皮脂バランスを整える「ビタミンB群」

次に注目したいのが、エネルギー代謝の補酵素として働く「ビタミンB群」です。くるみには、ビタミンB1、B2、B6、ナイアシン、葉酸、パントテン酸といった多彩なビタミンB群がバランス良く含まれています。これらはチームで働くことで、ニキビ予防に多角的にアプローチしてくれます。

皮脂の分泌をコントロールする「ビタミンB2」

ビタミンB2(リボフラビン)は、特に脂質の代謝に深く関わるビタミンで、「発育のビタミン」とも呼ばれています。このビタミンB2が不足すると、脂質の代謝がスムーズに行われなくなり、皮脂の分泌が過剰になってしまうことがあります。ニキビの原因の一つである「皮脂の過剰分泌」を抑える上で、ビタミンB2は欠かせない存在。くるみを食べることで、この重要なビタミンを手軽に補給できます。

ホルモンバランスを整える「ビタミンB6」

ビタミンB6(ピリドキシン)は、タンパク質の代謝を助けるほか、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの代謝にも関与しています。ホルモンバランスが乱れると、皮脂の分泌を促す男性ホルモンが優位になり、特に生理前などにニキビができやすくなります。ビタミンB6は、このホルモンバランスの乱れを整える手助けをすることで、周期的に繰り返す大人ニキビの予防に貢献してくれるのです。

③ 肌の再生を促すミネラル「亜鉛」

最後に紹介するのが、美肌ミネラルとして知られる「亜鉛」です。亜鉛は、新しい細胞が作られる際に必要不可欠なミネラルで、肌のターンオーバーを正常に保つ上で重要な役割を担っています。

ターンオーバーの正常化と免疫調整

ニキビの始まりは、毛穴の出口が塞がれてしまう「角化異常」でしたね。亜鉛は、肌のターンオーバーを促進し、古い角質がスムーズに剥がれ落ちるのを助けることで、この角化異常を防ぐ働きがあります。

さらに、亜鉛には免疫機能を調整する働きもあります。2014年にトルコのアンカラ大学で行われた研究では、ニキビに悩む患者さんは健康な人と比較して、血中の亜鉛濃度が有意に低い傾向にあることが報告されています。このことからも、亜鉛がニキビの炎症をコントロールする上で、何らかの重要な役割を果たしている可能性が考えられます。くるみには100gあたり2.6mgの亜鉛が含まれており、間食で手軽に亜鉛を補給できるのは、ニキビ肌にとって嬉しいポイントです。

このように、くるみは「炎症抑制」「皮脂コントロール」「ターンオーバー促進」という、ニキビケアの3つの重要な要素を栄養面から強力にバックアップしてくれる、まさにスーパーフードなのです。

3. 【要注意】くるみの食べ過ぎがニキビを招く?脂質との正しい付き合い方

さて、ここまでくるみが持つ素晴らしいニキビケアパワーについて解説してきましたが、一方で「くるみを食べたらニキビができた」という経験談が存在するのも事実です。その最大の原因は、ほぼ間違いなく「食べ過ぎ」による「脂質の過剰摂取」にあります。いくら体に良い栄養素が豊富でも、摂取方法を間違えれば、残念ながらニキビを悪化させる引き金になりかねません。ここでは、そのメカニズムと、脂質との賢い付き合い方について詳しく見ていきましょう。

カロリーオーバーが皮脂分泌を増やす

くるみの栄養成分の約7割は脂質で構成されています。そのため、カロリーも決して低くはありません。くるみのカロリーは100gあたり約713kcal(※素焼きの場合)。これは、ご飯お茶碗約4杯分に相当するエネルギー量です。

もちろん、くるみに含まれる脂質は、前述したオメガ3脂肪酸をはじめとする不飽和脂肪酸が主体であり、「良質な脂質」であることは間違いありません。しかし、どんなに質が良い脂質でも、体にとって必要以上の量を摂取すれば、それは余分なエネルギーとなり、最終的には体脂肪として蓄えられます。

そして、カロリーや脂質を過剰に摂取すると、私たちの体はそれをエネルギーとして消費しようと代謝を活発にしますが、その過程で皮脂腺も刺激され、皮脂の分泌量が増加する傾向にあります。特に、もともと脂性肌の方や、ニキビができやすい体質の方がくるみを食べ過ぎてしまうと、皮脂の分泌が過剰になり、新たなニキビの発生や、既存のニキビの悪化につながってしまう可能性があるのです。くるみは美味しいのでついつい手が伸びてしまいますが、このカロリーと脂質の高さを忘れてはいけません。

重要なのは「オメガ3」と「オメガ6」のバランス

くるみとニキビの関係を語る上で、もう一つ非常に重要な視点が「脂質のバランス」です。くるみには炎症を抑えるオメガ3脂肪酸が豊富だとお伝えしましたが、同時に「オメガ6脂肪酸」という、もう一つの必須脂肪酸も含まれています。

オメガ6脂肪酸の役割とリスク

オメガ6脂肪酸(主にリノール酸)は、コレステロール値を下げたり、皮膚のバリア機能を維持したりと、体にとって不可欠な栄養素です。しかし、このオキメガ6脂肪酸には、過剰に摂取すると体内で炎症を促進する物質に変換されやすいという側面も持っています。

実は、くるみに含まれる脂質の比率は、炎症を抑えるオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)が約13%に対し、炎症を促進する可能性のあるオメガ6脂肪酸(リノール酸)が約59%と、オメガ6の方が多いのです。その比率は、おおよそ「オメガ3:オメガ6 = 1:4」となります。

現代人の食生活が招く「オメガ6過多」

厚生労働省が策定する「日本人の食事摂取基準(2020年版)」でも、オメガ3とオメガ6のバランスの重要性が指摘されています。理想的な摂取バランスは「1:2〜4」とされており、くるみ単体で見れば、このバランスは決して悪くありません。

しかし、問題は私たちの普段の食生活にあります。多くの植物油(サラダ油、大豆油、コーン油など)や、それらを使って作られる加工食品、スナック菓子、外食メニューには、オメガ6脂肪酸が非常に多く含まれています。そのため、意識しないままだと、現代人の多くはオメガ6を過剰に摂取しがちで、そのバランスは「1:10」や、人によっては「1:20」以上にもなっていると言われています。

このような「オメガ6過多」の状態で、さらにくるみを大量に食べてしまうと、体内の脂質バランスがますます炎症を促進する方向へ傾いてしまい、結果としてニキビの悪化を招く可能性があるのです。くるみを食べる際は、くるみ単体の栄養だけでなく、あなた自身の全体的な食生活とのバランスを考えることが、ニキビを防ぐ上で非常に大切になります。

消化不良が腸内環境を乱す可能性

最後に、見落とされがちなのが消化への負担です。くるみは食物繊維も豊富ですが、脂質が多い食品は消化に時間がかかります。一度に大量のくるみを食べると、胃腸に負担がかかり、消化不良を起こしてしまうことがあります。

消化不良は、腸内での栄養素の吸収を妨げるだけでなく、腸内で悪玉菌が増える原因にもなります。腸内環境の悪化は、有害物質の発生や、肌のバリア機能の低下に直結し、巡り巡ってニキビや肌荒れを引き起こすことが知られています。「肌は腸の鏡」と言われるように、健やかな肌を保つためには、腸内環境を良好に保つことが不可欠です。くるみの食べ過ぎは、この大切な腸内環境を乱す一因にもなりかねない、ということを覚えておきましょう。

4. ニキビに悩む人のための「くるみ」最適な食べ方と1日の摂取量

くるみが持つ美肌パワーを最大限に引き出し、ニキビのリスクを最小限に抑えるためには、いくつかのコツがあります。「量・タイミング・組み合わせ」という3つのポイントを押さえることで、くるみはあなたのニキビケアの最高のパートナーになってくれるはずです。今日からすぐに実践できる、具体的な方法をご紹介しますね。

① 1日の摂取量は「ひとつかみ」が黄金ルール

まず最も大切なのが、食べる「量」です。くるみの1日の摂取量の目安として、世界中の研究で推奨されているのが「ひとつかみ(one handful)」です。

具体的な量とカロリー

あなたの手のひらに軽く乗るくらいの量が、ちょうど良い摂取量のサイン。具体的には、重さにして約25g〜30g、くるみの粒(半割れ)でいうと6〜7粒程度が目安となります。

この量(約28gと仮定)の栄養価を見てみましょう。

  • カロリー:約199kcal

  • 脂質:約19.3g

  • α-リノレン酸(オメガ3):約2.5g

  • 食物繊維:約1.9g

  • 亜鉛:約0.7mg

この量であれば、カロリーオーバーや脂質の過剰摂取を心配することなく、ニキビケアに有効な栄養素を効率的に摂取できます。特に、α-リノレン酸の1日の摂取目安量(成人女性で1.6g〜2.0g)は、これだけで十分にクリアできる計算になります。毎日コツコツ、この「ひとつかみ」を続けることが、ニキビに負けない肌を作るための第一歩です。

② 食べるなら「午後3時のおやつ」がベスト

次に意識したいのが、食べる「タイミング」です。くるみを食べるのに特におすすめなのが、間食の時間帯、特に午後3時頃です。

血糖値の急上昇を抑える

午後は、お昼ご飯から時間が経ち、少し小腹が空いてくる頃。この時間帯に甘いお菓子や菓子パンなどを食べると、血糖値が急激に上昇します。血糖値が急上昇すると、それを下げるために「インスリン」というホルモンが大量に分泌されますが、このインスリンは皮脂腺を刺激し、皮脂の分泌を促す作用があるため、ニキビの原因になりやすいのです。

その点、くるみは糖質が少なく、食物繊維や良質な脂質が豊富なため、食後の血糖値の上昇が非常に緩やかな「低GI食品」です。おやつをくるみに置き換えるだけで、血糖値の乱高下を防ぎ、皮脂の過剰分泌を抑えることにつながります。空腹感もしっかり満たしてくれるので、その後の夕食のドカ食いを防ぐ効果も期待できますよ。

避けるべきタイミングは「寝る直前」

逆に、あまりおすすめできないのが寝る直前の摂取です。くるみは消化に時間がかかるため、寝る前に食べると胃腸に負担をかけてしまい、睡眠の質を妨げる可能性があります。質の良い睡眠は、肌のターンオーバーを促し、ニキビを修復するために不可欠です。くるみは、できるだけ日中の活動時間中に食べるようにしましょう。

③ 美肌効果を加速させる「食べ合わせ」

最後に、くるみと一緒に摂ることで、さらにニキビケア効果を高めてくれる「組み合わせ」をご紹介します。

ヨーグルトと一緒に「腸活ブースト」

くるみに含まれる食物繊維は、腸内の善玉菌のエサになります。ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が豊富なヨーグルトと一緒に食べることで、相乗効果が生まれ、腸内環境を整える働きがパワーアップします。無糖のプレーンヨーグルトに、砕いたくるみをトッピングするのは、美味しくて簡単な最強の美肌朝食・おやつになります。

緑黄色野菜と一緒に「抗酸化力アップ」

サラダに砕いたくるみをトッピングするのも、非常におすすめの食べ方です。ニンジンやかぼちゃ、パプリカなどの緑黄色野菜に豊富なβ-カロテン(体内でビタミンAに変換)や、トマトのリコピンといった抗酸化物質と一緒に摂ることで、ニキビの炎症によって発生する活性酸素から肌を守る力が強化されます。また、くるみの脂質は、β-カロテンなどの脂溶性ビタミンの吸収率を高めてくれるという嬉しいメリットもあります。

これらのポイントを意識して、日々の食生活にくるみを上手に取り入れてみてください。きっと、あなたの肌が良い方向に変わっていくのを実感できるはずです。

5. ここに注意!ニキビ肌さんが避けるべきくるみの選び方

せっかくニキビケアのためにくるみを食べるのですから、その効果を台無しにするような商品は避けたいですよね。実は、スーパーやコンビニで手軽に手に入るくるみ製品の中には、ニキビ肌にとっては逆効果になりかねないものが存在します。ここでは、賢いくるみの選び方と、避けるべき商品の特徴について、その理由とともに詳しく解説します。

① 酸化した油は肌の敵!「油で揚げたくるみ」

まず注意したいのが、油で揚げて調理された、いわゆる「フライドナッツ」です。

過酸化脂質がニキビを悪化させる

植物油は、光や熱、空気に触れることで「酸化」しやすい性質を持っています。油で揚げるという高温調理の過程で、油は酸化し、「過酸化脂質」という物質に変化します。この過酸化脂質は、体内で活性酸素を発生させ、細胞を傷つけたり、肌のターンオーバーを乱したり、炎症を引き起こしたりする原因となる、まさに美肌の天敵です。

酸化した油を摂取することは、体の中からニキビの炎症に油を注ぐようなもの。せっかくくるみが持つ抗炎症作用のあるオメガ3脂肪酸を摂っても、酸化した油を一緒に摂ってしまっては、その効果が相殺されかねません。商品の裏面にある原材料表示を見て、「植物油」や「食用油脂」といった記載があるものは避けるのが賢明です。

② 血糖値を乱す「砂糖や塩で味付けされたくるみ」

次に避けるべきなのが、甘じょっぱく味付けされた加工品です。おつまみコーナーなどでよく見かけるこれらの商品は、美味しさの裏にニキビを誘発するワナが潜んでいます。

砂糖コーティングは皮脂分泌を促進

キャラメリゼされたものや、メープルシロップ、黒糖などでコーティングされた甘い系のくるみは、言うまでもなく糖質が多く含まれています。前述の通り、砂糖のように血糖値を急上昇させる高GI食品は、インスリンの過剰分泌を招き、皮脂腺を刺激してニキビの原因となります。

さらに、過剰な糖は体内のタンパク質と結びついて「糖化」という現象を引き起こします。糖化によって生成される「AGEs(最終糖化産物)」は、肌のコラーゲンを破壊してハリを失わせるだけでなく、体内に炎症を引き起こし、ニキビを悪化させることが分かっています。

塩分の摂りすぎは肌の乾燥とバリア機能低下に

塩味のついたくるみも要注意です。塩分を過剰に摂取すると、体は塩分濃度を薄めようとして水分を溜め込み、「むくみ」の原因となります。その一方で、肌表面の角質層は水分不足に陥り、乾燥しやすくなります。肌が乾燥すると、それを補おうとして逆に皮脂が過剰に分泌されたり、肌のバリア機能が低下して外部からの刺激に弱くなったりするため、ニキビができやすい状態になってしまうのです。

ニキビに悩むあなたのベストチョイスは「素焼き」か「生」

では、どんな種類のくるみを選べば良いのでしょうか。ニキビケアを目的とするなら、選択肢は「素焼き(ロースト)」か「生」の2つに絞られます。

「素焼き」タイプのメリットと注意点

「素焼き」は、油を使わずに焙煎しただけのくるみです。加熱することで香ばしい風味が増し、食感もカリッとして食べやすいのが特徴です。また、加熱によって一部の酵素が失活するため、生の状態よりも消化しやすいというメリットもあります。市販されているものの多くがこのタイプで、手に入りやすいのも嬉しいポイントです。選ぶ際は、必ず「食塩不使用」「油不使用」と記載のあるものを選びましょう。

「生」タイプのメリットと注意点

「生」のくるみは、収穫後に乾燥させただけの、一切加熱処理をしていない状態のものです。最大のメリットは、熱に弱いビタミンや酵素などの栄養素を、損失することなく丸ごと摂取できる点です。くるみ本来のしっとりとした食感と、ほのかな甘みを楽しむことができます。ただし、人によっては消化に負担を感じる場合があることや、湿気や酸化に弱いため、保存にはより一層の注意が必要です。

どちらを選ぶかはお好みですが、いずれの場合も、開封後は必ず空気を抜いて密閉できる容器や袋に入れ、冷蔵庫か冷凍庫で保存することが鉄則です。くるみの脂質は非常に酸化しやすいため、常温保存は避け、できるだけ早く食べ切るように心がけましょう。

6. 【体験談】くるみ生活を1ヶ月続けてみた!私のニキビの変化を正直にレビュー

「理論はよく分かったけれど、実際に食べ続けたら本当に肌は変わるの?」

そんな疑問にお答えするため、この私が身をもって実験してみることにしました!長年、顎周りや口元に繰り返しできる、しつこい大人ニキビに悩まされてきた私が、「1ヶ月間、毎日適量のくるみを食べ続ける」というチャレンジを実施。果たして、私の肌にどんな変化が訪れたのでしょうか。包み隠さず、正直にレポートします!

チャレンジ前の私の肌データ

まずは、チャレンジを始める前の私の肌状態についてお話しします。

  • 年齢・肌質:30代、Tゾーンはテカるのに頬や口周りは乾燥する典型的な混合肌です。

  • ニキビの悩み:特に生理前になると、顎やフェイスラインに赤く腫れて芯のある、いわゆる「大人ニキビ」がポツポツと出現。一度できるとなかなか治らず、ニキビ跡にもなりやすいのが悩みでした。

  • これまでの対策:ニキビ用のスキンケアを試したり、皮膚科に通ったり、お菓子を控えたりと、思いつく対策は色々とやってきましたが、なかなか根本的な改善には至らず、一進一退を繰り返している状態でした。

「くるみ生活」の具体的なルール

今回のチャレンジでは、くるみの効果だけを純粋に検証したかったので、以下の3つのルールを設けました。

  1. 食べるくるみ:スーパーで購入した「食塩・油不使用の素焼きくるみ」に限定。

  2. 食べる量:毎日きっちり25g(大きめの粒で6個ほど)を計量して食べる。

  3. 食べるタイミング:仕事中の小腹が空く、午後3時のおやつとして食べる。

  4. その他:スキンケアや他の食生活、睡眠時間などは、意図的に変えず、普段通りの生活を心がける。

さあ、このルールで1ヶ月間。私のニキビ肌はどう変わったのでしょうか。

週ごとの肌変化とリアルな感想

【1週目】お通じに変化が!肌はまだ…

最初の1週間。正直なところ、肌には目立った変化はありませんでした。「やっぱり、そんなにすぐには変わらないよね」と思いつつ、ルール通りにくるみをポリポリ。ただ、思わぬところで変化を感じました。それは「お通じ」です。もともと便秘気味だったのですが、くるみを食べ始めて3日目あたりから、なんだかスッキリする日が増えたのです。これは、くるみに含まれる食物繊維のおかげかもしれません。腸内環境が整うことは、巡り巡って美肌につながるはず!と、少し期待が膨らみました。

【2週目】あれ?新しいニキビができていない…?

2週目に入った頃、ふと気づいたことがありました。いつもなら生理前に差し掛かり、顎あたりにニキビの予備軍がポツッとでき始める時期なのに、それが全くないのです。肌の触り心地も、心なしか乾燥が和らいで、内側からしっとりしているような感覚がありました。気のせいかな?と思いつつも、鏡を見るのが少し楽しみに。間食がくるみになったことで、これまで食べていたチョコレートやクッキーを欲しなくなったのも、良い影響を与えているのかもしれません。

【3週目】ニキビ跡の赤みが引いてきた!

3週目は、明らかな変化を感じて嬉しくなった時期です。新しいニキビができない状態が続いていることに加え、これまで居座っていたニキビ跡の赤みが、明らかに薄くなってきたのです!肌全体の炎症が鎮まっているような、穏やかな状態になっていくのを感じました。これは、くるみのオメガ3脂肪酸が、体の中でコツコツと抗炎症作用を発揮してくれている証拠なのかもしれない、と確信しました。肌のトーンも少し明るくなった気がします。

【4週目】肌の調子が安定!ツヤが出てきた!

そして、最終週の4週目。チャレンジ開始前とは明らかに肌のコンディションが違うことを実感しました。新しいニキビは結局1つもできず、ニキビ跡もかなり目立たなくなりました。何より嬉しかったのは、肌全体が安定し、頬に自然なツヤが出るようになったことです。ファンデーションのノリも良く、夕方になっても化粧崩れが気にならなくなりました。

まとめ:くるみはニキビ肌の救世主だった!

1ヶ月のチャレンジを終えて、私の結論は「くるみは、正しく付き合えば間違いなくニキビ肌の味方になる!」です。もちろん、効果には個人差があると思いますが、私にとっては想像以上の嬉しい変化をもたらしてくれました。食べ過ぎにだけは注意が必要ですが、毎日ひとつかみのくるみを習慣にすることは、ニキビに悩む多くの人にとって、試してみる価値のあるインナーケアだと断言できます。これからも、美味しく楽しく、くるみ生活を続けていこうと思います!

WRITING
西村恭平
西村恭平 Nishimura Kyohei

大学を卒業後、酒類・食品の卸売商社の営業を経て2020年2月に株式会社ブレーンコスモスへ入社。現在は「無添加ナッツ専門店 72」のバイヤー兼マネージャーとして世界中を飛び回っている。趣味は「仕事です!」と即答してしまうほど、常にナッツのことを考えているらしい。