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リコリコのクルミとは何者?正体や年齢、魅力を徹底解説!

2025.08.12
リコリコのクルミとは何者?正体や年齢、魅力を徹底解説!

『リコリス・リコイル』に登場する最強ハッカー、クルミ。その愛らしい見た目と天才的な能力のギャップに、心を鷲掴みにされた方も多いのではないでしょうか?「一体何歳なの?」「正体や本名は?」など、多くの謎に包まれた彼女の魅力を、本記事で徹底的に解き明かします。

この記事を読めば、あなたが知りたいクルミの全てが分かり、もっと『リコリコ』が好きになること間違いなしです!

1. リコリコのクルミの謎に迫る!天才ハッカーの正体を4つの視点からマニアックに解説!

「リコリス・リコイル」、通称「リコリコ」、本当に面白いアニメですよね!魅力的なキャラクターがたくさん登場しますが、中でも私のイチオシは、天才ハッカーの「クルミ」です。物語の重要な局面で何度も千束たちを救う、スーパープレイの数々にはシビれました!

でも、「リコリコは大好きだけど、クルミの細かい設定や背景については、意外と知らないかも…」と感じているあなた。実は、クルミは単なる「すごいハッカーで可愛いマスコット」というだけではないんです。彼女の存在そのものが、リコリコの物語に深みを与える、非常に重要な鍵を握るキャラクターだと言えるでしょう。

この記事では、そんなクルミの謎に満ちた正体について、以下の4つのマニアックな視点から徹底的に考察していきます!

  • 本当に7歳?年齢詐聴疑惑を言動から徹底考察!

  • コードネーム「ウォールナット」の由来とは?隠された二重の意味

  • なぜDAを狙った?最強ハッカーの行動動機を探る

  • 千束やたきなとの出会いがもたらした変化とは?

このブログを読み終える頃には、あなたも自他共に認める「クルミ博士」になっているはずです!一緒に、奥深いリコリコとクルミの世界へダイブしていきましょう!

2. 【リコリコ考察①】クルミは本当に7歳?年齢詐称疑惑を言動から徹底考察!

まず、リコリコのクルミについて語る上で避けては通れない最大の謎、それは「本当に7歳なのか?」という年齢の問題です。公式サイトにも記載されている正真正銘の公式設定なのですが、アニメ本編を観れば観るほど「いやいや、絶対もっと大人でしょ!」とツッコミを入れたくなったのは、きっと私だけではないはずです。

その達観したような言動、常人離れしたハッキングスキル、そして時折見せる老成したかのようなセリフの数々。これらは到底7歳の子供から出てくるものとは思えません。ここでは、クルミの年齢詐称疑惑について、作中の具体的な言動から徹底的に考察していきたいと思います。

達観しすぎなクルミの名言たち

クルミのセリフには、人生を何周もしたかのような、達観したものが非常に多いですよね。例えば、喫茶リコリコに匿われることになった当初、ミズキと口論になった際に放った一言。自分のことを「ガキ」扱いするミズキに対して、冷静に「事実陳列罪」と返すシーンがありました。普通7歳の子どもなら、もっと感情的に反発したり、泣いてしまったりするのではないでしょうか。

また、追手から逃れるために自身の死を偽装する作戦を実行した際も、彼女は一切動揺を見せませんでした。自分の存在が世界から「死亡」として扱われることに対して、どこか他人事のように、淡々と状況を受け入れているように見えました。これは、彼女がこれまで生きてきた環境がいかに過酷で、常に死と隣り合わせだったかを物語っているのかもしれません。自分の身を守るためには、感情を殺し、常に冷静でいなければならなかった。そう考えると、あの大人びた態度は、彼女が生き抜くために身につけた鎧のようなものだったのかもしれませんね。

リコリコの物語全体を通して、クルミは感情的な千束や、真面目すぎるたきなを、一歩引いた視点から見守り、的確なアドバイスを送る場面が多々あります。その姿は、まるで経験豊富な老婆か、すべてを見通す賢者のようです。こうした言動の端々から、彼女の精神年齢が実年齢と大きく乖離していることは明らかだと言えるでしょう。

7歳とは思えない超人的な判断力とサポート能力

クルミの異常性は、その言動だけにとどまりません。彼女の真骨頂であるハッキングスキルと、それに伴う判断力は、まさに超人的です。物語の序盤、彼女は日本最高峰の防諜AI「ラジアータ」をたった一人でダウン寸前まで追い込みました。これは国家レベルのサイバーテロであり、世界中のどんなハッカーでも成し得なかった偉業です。これほどのスキルを、わずか7歳の子供が独学で、あるいは短期間の教育で身につけられるものでしょうか。

例えば、第3話で描かれた、喫茶リコリコへの逃亡劇。クルミは追っ手の位置、交通状況、監視カメラの配置などをリアルタイムで把握し、千束たちに最適な逃走ルートを指示し続けました。あの緊迫した状況で、あれだけ冷静かつ的確なナビゲーションができる7歳が、この世に存在するでしょうか。まるで熟練の司令官のようなその姿は、多くの視聴者に「クルミ、何者なんだ…」という強烈な印象を与えました。

さらに、物語の終盤、延空木(えんくうぼく)での最終決戦では、クルミのサポート能力が最大限に発揮されます。真島が仕掛けた爆弾の位置を特定し、リコリスたちの避難を誘導。さらには、アラン機関のデータベースに侵入し、千束の命を救うための重要な情報を引き出すなど、彼女の活躍なくしてリコリコのハッピーエンドはあり得ませんでした。これらの功績は、単に「プログラムが書ける」「パソコンが得意」というレベルを遥かに超越しています。情報戦における戦術の立案、実行、そして味方のリソース管理まで、すべてを一人でこなしているのです。

考察:クルミの「中身」は一体何歳なのか?

では、なぜクルミはこれほどまでに大人びているのでしょうか。ここからは私の完全な考察になりますが、いくつかの可能性が考えられます。

一つは、「特殊な環境で育てられた英才教育の産物」という説です。どこかの国の秘密機関や、巨大な研究施設のような場所で、幼い頃からハッキング技術だけを徹底的に叩き込まれたのかもしれません。人とのコミュニケーションを学ぶ機会がなく、ただひたすらにモニターと向き合う日々。その結果、感情の起伏が乏しく、知識や技術だけが異常発達した、アンバランスな人間性が形成されたのではないでしょうか。

もう一つの可能性として、「過酷なサバイバルを生き抜いてきた」という説も考えられます。親もおらず、頼れる大人もいない環境で、たった一人、ハッキングの才能だけを武器に生きてきたとしたらどうでしょう。生きるためには大人を出し抜き、常に危険を予測し、冷静に判断を下さなければなりません。そうした経験が、彼女を7歳という年齢に不釣り合いなほど早熟にさせた、という考え方もできます。

いずれにせよ、リコリコ作中で描かれたクルミの姿は、彼女の過去がいかに壮絶なものであったかを雄弁に物語っています。公式設定は7歳ですが、その内面に宿る魂は、幾多の修羅場をくぐり抜けてきた歴戦の強者そのもの。このギャップこそが、クルミというキャラクターの持つミステリアスな魅力の源泉なのかもしれません。

3. 【リコリコ考察②】コードネーム「ウォールナット」の由来とは?クルミに隠された二重の意味

リコリコの世界において、凄腕のハッカーにはコードネームが存在します。そして、クルミが名乗っていたコードネームこそが「ウォールナット(Walnut)」です。日本語に訳せば、もちろん彼女の名前と同じ「くるみ」。一見すると、単なる洒落やアナグラムのように思えますが、実はこのコードネームには、彼女のキャラクター性を象徴する、非常に深い二重の意味が隠されていると私は考えています。

この「ウォールナット」という名前に込められた意味を紐解くことで、リコリコの物語におけるクルミの役割が、より一層明確に見えてくるはずです。

意味その1:「硬い殻」で「中身(情報)」を守るハッカーの象徴

「ウォールナット」、つまり「くるみ」と聞いて、まず思い浮かべるのは、その非常に硬い殻ではないでしょうか。簡単には割ることができず、中の実を食べるためには専用の器具が必要になることもあります。この「硬い殻」というイメージは、ハッカーとしてのクルミの性質そのものを完璧に表現しています。

クルミは、世界最高のハッカーです。そのスキルは、他者のシステムに侵入する「攻撃」の側面だけでなく、自身の情報を守る「防御」の側面においても鉄壁を誇ります。作中で彼女を追っていたアラン機関や、その他の敵対組織も、最後まで彼女の本当の居場所を突き止めることはできませんでした。彼女は常に幾重にも張り巡らせたセキュリティという「硬い殻」で自身を覆い、決して他者にその「中身(正体)」を暴かせないのです。

同時に、この「硬い殻」は、彼女が守るべき対象、つまり「情報」の堅牢さをも示唆しています。喫茶リコリコに匿われてからは、彼女はリコリコの仲間たちの情報を守るためにその能力を使いました。DAのデータベースからたきなの情報を書き換えたり、千束の個人情報を守ったりと、彼女の「殻」は仲間たちを守るための盾となったのです。

このように、「ウォールナット」というコードネームは、「誰にも破れない強固な守りで、自身と大切な情報を守り抜く」という、クルミのハッカーとしてのアイデンティティを象徴していると言えるでしょう。

意味その2:「栄養価が高く価値がある」彼女自身の才能の比喩

くるみという食物は、硬い殻の中に非常に栄養価の高い実を持っています。ビタミンやミネラル、良質な脂質などが豊富に含まれ、「スーパーフード」と呼ばれることもあるほど価値の高い食材です。そしてこの「栄養価の高さ=価値の高さ」という点もまた、クルミというキャラクターの本質を的確に捉えています。

クルミの持つハッキングスキルは、リコリコの世界において唯一無二の「才能」です。その才能は、使い方次第で国家を転覆させる兵器にもなれば、多くの人々を救う希望の光にもなります。アラン機関が彼女を「才能」として見出し、支援しようとしていたことからも、彼女の能力がいかに規格外で、計り知れない価値を持っていたかが分かります。

彼女が喫茶リコリコにもたらした恩恵は、まさに「栄養」そのものでした。彼女のハッキング能力がなければ、解決できなかった事件は数知れません。千束やたきなが前線で戦う「武力」だとしたら、クルミは後方から作戦を支え、勝利へと導く「知力」であり、リコリコというチームにとって不可欠な栄養素だったのです。

つまり、「ウォールナット」という名前は、「その才能は計り知れない価値を持ち、仲間にとって豊かで不可欠な恵みとなる」という、クルミ自身の存在価値を比喩しているのではないでしょうか。硬い殻に守られた、最高品質の実。これほどクルミにふさわしいコードネームは他にありません。

物語上の役割:「ウォールナットの死」がもたらした再生

さらに、「ウォールナット」というコードネームは、物語のギミックとしても非常に重要な役割を果たしました。物語の序盤、クルミは自らの死を偽装し、世界的に「ハッカー・ウォールナットは死亡した」と報じさせます。

この「ウォールナットの死」は、彼女にとって過去との決別であり、新しい人生の始まりを意味していました。追われる身であった「ウォールナット」として死ぬことで、彼女は初めて「クルミ」という一人の女の子として、穏やかな日常を手に入れることができたのです。喫茶リコリコという安全な場所で、千束やたきなといった仲間たちと出会い、人間らしい感情を取り戻していく。そのすべてのきっかけが、この偽装死でした。

コードネームを捨てる(死なせる)ことで、キャラクターが再生する。この巧みなストーリーテリングは、リコリコの物語に深みを与えています。単なる名前ではなく、クルミの生き様そのものを象徴する「ウォールナット」。この名前に込められた意味を知ると、リコリコの物語をもう一度見返したくなりますね。

4. 【リコリコ考察③】なぜDAを狙った?最強ハッカー「クルミ」の行動動機を探る

リコリコの物語は、クルミがDA(Direct Attack)の巨大サーバー「ラジアータ」にサイバー攻撃を仕掛ける場面から、実質的に動き出します。DAは、日本の治安を秘密裏に維持するリコリスたちを管轄する超法規的組織。そんな国家の中枢と言える組織を、なぜクルミはたった一人で敵に回したのでしょうか。

作中では「真島からの依頼だったから」と説明されていますが、世界最高のハッカーである彼女が、それだけの理由で命を危険に晒すとは考えにくいですよね。そこには、単なるビジネスライクな関係性を超えた、クルミ自身の個人的な思想や動機が隠されているはずです。ここでは、彼女がDAを狙った真の理由について、その行動の裏にある深い心理を掘り下げていきたいと思います。

根底にあるアンチ権威的な思想と真実への渇望

クルミの言動の端々からは、国家や巨大組織といった「権威」に対する、強い不信感や反発心が伺えます。彼女は誰にも縛られず、自分のルールと実力だけで生きてきた一匹狼です。そんな彼女にとって、DAのように情報を隠蔽し、一部の人間の都合で社会をコントロールしようとする組織は、許しがたい存在だったのではないでしょうか。

DAは「日本の平和を守る」という大義名分のもと、リコリスという少女たちに暗殺をはじめとする裏仕事をさせています。その存在は国民には一切知らされていません。いわば、巨大な「嘘」によって成り立っている組織です。ハッカーという人種は、本質的に隠されたものを暴き、情報の自由を求める傾向があります。クルミもその例に漏れず、「隠されているならば、見てみたくなるのが人情」といったセリフがあるように、強い探究心と好奇心を持っています。

彼女にとってDAへの攻撃は、単なる破壊活動ではありません。それは、権力が隠蔽する「不都合な真実」を白日の下に晒し、偽りの平和に一石を投じるという、彼女なりの正義の執行だったのかもしれません。真島が掲げる「バランス」という思想と、クルミのアンチ権威的な思想が、この一点において共鳴した。だからこそ、彼女は真島の依頼を受け、危険な賭けに出たのではないでしょうか。

世界最高ハッカーとしてのプライドと挑戦

もう一つの動機として考えられるのが、純粋な技術者としての探究心とプライドです。DAのサーバー「ラジアータ」は、日本の防諜技術の結晶であり、作中でも「決して落ちない」と評されるほどの鉄壁の要塞でした。世界中の誰もが突破できなかったそのシステムは、世界最高のハッカーであるクルミにとって、この上なく魅力的な挑戦対象に見えたはずです。

多くの天才がそうであるように、クルミにも自身の能力に対する絶対的な自信と、それを試したいという欲求があったでしょう。「このラジアータを落とせるのは、世界で私しかいない」。その高揚感が、彼女を突き動かした大きな要因であることは間違いありません。それはまるで、誰も登頂したことのない険しい山の頂を目指す登山家のような、純粋な挑戦だったのです。

依頼主である真島の目的がどうであれ、クルミ自身には「最強の盾(ラジアータ)を、最強の矛(自分のハッキングスキル)で貫けるか」という、技術者としての興味がまず先にあった。その結果として、DAという巨大組織を敵に回すことになっても、彼女にとっては大した問題ではなかったのかもしれません。自分の実力さえあれば、どんな窮地も乗り越えられる。そんな絶対的な自信が、彼女の行動の根底には流れているのです。

考察:クルミが本当に戦っていた相手

これらの考察をまとめると、クルミがDAを攻撃した動機は、単なる「依頼」という一言では片付けられない、複合的なものだったと言えます。

  • 思想的動機: 権力による情報統制への反発と、真実を追求するハッカーとしての正義感。

  • 技術的動機: 自身の能力を試したいという、世界最高ハッカーとしてのプライドと挑戦心。

彼女は、DAという組織そのものを憎んでいたわけではないのかもしれません。彼女が本当に戦っていた相手は、「情報を不当に独占し、個人の自由を脅かす、目に見えない巨大なシステム」そのものだったのではないでしょうか。そしてその戦いは、喫茶リコリコに身を寄せ、千束たちという守るべき存在ができてからも、形を変えて続いていきます。アラン機関の陰謀を暴き、仲間の命を守るために戦う彼女の姿は、まさしくその思想の延長線上にあると言えるでしょう。リコリコの物語におけるクルミの最初の大きな行動は、彼女のキャラクター性を理解する上で、非常に重要な意味を持っていたのです。

5. 【リコリコ考察④】千束やたきなとの出会いがクルミにもたらした変化とは?

物語の序盤、クルミは極度の人間不信で、非常にクールでドライな印象のキャラクターでした。自分の身を守ることを最優先し、他者を信用せず、ビジネスライクな関係しか築こうとしませんでした。しかし、そんな彼女が喫茶リコリコで千束やたきな、ミズキ、ミカといった仲間たちと共同生活を送るうちに、驚くほど大きな心境の変化を遂げていきます。

ここでは、リコリコの仲間たちとの出会いが、氷のように固く閉ざされていたクルミの心をどのように溶かしていったのか、その過程を具体的なシーンと共に深掘りしていきたいと思います。彼女が初めて見つけた「本当の居場所」での変化は、リコリコの物語の中でも特にエモーショナルな部分です。

ゲームに夢中になる子供らしい一面

クルミの変化が最初に見て取れたのは、喫茶リコリコの日常風景の中でした。特に印象的だったのが、リビングで千束たちとテレビゲームに興じるシーンです。初登場時の、あのすべてを達観したような冷静沈着な姿からは想像もつかないほど、彼女はゲームに夢中になり、一喜一憂していました。

千束に負けて本気で悔しがったり、たきなの意外なゲームの腕前に驚いたり。そうした姿は、これまで彼女が見せてこなかった「年相応の子供らしさ」そのものでした。それまでのクルミは、生きるために「大人」でいなければなりませんでした。しかし、喫茶リコリコという安全な場所で、心から信頼できる仲間たちに囲まれたことで、彼女は初めて「子供」に戻ることができたのです。

このゲームのシーンは、彼女がリコリコのメンバーを単なる「協力者」や「監視対象」ではなく、「一緒に遊べる友人」として認識し始めた、重要なターニングポイントだったと言えるでしょう。ハッキングという特殊な世界で生きてきた彼女が、初めて手に入れた「普通の日常」。その温かさが、彼女の心を少しずつ開いていったのです。

芽生えた仲間への深い情愛と涙

リコリコでの生活が続くにつれ、クルミの中には仲間に対する深い愛情が芽生えていきます。その感情が最も顕著に表れたのが、第9話で千束の人工心臓の寿命が残りわずかだと知った時のシーンです。

アラン機関のデータベースからその衝撃の事実を知ったクルミは、モニターの前で一人、静かに涙を流します。あれほど感情を表に出さなかった彼女が、他人のために、仲間のために、心から涙を流したのです。このシーンは、多くのリコリコファンの涙を誘いました。彼女にとって千束は、もはや単なる同居人ではありません。自分に居場所をくれ、妹のように接してくれた、かけがえのない大切な存在になっていたのです。

その後の彼女の行動は、すべて「千束を救いたい」という一心からでした。人工心臓の設計者である吉松シンジの情報を追い、危険を顧みずに敵の懐へ飛び込んでいく。かつては自分の身を守ることだけを考えていた彼女が、今では自分の身を危険に晒してでも、仲間を救おうとしている。この変化は、クルミがリコリコで得たものが、いかに大きく、価値のあるものだったかを物語っています。

また、たきなに対しても、彼女は深い信頼を寄せるようになります。延空木での最終決戦では、千束を助けようと一人で飛び出していくたきなを、ハッキングで全力でサポートしました。言葉数は少なくとも、そこには「相棒」としての確かな絆が感じられました。

クルミにとっての「本当の家族」

当初、クルミは世界にたった一人でした。コードネーム「ウォールナット」として、誰にも頼らず、誰のことも信じずに生きてきました。しかし、リコリコの仲間たちとの出会いが、彼女の全てを変えました。

  • 太陽のように明るく、何者も分け隔てなく受け入れる千束

  • 不器用ながらも、まっすぐで誠実なたきな

  • 口は悪いが、なんだかんだで面倒見の良いミズキ

  • そして、すべてを優しく見守る父親のような存在のミカ

彼らと過ごした時間は、クルミにとって初めての「家族団らん」だったのかもしれません。一緒にご飯を食べ、テレビを観て笑い、時にはケンカもする。そんな当たり前の日常が、彼女の乾いた心を潤し、人間らしい感情を育てていったのです。物語の最終話、ハワイ(?)へ逃亡したリコリコの面々と共に、穏やかな表情で過ごすクルミの姿は、彼女がようやく手に入れた幸せの象徴でした。

クールな天才ハッカー「ウォールナット」から、仲間を想い、笑い、泣くことができる「クルミ」へ。この感動的な変化こそ、リコリコが描いたもう一つの美しい物語であり、クルミというキャラクターが放つ最大の魅力と言えるでしょう。

6. 【リコリコ考察⑤】私が感じたクルミの魅力と他作品の天才ハッカーキャラ比較表

さて、ここまでリコリコのクルミについて、様々な角度からマニアックに考察してきましたが、いかがでしたでしょうか?最後に、このブログの締めくくりとして、少しだけ私の個人的な想いと、他のアニメ作品に登場する天才ハッカーたちとの比較を交えながら、クルミというキャラクターの唯一無二の魅力について語らせてください。

私がクルミに沼った理由

正直に告白しますと、私がリコリコを見始めた当初、クルミのことは「ちょっと生意気だけど、まあ可愛いマスコットキャラ的な立ち位置なのかな」くらいにしか思っていませんでした(クルミ、ごめん!)。しかし、物語が進むにつれて、その認識は180度変わりました。

私がクルミというキャラクターに完全に「沼った」瞬間、それはやはり第9話、千束の余命を知って涙を流したシーンです。あの小さな背中が、仲間のために震えているのを見た時、私の涙腺は崩壊しました。それまでクールで達観しているように見えたのは、彼女がそうせざるを得ない過酷な人生を歩んできたから。その鎧の下には、誰よりも繊細で、愛情深い心が隠されていたのです。

天才的な能力を持ちながらも、内面には年相応の、いや、それ以上に純粋な心を秘めている。このギャップに、私は完全に心を鷲掴みにされてしまいました。リコリコの物語において、千束とたきなが光の主人公だとしたら、クルミは陰から物語の根幹を支え、仲間たちを救い続けた「影の主人公」だったと、私は本気で思っています。彼女の成長と変化を見守ることが、リコリコを視聴する上での私の最大の楽しみの一つでした。

天才ハッカーキャラ比較表

クルミの魅力をより客観的に浮き彫りにするために、ここで他の有名なアニメ作品に登場する「天才ハッカーキャラクター」たちと、彼女を比較してみたいと思います。今回は、独断と偏見で選ばせていただいた3名の名キャラクターにご登場願いましょう。

比較項目 クルミ (リコリス・リコイル) 橋田至 (ダル) (シュタインズ・ゲート) 笑い男 (攻殻機動隊 S.A.C.) 佐倉双葉 (ナビ) (ペルソナ5)
年齢 7歳(公式) 19歳 不明(推定20代後半~30代) 15歳
性格 クール、ドライ → 情に厚い オタク、ムードメーカー、変態紳士 理想主義、シニカル、哲学的 対人恐怖症、引きこもり → 明るくお調子者
ハッキングスタイル オールラウンダー型。攻撃・防御・情報収集すべてが超一流。 ハードウェア寄り。未来ガジェット開発など物理的なハッキングが得意。 思想先行型。電脳への侵入、情報の改竄、世論操作など社会的ハッキング。 潜入支援特化型。味方のナビゲートや敵の妨害など、サポートに徹する。
仲間との関係性 擬似家族。守るべき大切な存在。 ラボメンの仲間。岡部倫太郎の右腕。 基本的に単独犯。協力者はいるが、対等な仲間はいない。 怪盗団のナビ役(頭脳)。心の拠り所であり、救済者。
使用ガジェット/環境 フクロウのぬいぐるみ型端末、喫茶リコリコのサーバー 自作PC、未来ガジェット 電脳空間、インターセプター(視覚情報遮断) 自室のハイスペックPC、ゴーグル、ペルソナ「ネクロノミコン」
特記事項 最年少でありながら最強。物語を通じて人間性を取り戻していく成長物語が描かれる。 未来のタイムマシン開発に不可欠な存在。シリーズを通しての重要人物。 正体不明のカリスマ。その思想は社会現象にまで発展した。 母親の死のトラウマを乗り越え、社会復帰を果たす過程が描かれる。

比較から見えるクルミの唯一無二の魅力

この比較表を見てみると、改めてクルミの特異性が際立って見えてきます。

まず、圧倒的なのがその年齢です。7歳という設定は、他のどのキャラクターと比較しても異常なほど若いです。しかし、そのスキルは「笑い男」のような国家レベルの事象を引き起こせるほどの、まさに最強クラス。この「最年少にして最強」という一点だけでも、彼女がいかに規格外の存在であるかが分かります。

また、他のキャラクターが特定の分野に特化していたり、明確な思想的背景を持っていたりするのに対し、クルミの動機は当初、非常にパーソナルでサバイバルに直結していました。しかし、リコリコの仲間と出会うことで、その動機が「仲間を守る」という非常にエモーショナルなものへと変化していきます。

佐倉双葉も仲間との出会いで成長するキャラクターですが、彼女の場合は同世代の仲間たちとの交流が主です。一方、クルミは千束やミズキといった年上の女性たちに囲まれ、まるで「家族の愛情」を知るかのように人間性を取り戻していきます。この「擬似家族」という環境で成長していく天才ハッカーという構図は、他の作品にはない、リコリコとクルミならではの魅力と言えるでしょう。

結論として、クルミの唯一無二の魅力とは、「世界最強のハッキングスキルという神がかった“才能”と、仲間との触れ合いの中で人間らしさを取り戻していく“成長物語”が、7歳という小さな身体に同居している奇跡的なバランス」にあるのだと私は思います。

彼女は単なる物語を便利に進めるための装置(デウス・エクス・マキナ)ではありません。リコリコという物語のもう一つの心臓であり、彼女の心の成長こそが、作品に温かい感動を与えてくれたのです。

この記事を読んで、少しでもクルミへの愛が深まったり、リコリコをもう一度見返したくなったりしていただけたなら、これ以上に嬉しいことはありません。あなたもぜひ、お気に入りのクルミのシーンを見つけてみてくださいね!

WRITING
西村恭平
西村恭平 Nishimura Kyohei

大学を卒業後、酒類・食品の卸売商社の営業を経て2020年2月に株式会社ブレーンコスモスへ入社。現在は「無添加ナッツ専門店 72」のバイヤー兼マネージャーとして世界中を飛び回っている。趣味は「仕事です!」と即答してしまうほど、常にナッツのことを考えているらしい。