Magazine

■ クルミの最新記事

クルミ

医者も注目!くるみがもたらす奇跡の健康パワーを徹底解剖

2025.10.02
医者も注目!くるみがもたらす奇跡の健康パワーを徹底解剖

「健康のために何か始めたいけど、何から手をつければ…」と感じていませんか?実は、スーパーで手軽に手に入る「くるみ」が、その悩みを解決するスーパーフードかもしれません。

くるみが健康に良いと聞いても、「具体的にどんな効果があるの?」「1日に何個まで?」など、意外と知らないことも多いですよね。

この記事では、くるみが持つ驚きの健康パワーから、美容やダイエットに繋がる効果的な食べ方まで、あなたの疑問を一つひとつ解決します。

1. 心臓と血管の健康を守る!くるみに含まれる良質な脂肪「オメガ3」の秘密

α-リノレン酸がダントツに豊富

くるみが持つ健康パワーの中でも、まずあなたにお伝えしたいのが、良質な脂質である「オメガ3脂肪酸」の存在です。特に、くるみに含まれるのは植物由来の「α-リノレン酸」という種類で、これが本当にすごいんですよ。

私たちの体内で作ることができないため、食事から摂る必要がある脂肪酸を「必須脂肪酸」と呼びますが、α-リノレン酸はまさにその代表格。そして、数あるナッツ類の中で、このα-リノレン酸の含有量はくるみが群を抜いてトップクラスなんです。

具体的な数字を挙げると、くるみ100gあたりには、なんと約9gものα-リノレン酸が含まれています。これは、アーモンドやカシューナッツの数十倍以上という圧倒的な量。厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、成人女性(18歳~49歳)の1日あたりのオメガ3脂肪酸の摂取目安量は1.6gとされています。くるみなら、たったひとつかみ、約28g(7粒前後)食べるだけで、この目安量を大幅にクリアできる計算になります。毎日手軽に、必要な健康成分を補給できるのは、くるみの大きな魅力ですね。

このα-リノレン酸は、私たちの体にとって、まさに縁の下の力持ちのような存在。血管の健康を保ったり、アレルギー反応を抑制したり、肌の炎症を抑えたりと、見えないところで大活躍してくれる、頼もしい健康のパートナーなんです。

血液サラサラで生活習慣病を予防

「血液サラサラ」という言葉、健康番組などでよく耳にしますよね。実は、くるみに含まれるα-リノレン酸は、この血液サラサラ状態をサポートする強力な助っ人なんです。

私たちの血液中には、善玉(HDL)コレステロールと悪玉(LDL)コレステロールがあります。悪玉コレステロールが増えすぎると、血管の壁に付着してプラークというコブのようなものを作り、血管を硬く、狭くしてしまいます。これが「動脈硬化」と呼ばれる状態で、心筋梗塞や脳梗塞といった深刻な病気の引き金になりかねません。

ここで活躍するのが、くるみのα-リノレン酸。この成分には、血中の悪玉コレステロールや中性脂肪の値を下げてくれる働きがあることが、多くの研究で明らかになっています。血管の壁を傷つける要因を減らし、血管本来のしなやかさを保つことで、動脈硬化の進行を防いでくれるというわけです。

その健康効果は、アメリカ食品医薬品局(FDA)も認めています。2004年には、くるみを含む特定のナッツを毎日一定量摂取することが心臓病のリスクを低減する可能性があるとして、健康強調表示を許可したほどです。

さらに、ペンシルベニア州立大学の研究では、くるみを食事に取り入れることで、心臓血管系の健康に重要な指標である中心動脈圧が低下したという報告もあります。これは、くるみが心臓にかかる負担を軽減し、全身の血流をスムーズにする手助けをしてくれることを示唆しています。ただ美味しいだけでなく、私たちの命に関わる血管の健康を静かに守ってくれる、くるみはまさにスーパーフードですね。

青魚のEPA・DHAに変換される力

「オメガ3脂肪酸」と聞くと、サバやイワシといった青魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)を思い浮かべる方も多いかもしれません。EPAは血液を固まりにくくする作用が、DHAは脳の働きを活性化させる作用があることで知られています。

「じゃあ、植物性のα-リノレン酸と魚のEPA・DHAは別物なの?」と思いますよね。ここがくるみの面白いところなんです。実は、体内に取り入れられたα-リノレン酸の一部は、私たちの体内でEPAやDHAに変換されるという性質を持っているんです。

正直に言うと、その変換効率は数パーセントから十数パーセント程度と、決して高くはありません。ですから、「くるみを食べていれば魚は食べなくていい」というわけではないのです。しかし、魚を毎日食べるのが難しいという方にとっては、くるみがEPAやDHAの貴重な補給源の一つになることは間違いありません。

特に、食生活が欧米化し、肉中心の食事でオメガ6脂肪酸(サラダ油や肉の脂に多い)を摂りすぎている現代人にとって、意識的にオメガ3脂肪酸を摂取することは非常に重要です。オメガ6とオメガ3の理想的な摂取バランスは4:1以下とされていますが、多くの人は10:1以上になっていると言われています。このバランスの乱れが、アレルギーや炎症を引き起こす一因とも考えられているのです。

毎日の食事にくるみを取り入れることは、この乱れた脂肪酸のバランスを整え、体の内側から炎症を抑え、巡りの良い健康的な状態を維持することに繋がります。植物から、魚が持つ健康パワーの一部を享受できるなんて、なんだか得した気分になりませんか?くるみは、私たちの健康を多角的にサポートしてくれる素晴らしい食材なんですよ。

2. 仕事や勉強の効率もアップ?くるみが「脳の健康」に良いってホント?

脳の6割は脂質!良質な油を補給

くるみの形をじっと見ていると、何かに似ていると思いませんか?そう、人間の脳の形にそっくりですよね。実はこれ、単なる偶然ではないのかもしれません。くるみは、私たちの脳にとって最高の栄養源となる成分を豊富に含んでいるんです。

驚くことに、私たちの脳は水分を除くと約60%が脂質、つまり油でできています。脳はまさに「脂質の塊」なんです。そして、その脳の機能を正常に保つために、どのような種類の脂質を摂取するかが非常に重要になってきます。

ここで再び登場するのが、くるみのヒーロー成分「オメガ3脂肪酸」です。特に、オメガ3脂肪酸の一種であるDHAは、脳の神経細胞の膜を構成する重要な材料となります。神経細胞の膜が良質な脂質で満たされ、柔らかい状態に保たれていると、細胞間の情報伝達がスムーズに行われます。これが、記憶力や学習能力、集中力といった認知機能の高さに直結するのです。

スペインのバルセロナ・グローバルヘルス研究所が700人以上の中学生を対象に行った研究では、くるみを日常的に食べている生徒は、そうでない生徒に比べて認知機能や注意力に改善が見られたと報告されています。これは、成長期の子供たちの脳の発達にとっても、くるみが非常に良い影響を与える可能性を示しています。

もちろん、これは大人にとっても同じです。仕事や勉強で頭を使うとき、なんだか集中できないな、と感じたら、それは脳の栄養が不足しているサインかもしれません。そんなときこそ、くるみを数粒つまんでみてください。脳にダイレクトに良質な脂質を補給することで、クリアな思考を取り戻す手助けをしてくれるはずです。

脳の「サビつき」を防ぐ抗酸化物質

脳は、体の中でも特に大量の酸素を消費する器官です。体重の約2%ほどの重さしかないにもかかわらず、体全体の酸素消費量の約20%を占めていると言われています。酸素をたくさん使うということは、それだけ「酸化ストレス」にさらされやすいということでもあります。

酸化ストレスとは、呼吸によって取り込んだ酸素の一部が変化してできる「活性酸素」が、細胞を傷つけてしまう現象のこと。これが「体のサビつき」の正体です。脳細胞がこのサビつきによるダメージを受けると、認知機能の低下を招いたり、将来的にはアルツハイマー病などの神経変性疾患のリスクを高めたりする可能性も指摘されています。

そこで頼りになるのが、くるみに含まれる豊富な「抗酸化物質」です。くるみには、ポリフェノールやビタミンEといった、活性酸素の働きを抑え込んでくれる強力な成分がたっぷりと含まれています。

特に注目したいのが、くるみの薄皮に含まれる「エラグ酸」をはじめとするポリフェノール類。これらの抗酸化物質が、酸素を大量に消費する脳を酸化ストレスから守り、神経細胞を保護してくれるのです。いつまでも若々しく、クリアな思考を保つためには、脳をサビつかせないための食生活が不可欠。その点で、くるみはまさに理想的な「ブレインフード」と言えるでしょう。

この脳に対するくるみの健康効果は、科学的な指標でも裏付けられています。アメリカのタフツ大学の研究で、くるみを加えた食事を与えたラットは、加齢による脳機能の低下が抑制されたという結果が報告されています。くるみに含まれる抗酸化物質や抗炎症成分が、脳の健康維持に複合的に作用していると考えられています。

古代から伝わる「知性の木の実」

くるみが脳に良い、という考えは、実は現代科学が証明するずっと以前から存在していました。古代ギリシャでは、くるみは「知性の木の実」と呼ばれ、神々への捧げ物としても用いられていたそうです。また、古代ローマでは「Juglans regia(ユグランス・レギア)」、すなわち「ジュピターの王家のどんぐり」という壮大な名前で呼ばれていました。これは、くるみが持つ栄養価の高さと、その貴重さを示しています。

昔の人々は、くるみのシワの寄った形が脳に似ていることから、経験的に「くるみは頭に良い食べ物だ」と考えていたのかもしれません。これは「象徴薬効説」と呼ばれる考え方で、形が似ているものが、その部位に効くという伝統的な思想です.面白いことに、この古くからの言い伝えが、現代の栄養学や脳科学の研究によって、次々と科学的に裏付けられているのです。

見た目が脳に似ているだけでなく、実際に脳の構成成分となり、その働きをサポートし、さらに酸化という名の老化からも守ってくれる。古代の人々が「知性の木の実」と呼んだのも、深く納得できますね。くるみを食べるという行為は、数千年の時を超えて受け継がれてきた、脳をいたわるための知恵なのかもしれません。

3. 若々しさの秘訣はくるみにあり?驚きの抗酸化パワーで健康的な美しさを

トップクラスのポリフェノール含有量

「最近なんだか疲れやすい」「肌のハリがなくなってきた気がする…」そんな風に感じていませんか?年齢とともに現れるこれらのサインは、体の内側で起こっている「酸化」、つまり「サビつき」が原因かもしれません。

私たちの体は、呼吸で取り込んだ酸素を利用してエネルギーを生み出していますが、その過程で一部が非常に反応性の高い「活性酸素」に変化します。この活性酸素は、適量であれば体内に侵入したウイルスなどを撃退してくれる良い面もあるのですが、ストレスや紫外線、不規則な生活習慣などによって過剰に発生すると、正常な細胞まで攻撃し、傷つけてしまうのです。これが、老化やさまざまな病気の引き金となります。

この恐ろしい活性酸素から私たちの体を守ってくれるのが、「抗酸化物質」です。そして、くるみはナッツ類の中でも、この抗酸化物質、特にポリフェノールの含有量がトップクラスであることが研究でわかっているんです。

アメリカのスクラントン大学の研究チームがさまざまなナッツの抗酸化物質の含有量を分析したところ、くるみは他のナッツ(アーモンド、ピーナッツ、ピスタチオなど)に比べて、質・量ともに最も優れた抗酸化物質を含んでいるという結果が出ました。

くるみに含まれるポリフェノールには、エラジタンニンやプロアントシアニジンといった強力な種類があり、これらが体内で発生した活性酸素を効率的に補足し、無害化してくれます。くるみを食べることは、体の中に強力なサビ止め隊を常駐させておくようなもの。細胞レベルでの老化の進行を緩やかにし、内側から若々しさを保つための、とても賢い健康習慣と言えるでしょう。

食べる美容液!美肌を作る栄養素

くるみがもたらす若々しさへの貢献は、抗酸化作用だけにとどまりません。美しく健康な肌を育むために必要な栄養素も、バランス良く含んでいるんですよ。まさに「食べる美容液」と呼びたいほどのポテンシャルを秘めています。

まず注目したいのが「ビタミンE」です。ビタミンEにも強力な抗酸化作用がありますが、特に「血行促進作用」が美肌作りには欠かせません。血行が良くなることで、肌の隅々の細胞まで栄養と酸素がしっかりと届けられ、肌のターンオーバー(新陳代謝)が正常に整います。その結果、シミやくすみの原因となるメラニンの排出がスムーズになったり、肌のバリア機能が高まったりする効果が期待できます。

面白いことに、アーモンドに多いビタミンEが「α-トコフェロール」であるのに対し、くるみに多く含まれるのは「γ-トコフェロール」という種類です。このγ-トコフェロールには、体内の炎症を抑える働きや、余分なナトリウムの排出を助ける働きがあることが分かってきており、健康面で独自のメリットがあるとして注目されています。

さらに、くるみにはエネルギー代謝を助ける「ビタミンB群」(ビタミンB1やB6、葉酸など)も豊富です。これらのビタミンは、食事から摂った栄養を効率よくエネルギーに変え、肌細胞の再生をサポートしてくれます。また、新しい細胞が作られる際に不可欠なミネラルである「亜鉛」や「銅」も含まれており、これらがコラーゲンの生成を助け、肌のハリや弾力を保つのに役立ちます。

α-リノレン酸による抗炎症作用、ポリフェノールやビタミンEによる抗酸化作用、そしてビタミンB群やミネラルによる代謝サポート。これだけの美容成分が小さな一粒に凝縮されているなんて、驚きですよね。

質の良い睡眠をサポートするメラトニン

若々しさと健康を保つ上で、絶対に欠かせないのが「質の良い睡眠」です。寝ている間に分泌される成長ホルモンが、日中に傷ついた細胞を修復し、再生してくれるからです。どんなに高級な化粧品を使っても、睡眠不足ではその効果も半減してしまいます。

「でも、なかなか寝付けないし、夜中に何度も目が覚めてしまう…」そんな悩みを抱えている方に朗報です。実は、くるみには「睡眠ホルモン」とも呼ばれる「メラトニン」が含まれていることが分かっているんです。

メラトニンは、脳の松果体という部分から分泌されるホルモンで、私たちの体温や血圧を下げて、体を自然な眠りへと誘う働きがあります。体内時計を調整する役割も担っており、夜になると分泌量が増え、朝の光を浴びると減少するというリズムを持っています。

アメリカのテキサス大学の研究によると、くるみを食べた後の被験者の血中メラトニン濃度を測定したところ、食べていない時と比較して約3倍に増加したという結果が報告されています。これは、くるみが体内でメラトニンを生成するための材料を供給するだけでなく、メラトニンそのものを直接補給できる貴重な食品であることを示しています。

さらに、メラトニン自体も非常に強力な抗酸化物質であり、睡眠中に体内の活性酸素を除去し、細胞の修復を助けてくれるという働きも持っています。

夜、小腹が空いたときにスナック菓子に手を伸ばす代わりに、くるみを数粒ゆっくりと噛んで食べてみてください。それは、質の良い睡眠への入り口となり、翌朝のすっきりとした目覚めと、内側から輝くような健康的な美しさをもたらしてくれるかもしれません。

4. 腸活にもくるみが大活躍!善玉菌を育ててスッキリ健康な毎日へ

食物繊維で不要なものをデトックス

健康や美容について考えるとき、その土台となるのが「腸」の健康であることは、今や常識となりつつありますよね。腸は、栄養を吸収し、不要なものを排出するという大切な役割を担っています。この腸の働きをサポートしてくれる成分として有名なのが「食物繊維」ですが、もちろん、くるみにもこの食物繊維が豊富に含まれています。

食物繊維には、水に溶けにくい「不溶性食物繊維」と、水に溶けやすい「水溶性食物繊維」の2種類があり、それぞれ異なる働きで腸の健康を支えてくれます。そして嬉しいことに、くるみにはこの両方の食物繊維がバランス良く含まれているんです。

不溶性食物繊維は、腸内で水分を吸収して大きく膨らみ、便のカサを増やしてくれます。増えた便が腸の壁を優しく刺激することで、腸のぜん動運動(便を押し出す動き)が活発になり、スムーズなお通じを促してくれるのです。便秘がちな方にとっては、まさに救世主のような存在ですね。

一方、水溶性食物繊維は、腸内でゲル状になり、便を柔らかくして排出しやすくする効果があります。また、糖質の吸収を穏やかにして食後の血糖値の急上昇を抑えたり、コレステロールなどの余分な脂質を吸着して体外に排出したりする働きもあります。

便秘は、ぽっこりお腹や肌荒れの原因になるだけでなく、腸内に有害物質が溜まることで、体全体の免疫力の低下にも繋がりかねません。毎日の食事にくるみを取り入れることで、この2種類の食物繊維を効率よく摂取し、不要なものを溜め込まない、スッキリとした体づくりを目指すことができるのです。

善玉菌を育てるプレバイオティクス効果

くるみの腸活パワーは、単にお通じを良くするだけではありません。さらにすごいのは、腸内に住む無数の細菌、いわゆる「腸内フローラ」のバランスを整える働きがあることです。

私たちの腸内には、約100兆個もの細菌が住み着いており、健康に良い働きをする「善玉菌」、体に悪い影響を及ぼす「悪玉菌」、そしてそのどちらでもない「日和見菌」が、常に勢力争いをしています。このバランスが善玉菌優位に保たれていることが、健康の鍵となります。

ここで重要になるのが「プレバイオティクス」という考え方です。これは、腸内にいる善玉菌の“エサ”となる食品成分を摂取することで、善玉菌を元気に育てて増やそうというアプローチです。そして、くるみに含まれる食物繊維やポリフェノールは、このプレバイオティクスとして非常に優秀な働きをすることが、近年の研究で明らかになってきました。

ドイツのミュンヘン大学が行った研究では、被験者にくるみを毎日43g、8週間にわたって食べ続けてもらったところ、腸内のビフィズス菌や乳酸菌といった代表的な善玉菌が増加し、悪玉菌であるクロストリジウム属の菌が減少するという、腸内環境の明らかな改善が見られました。

善玉菌は、これらのエサを食べることで「短鎖脂肪酸」という物質を作り出します。この短鎖脂肪酸(酪酸、プロピオン酸、酢酸など)こそが、私たちの健康にとって非常に重要な役割を果たしてくれるのです。短鎖脂肪酸は、腸の粘膜を保護するバリア機能を高めたり、悪玉菌の増殖を抑えたり、さらには全身の免疫機能を調整したり、脂肪の蓄積を抑制したりと、まさにスーパー物質。くるみを食べることは、この短鎖脂肪酸を増やすための、最も手軽で美味しい方法の一つと言えるでしょう。

腸から始める全身の健康づくり

腸は「第二の脳」とも呼ばれるほど、私たちの心身の健康と密接に関わっています。腸内環境を整えることは、お腹の調子を良くするだけでなく、全身の健康レベルを底上げすることに繋がるのです。

例えば、「腸脳相関」という言葉を聞いたことはありますか?これは、腸と脳が自律神経やホルモンなどを介して、互いに影響を及ぼし合っていることを指します。幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の約90%は腸で作られているため、腸内環境が悪化すると、セロトニンの分泌が減少し、気分の落ち込みやイライラに繋がることもあります。くるみを食べて腸内環境を整えることは、メンタルヘルスの安定にも貢献してくれる可能性があるのです。

また、私たちの体の免疫細胞の約7割は、腸に集中していると言われています。腸は、口から入ってきた食べ物と一緒に、病原菌やウイルスが侵入しやすい場所でもあるため、それを防ぐための強力な免疫システムが備わっているのです。腸内フローラのバランスが整い、善玉菌が優位な状態にあると、この「腸管免疫」が正常に働き、感染症やアレルギーから体を守ってくれます。

このように、くるみを日常的に食べることは、便秘解消という直接的な効果だけでなく、腸内フローラの改善を通じて、免疫力の向上、メンタルヘルスの安定、さらには生活習慣病の予防といった、全身の健康維持に繋がっていく壮大な健康プロジェクトなのです。あなたの健康づくりの第一歩を、美味しいくるみと共に始めてみませんか?

5. 【体験談】くるみ健康生活を1ヶ月続けてみた!

筆者のリアルな1ヶ月チャレンジ

これまで、くるみが持つ素晴らしい健康効果について、少しマニアックな視点も交えながら解説してきました。理論上すごいのは分かったけれど、「で、実際に食べてみてどうなの?」というのが、あなたの正直な気持ちですよね。

そこで、この私自身が体を張って、「毎日ひとつかみ(約28g)のくるみを1ヶ月間食べ続ける」というチャレンジをしてみました!あくまで個人の感想ではありますが、その中で感じたリアルな変化をいくつかご紹介させてください。

まず一つ目は、「お昼過ぎの眠気が減ったかも?」という変化です。以前は、ランチの後に猛烈な眠気に襲われて、仕事の効率がガクンと落ちることが悩みでした。これは、昼食で摂取した糖質によって血糖値が急上昇し、その後に急降下することで起こる現象(血糖値スパイク)が一因と考えられます。くるみを食前や食事と一緒に食べるようになってから、この午後の眠気がずいぶん穏やかになったように感じます。くるみに含まれる良質な脂質、タンパク質、食物繊維が、糖質の吸収を緩やかにし、血糖値の乱高下を抑えてくれたのかもしれません。

二つ目は、「間食が自然と減った」ことです。私はもともと、夕方になると小腹が空いて、ついチョコレートやクッキーに手が伸びてしまうタイプでした。その間食をくるみに置き換えてみたところ、数粒食べただけで、しっかりとした満足感が得られることに驚きました。これは、くるみが持つ歯ごたえのある食感が咀嚼(そしゃく)回数を増やし、満腹中枢を刺激してくれること、そして腹持ちの良い脂質や食物繊維が豊富であることが理由だと思います。結果的に、余計なカロリー摂取が減り、健康的な体重管理にも繋がりそうです。

そして三つ目は、「お通じのリズムが安定した」ことです。もともとひどい便秘というわけではありませんでしたが、時々リズムが乱れることがありました。くるみ生活を始めて1週間ほど経った頃から、毎朝スッキリと快調な日が増えたんです。これはまさに、これまでお話ししてきた食物繊維やプレバイオティクス効果のおかげだと実感しています。腸が整うと、気分まで前向きになりますね。

もちろん、これらの変化は私個人の体験談です。でも、くるみが持つ栄養価を考えれば、こうしたポジティブな変化が起こることは十分に考えられます。あなたも、まずは2週間、騙されたと思って「くるみ健康生活」を試してみませんか?

他のナッツと栄養素を徹底比較

くるみのすごさをより客観的にご理解いただくために、ここで代表的なナッツであるアーモンド、カシューナッツと、特に注目したい栄養素を比較してみたいと思います。

栄養素 くるみ アーモンド カシューナッツ
オメガ3脂肪酸 ◎(非常に多い)
ポリフェノール ◎(非常に多い)
食物繊維
ビタミンE

※〇△◎は含有量の目安です。

この表を見ると、それぞれのナッツに長所があることが分かりますが、くるみの持つ特徴が際立っていますね。

まず、健康効果の要である「オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)」の含有量は、くるみが圧倒的です。アーモンドやカシューナッツは、健康に良い脂質であるオレイン酸(オメガ9)やリノール酸(オメガ6)が中心で、オメガ3はごくわずか。現代人が不足しがちなオメガ3を効率的に補給できるのは、くるみ最大の強みと言えます。

次に、若々しさの源である「ポリフェノール」。これも、前述のスクラントン大学の研究で示された通り、くるみがナッツ類の中でトップクラスの含有量を誇ります。アーモンドも皮の部分にポリフェノールを含みますが、総合的な量と質ではくるみに軍配が上がります。

「食物繊維」と「ビタミンE」に関しては、アーモンドが非常に優れています。特にビタミンE(α-トコフェロール)の含有量は全食品の中でもトップクラスで、「天然のサプリメント」と呼ばれるほどです。

しかし、ここで思い出していただきたいのが、くるみに含まれるビタミンEは「γ-トコフェロール」が主体であるという点。種類が違うため、単純な比較はできません。アーモンドでα-トコフェロールを、くるみでγ-トコフェロールとオメガ3脂肪酸を、というように、異なる種類のナッツを組み合わせて食べるのも、健康のためには非常に賢い方法かもしれませんね。

このように、他のナッツもそれぞれ素晴らしい魅力を持っていますが、「血管の健康」「脳の機能維持」「高い抗酸化力」といった、現代人の健康課題にダイレクトにアプローチできるオメガ3脂肪酸とポリフェノールが突出して多いという点で、くるみは唯一無二の存在感を放っているのです。

飽きずに続ける!おすすめの食べ方

「くるみが健康に良いのは分かったけど、毎日そのまま食べるだけだと飽きてしまいそう…」ご安心ください!くるみは、そのままでももちろん美味しいですが、アレンジ自在で、様々な料理に活躍してくれる万能食材なんです。いくつかおすすめの食べ方をご紹介しますね。

まずは王道ですが、砕いてサラダにかける方法。レタスやベビーリーフのサラダに、香ばしくローストしたくるみを加えるだけで、食感と風味にぐっと深みが出ます。特に、バルサミコ酢やチーズとの相性は抜群です。

次に、ヨーグルトとの組み合わせ。これは腸活の相乗効果が期待できる最高のコンビです。無糖ヨーグルトに、くるみと、オリゴ糖が豊富なはちみつや、食物繊維たっぷりのフルーツを加えれば、栄養満点の朝食やデザートになります。

意外と知られていないのが、和え物などのお料理に使う方法です。細かく刻んだくるみを、ほうれん草やいんげんの和え衣に混ぜ込む「くるみ和え」は、優しい甘さとコクが加わり、いつものおひたしが料亭の味に変身しますよ。

もちろん、パンやお菓子作りに使うのも定番ですね。パウンドケーキやクッキーの生地に混ぜ込めば、栄養価がアップするだけでなく、本格的な味わいになります。

ひとつだけ注意点として、くるみは脂質が多いためカロリーも高めです。100gあたり約670kcalと、決して低くはありません。健康に良いからといって食べ過ぎは禁物。1日の摂取量は、手のひらに軽く一杯乗る程度、約28g(7粒前後)を目安にするのがおすすめです。

さあ、あなたも今日から「くるみ健康習慣」を始めて、体の内側から輝くような、健やかな毎日を手に入れてみませんか

WRITING
西村恭平
西村恭平 Nishimura Kyohei

大学を卒業後、酒類・食品の卸売商社の営業を経て2020年2月に株式会社ブレーンコスモスへ入社。現在は「無添加ナッツ専門店 72」のバイヤー兼マネージャーとして世界中を飛び回っている。趣味は「仕事です!」と即答してしまうほど、常にナッツのことを考えているらしい。