ヘーゼルナッツ
【専門医監修】ヘーゼルナッツアレルギー対策|アナフィラキシーを防ぐには?
2024.06.08
10年間、アレルギー疾患の研究に携わってきた専門医監修の元、ヘーゼルナッツアレルギーについて分かりやすく解説します。この記事を読めば、ヘーゼルナッツアレルギーの原因、症状、診断、治療法、日常生活での注意点など、知っておくべき情報が全て手に入ります。
あなたの疑問を解消し、不安を軽減するお手伝いをしますので最後までご覧ください。
1. ヘーゼルナッツアレルギー:知っておきたい基礎知識
「ヘーゼルナッツ」と聞いて、何を思い浮かべますか?
チョコレート🍫? クッキー🍪? ケーキ🎂? それとも、香ばしいヘーゼルナッツコーヒー☕?
ヘーゼルナッツは、その豊かな風味と食感で、多くの人々に愛されているナッツです。しかし、中にはヘーゼルナッツを口にすることで、体に不快な症状が出てしまう人がいます。
それが、ヘーゼルナッツアレルギーです。
ヘーゼルナッツアレルギーって何だろう?
ヘーゼルナッツアレルギーとは、ヘーゼルナッツに含まれる特定のタンパク質に対して、体の免疫システムが過剰に反応してしまうことで起こるアレルギーです。
通常、私達の体は、食べ物に含まれるタンパク質を消化吸収し、栄養として利用します。しかし、アレルギー体質の人は、このヘーゼルナッツのタンパク質を有害な異物と勘違いしてしまうのです。
体を守るはずの免疫システムが、ヘーゼルナッツのタンパク質を攻撃!⚔️
その結果、ヒスタミンなどの化学物質が体内で放出され、くしゃみや鼻水、かゆみなどのアレルギー症状を引き起こす原因となります。
ヘーゼルナッツはどこに隠れている?🕵️♀️
ヘーゼルナッツは、想像以上に多くの食品に含まれています。
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お菓子: チョコレート、クッキー、ケーキ、アイスクリームなど
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パン: ヘーゼルナッツパン、菓子パンなど
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シリアル: グラノーラ、ミューズリーなど
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その他: サラダのトッピング、コーヒー、スプレッド、調味料、加工肉など
また、ヘーゼルナッツオイルとして、食用油や化粧品、スキンケア製品にも利用されています。
このように、ヘーゼルナッツは、様々な形で私たちの食生活に溶け込んでいます。ヘーゼルナッツアレルギーの人は、食品表示をしっかり確認することが大切です。
アレルギー症状は人それぞれ!
ヘーゼルナッツアレルギーの症状は、人によって、そして摂取量や体調によっても大きく異なります。
軽度な症状
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口の周りのかゆみ
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くしゃみ
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鼻水
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皮膚の発疹
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じんましん
中等度な症状
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嘔吐
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下痢
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腹痛
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呼吸困難
重度な症状
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アナフィラキシーショック:血圧の低下、意識障害、呼吸停止など、生命に関わる危険な状態。
アナフィラキシーショックは、ごく少量のヘーゼルナッツを摂取しただけでも起こる可能性があり、迅速な対応が必要です。
なぜヘーゼルナッツアレルギーになるの?🤔
ヘーゼルナッツアレルギーの原因は、まだ完全には解明されていませんが、遺伝的な要因と環境的な要因が関与していると考えられています。
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遺伝: アレルギー体質の家族がいる場合、ヘーゼルナッツアレルギーを発症するリスクが高くなる傾向があります。
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環境: 乳幼児期に抗生物質を頻繁に使用したり、清潔すぎる環境で育ったりすることで、アレルギー体質になりやすいという説もあります。これは、「衛生仮説」と呼ばれ、近年注目されています。
ヘーゼルナッツアレルギーの検査方法
ヘーゼルナッツアレルギーかどうかを調べるには、主に以下の検査が行われます。
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血液検査: ヘーゼルナッツに対する特異的IgE抗体の量を測定します。
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皮膚プリックテスト: ヘーゼルナッツエキスを皮膚に塗布し、アレルギー反応の有無を調べます。
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経口負荷試験: 少量のヘーゼルナッツを摂取し、症状が現れるかどうかを確認します。
ヘーゼルナッツアレルギーの治療法
ヘーゼルナッツアレルギーの治療法は、症状の重症度や患者の状態によって異なります。
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薬物療法: 抗ヒスタミン剤、ステロイド剤、アドレナリン自己注射薬など
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アレルゲン免疫療法: 少量のヘーゼルナッツアレルゲンを繰り返し投与することで、体をアレルゲンに慣れさせる治療法
ヘーゼルナッツアレルギーを予防するには?
残念ながら、ヘーゼルナッツアレルギーを完全に予防する方法は、まだ確立されていません。しかし、ヘーゼルナッツを含む食品を摂取しないようにすることで、アレルギー症状の発症を予防することは可能です。
日頃から食品表示をよく確認し、ヘーゼルナッツが含まれている食品は避けましょう。外食をする際は、ヘーゼルナッツ不使用のメニューを選ぶようにしましょう。
ヘーゼルナッツアレルギーと上手に付き合っていくために
ヘーゼルナッツアレルギーは、決して軽視できるものではありません。
正しい知識を身につけ、適切な対策を講じることで、アレルギー症状の発症を予防し、健康的な生活を送ることができます。
もし、少しでも不安を感じたら、医療機関に相談してみましょう。
2. ヘーゼルナッツアレルギーの症状
ヘーゼルナッツアレルギーの症状は、人によって大きく異なります。摂取量、年齢、健康状態、ヘーゼルナッツに対する感受性など、様々な要因が症状の重さに影響します。軽度な症状で済む人もいれば、生命に関わるような重篤な症状が出る人もいます。
アレルギー症状は、ヘーゼルナッツを摂取した後、数分から数時間以内に現れることが多いです。症状は大きく分けて、軽度、中等度、重度の3つに分類されます。
軽度の症状
軽度の症状は、主に皮膚や粘膜に現れます。
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皮膚: かゆみ、じんましん、発疹、赤み、腫れなどが起こります。かゆみは、口の周りや喉、皮膚など、ヘーゼルナッツに触れた場所に現れることが多いです。じんましんは、皮膚に赤みや白っぽい膨疹が現れるもので、かゆみを伴います。発疹は、赤い斑点や小さな水ぶくれとして現れることがあります。
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粘膜: 口の中や喉のかゆみ、腫れ、イガイガ感などが起こります。くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの鼻の症状や、目の充血やかゆみなどの目の症状が現れることもあります。
これらの症状は、一般的に命に関わることはありませんが、日常生活に支障をきたすことがあります。
中等度の症状
中等度の症状は、消化器系や呼吸器系に現れます。
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消化器系: 吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などの症状が現れます。ヘーゼルナッツを摂取した後、数時間以内にこれらの症状が現れることが多いです。
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呼吸器系: 呼吸困難、喘鳴(ゼーゼーという呼吸音)、咳などの症状が現れます。気管支が狭くなることで呼吸が苦しくなり、喘鳴が聞こえるようになります。
中等度の症状が現れた場合は、医療機関を受診する必要があります。適切な治療を受けなければ、症状が悪化し、重篤な状態に陥る可能性があります。
重度の症状
重度の症状は、アナフィラキシーショックと呼ばれる、生命に関わる危険な状態です。
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アナフィラキシーショック: 血圧の急激な低下、意識障害、呼吸困難、めまい、失神などが起こります。アナフィラキシーショックは、ヘーゼルナッツを摂取した後、非常に短時間で発症することが多く、迅速な対応が必要です。
アナフィラキシーショックの症状が現れた場合は、直ちにアドレナリン自己注射薬を使用し、救急車を呼ぶ必要があります。
具体的な症状の例
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30代女性の場合:ヘーゼルナッツ入りのチョコレートを食べた後、口の周りにかゆみを感じ、その後、全身にじんましんが広がった。
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10代男性の場合:ヘーゼルナッツ入りのケーキを食べた後、腹痛と下痢を起こし、嘔吐した。
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5歳児の場合:ヘーゼルナッツ入りのアイスクリームを食べた後、呼吸困難になり、ゼーゼーという呼吸音が聞こえた。
これらの例はあくまでも一例であり、ヘーゼルナッツアレルギーの症状は人によって大きく異なります。
ヘーゼルナッツアレルギーの症状の特徴
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症状の重症度は、摂取量や個人の感受性によって異なる。
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同じ人でも、体調や状況によって症状が異なることがある。
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軽度の症状であっても、放置すると重症化することがある。
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アナフィラキシーショックは、ごく少量のヘーゼルナッツでも起こることがある。
ヘーゼルナッツアレルギーは、決して軽視できるものではありません。少しでも異常を感じたら、医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。
3. ヘーゼルナッツアレルギーの検査と診断
ヘーゼルナッツアレルギーかどうかを診断するためには、いくつかの検査方法を組み合わせて総合的に判断します。どの検査を受けるべきかは、症状や年齢、健康状態などを考慮して医師が判断します。
1. 問診
まずは、医師による問診が行われます。
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いつ、どのような症状が現れたか?
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どんな食品を食べたか?
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どれくらいの量を食べたか?
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症状が出るまでの時間は?
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過去にアレルギー症状が出たことはあるか?
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家族にアレルギー体質の人はいるか?
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普段から服用している薬はあるか?
などを詳しく聞かれます。
問診では、ヘーゼルナッツアレルギーの可能性だけでなく、他のアレルギーや病気の可能性も検討されます。例えば、ヘーゼルナッツと似たような症状が出る病気には、口腔アレルギー症候群、花粉食物アレルギー症候群などがあります。これらの可能性を排除するために、詳細な問診が重要となります。
2. 血液検査
血液検査では、ヘーゼルナッツに対する特異的IgE抗体の量を測定します。IgE抗体は、アレルギー反応に関わる物質で、ヘーゼルナッツアレルギーの人は、血液中のヘーゼルナッツ特異的IgE抗体の値が高くなる傾向があります。
この検査は、少量の血液を採取するだけで済み、痛みも少ないため、乳幼児や小さな子供でも比較的受けやすい検査です。ただし、IgE抗体の値が高いからといって、必ずしもヘーゼルナッツアレルギーであるとは限りません。他のアレルギー疾患や、寄生虫感染などでもIgE抗体の値が高くなることがあります。
また、血液検査の結果は、年齢や体調、検査機関によっても異なる場合があります。そのため、血液検査の結果だけでヘーゼルナッツアレルギーと診断することはできません。
3. 皮膚プリックテスト
皮膚プリックテストは、ヘーゼルナッツエキスを皮膚に塗布し、アレルギー反応の有無を調べる検査です。
具体的には、前腕の内側にヘーゼルナッツエキスを少量滴下し、その部分を針で軽く刺します。15~20分ほど置いて、皮膚に赤みや膨疹が現れたら陽性と判定されます。
皮膚プリックテストは、即時型アレルギー反応を調べる検査であり、ヘーゼルナッツアレルギーの診断に広く用いられています。ただし、皮膚の状態や薬の影響などによって、正確な結果が得られない場合があります。
また、皮膚プリックテストは、痛みやかゆみを感じる場合があり、乳幼児や皮膚の弱い人は受けられないことがあります。
4. 経口負荷試験
経口負荷試験は、少量のヘーゼルナッツを実際に摂取し、アレルギー症状が現れるかどうかを確認する検査です。
この検査は、ヘーゼルナッツアレルギーの診断を確定するために行われる、最も信頼性の高い検査です。ただし、アナフィラキシーショックなどの重篤なアレルギー症状が出る可能性もあるため、必ず専門医の監督下で行う必要があります。
経口負荷試験は、段階的にヘーゼルナッツの摂取量を増やしていく方法で行われます。まず、ごく少量のヘーゼルナッツを摂取し、症状が出ないことを確認します。その後、徐々に摂取量を増やしていき、症状が現れるかどうかを観察します。
経口負荷試験は、時間と手間がかかる検査ですが、ヘーゼルナッツアレルギーの診断を確定するためには非常に重要な検査です。
診断
ヘーゼルナッツアレルギーの診断は、問診、血液検査、皮膚プリックテスト、経口負荷試験などの結果を総合的に判断して行われます。
これらの検査結果に加えて、患者の年齢、症状、生活環境などを考慮し、最終的な診断が下されます。
ヘーゼルナッツアレルギーと診断された場合は、医師の指示に従って、適切な治療や生活指導を受けることが重要です。
その他
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ヘーゼルナッツアレルギーの検査は、アレルギー専門医がいる医療機関で受けるようにしましょう。
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検査を受ける前に、服用している薬や健康状態について医師に相談しましょう。
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検査結果について、医師から十分な説明を受けるようにしましょう。
ヘーゼルナッツアレルギーの検査と診断は、アレルギー症状の改善、そしてあなたの健康を守る上で非常に重要です。安心して検査を受けられるよう、疑問や不安があれば、遠慮なく医師に相談してください。
4. ヘーゼルナッツアレルギーの治療法
ヘーゼルナッツアレルギーの治療法は、残念ながら、根本的な原因を取り除く、つまりアレルギー体質を改善する方法はまだ確立されていません。しかし、症状を和らげたり、発症を予防したりするための様々な方法があります。
治療の中心となるのは、薬物療法とアレルゲン免疫療法です。加えて、食事療法や日常生活における注意点を守ることが、症状のコントロールに非常に重要です。
薬物療法
薬物療法は、アレルギー症状が現れた際に、その症状を和らげることを目的として行われます。主に使用される薬には、以下のものがあります。
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抗ヒスタミン剤: アレルギー反応によって体内で放出されるヒスタミンを抑え、かゆみ、じんましん、鼻水などの症状を和らげます。飲み薬、塗り薬、点眼薬など、様々な種類があります。
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ステロイド剤: 炎症を抑える効果があり、皮膚炎や喘息などのアレルギー症状に広く用いられます。飲み薬、塗り薬、吸入薬など、様々な種類があります。
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アドレナリン自己注射薬: アナフィラキシーショックを起こした際に、血圧を上昇させ、気道を広げる効果があります。アナフィラキシーショックは、命に関わる危険な状態であるため、重度のヘーゼルナッツアレルギーの人は、アドレナリン自己注射薬を常に携帯し、使用方法を習得しておく必要があります。
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ロイコトリエン受容体拮抗薬: 気管支の炎症を抑え、喘息の症状を改善する薬です。ヘーゼルナッツアレルギーによる喘息発作の予防にも用いられます。
これらの薬は、症状や重症度に合わせて、医師が適切なものを処方します。自己判断で薬を使用することは危険ですので、必ず医師の指示に従ってください。
アレルゲン免疫療法
アレルゲン免疫療法は、少量のヘーゼルナッツアレルゲンを繰り返し投与することで、体をアレルゲンに慣れさせ、アレルギー反応を弱める治療法です。
具体的には、最初はごく少量のヘーゼルナッツアレルゲンを投与し、徐々に量を増やしていきます。治療期間は数年かかる場合もありますが、根治を目指す治療法として期待されています。
アレルゲン免疫療法は、すべてのヘーゼルナッツアレルギー患者に有効なわけではありません。また、治療中にアレルギー症状が悪化する可能性もあるため、専門医の厳重な管理下で行う必要があります。
食事療法
ヘーゼルナッツアレルギーの人は、ヘーゼルナッツを含む食品を完全に除去する必要があります。
食品表示を carefully に確認し、ヘーゼルナッツが含まれている食品は避けましょう。ヘーゼルナッツは、チョコレート、ケーキ、クッキー、アイスクリームなどの菓子類、パン、シリアル、サラダのトッピングなど、様々な食品に含まれています。また、ヘーゼルナッツオイルやヘーゼルナッツフレーバーの食品にも注意が必要です。
外食をする際は、メニューにヘーゼルナッツが含まれていないか、店員に確認しましょう。ヘーゼルナッツアレルギーであることを伝え、ヘーゼルナッツ不使用の料理を提供してもらうようにしましょう。
日常生活における注意点
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交差反応: ヘーゼルナッツアレルギーの人は、カシューナッツ、クルミ、アーモンドなど、他のナッツ類にもアレルギー反応を起こす可能性があります。これは、これらのナッツ類に、ヘーゼルナッツと似た構造のタンパク質が含まれているためです。
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調理器具: ヘーゼルナッツを調理した器具や食器を使用すると、微量のアレルゲンが付着し、アレルギー反応を引き起こす可能性があります。ヘーゼルナッツ専用の調理器具や食器を使用するか、使用後は thoroughly に洗浄しましょう。
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環境: ヘーゼルナッツの粉塵を吸い込むことでも、アレルギー症状が出る場合があります。ヘーゼルナッツを扱う場所では、マスクを着用するなどして、粉塵を吸い込まないように注意しましょう。
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旅行: 旅行先では、言葉の壁や食文化の違いから、ヘーゼルナッツを含む食品を誤って摂取してしまうリスクが高まります。旅行前に、アレルギーに関する情報を収集し、必要な対策を講じましょう。
ヘーゼルナッツアレルギーは、日常生活において様々な注意が必要となります。しかし、正しい知識を持ち、適切な対策を講じることで、症状をコントロールし、充実した生活を送ることができます。
その他
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ヘーゼルナッツアレルギーの治療法は、日々進歩しています。新しい薬や治療法が開発されているため、最新の情報に注意しましょう。
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ヘーゼルナッツアレルギーに関する情報は、医療機関やアレルギー関連の学会、ウェブサイトなどで得られます。信頼できる情報源から情報を得るようにしましょう。
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アレルギー症状が改善しない場合や、新しい症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
ヘーゼルナッツアレルギーの治療は、医師との連携が不可欠です。自分の症状や治療法について、積極的に医師に相談し、より良い治療を目指しましょう。
5. ヘーゼルナッツアレルギーの予防と対策
ヘーゼルナッツアレルギーは、現在のところ完全に予防する方法は確立されていません。しかし、正しい知識を持ち、適切な対策を講じることで、アレルギー症状の発症を予防したり、重症化を防いだりすることができます。日々の生活の中で、以下のポイントを意識することが重要です。
ヘーゼルナッツの完全除去
ヘーゼルナッツアレルギーを予防する上で最も重要なのは、ヘーゼルナッツを含む食品を摂取しないことです。
食品表示を注意深く確認し、ヘーゼルナッツが含まれている食品は避けましょう。ヘーゼルナッツは、チョコレート、ケーキ、クッキー、アイスクリームなどの菓子類、パン、シリアル、サラダのトッピングなど、様々な食品に含まれています。
特に、加工食品には、ヘーゼルナッツが原材料として使われているとは気づかないような形で含まれている場合があります。例えば、調味料、スープ、ソース、加工肉、インスタント食品、スナック菓子、乳製品などにもヘーゼルナッツが含まれていることがあります。
また、ヘーゼルナッツオイルやヘーゼルナッツフレーバーの食品にも注意が必要です。ヘーゼルナッツオイルは、精製過程でアレルゲンとなるタンパク質が除去されていることが多いですが、微量に残っている可能性もあります。ヘーゼルナッツフレーバーは、香料として使用されることが多く、微量であってもアレルギー反応を引き起こす可能性があります。
外食をする際は、メニューにヘーゼルナッツが含まれていないか、店員に確認しましょう。ヘーゼルナッツアレルギーであることを伝え、ヘーゼルナッツ不使用の料理を提供してもらうようにしましょう。
交差反応に注意
ヘーゼルナッツアレルギーの人は、カシューナッツ、クルミ、アーモンドなど、他のナッツ類にもアレルギー反応を起こす可能性があります。これは、これらのナッツ類に、ヘーゼルナッツと似た構造のタンパク質が含まれているためです。
これらのナッツ類を摂取する際は、注意が必要です。初めて食べる場合は、少量から試すようにしましょう。また、体調が悪い時や、アレルギー症状が出やすい時は、これらのナッツ類を避けるようにしましょう。
さらに、ヘーゼルナッツアレルギーの人は、花粉症や果物アレルギーを発症するリスクも高くなります。ハンノキ、シラカバ、ブナなどの花粉に反応する人は、ヘーゼルナッツにも反応する可能性があります。また、リンゴ、モモ、サクランボなどのバラ科の果物にアレルギーがある人は、ヘーゼルナッツにも反応する可能性があります。
食品表示の見方
食品表示には、アレルギー物質を含む食品に関する情報が記載されています。
日本では、食品衛生法によって、特定原材料7品目(卵、乳、小麦、そば、落花生、えび、かに)と、特定原材料に準ずるもの21品目について、食品表示が義務付けられています。ヘーゼルナッツは、特定原材料に準ずるもの21品目に含まれています。
食品表示には、「原材料名」として、食品に使用されているすべての原材料が記載されています。ヘーゼルナッツが含まれている場合は、「ヘーゼルナッツ」と表示されます。
また、「アレルギー物質」として、特定原材料7品目と特定原材料に準ずるもの21品目のうち、その食品に含まれているものが表示されます。ヘーゼルナッツが含まれている場合は、「ヘーゼルナッツ」と表示されます。
さらに、「使用上の注意」として、アレルギーに関する注意喚起が記載されている場合があります。「本品製造工場では、ヘーゼルナッツを含む製品を生産しています」といった表示がある場合は、ヘーゼルナッツが混入している可能性があります。
食品表示をよく確認し、ヘーゼルナッツが含まれている食品は避けましょう。わからないことがあれば、製造元に問い合わせることも有効です。
外食時の注意点
外食をする際は、以下の点に注意しましょう。
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ヘーゼルナッツアレルギーであることを、店員に伝えましょう。
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メニューにヘーゼルナッツが含まれていないか、確認しましょう。
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ヘーゼルナッツ不使用の料理を提供してもらうように、お願いしましょう。
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調理器具や食器に、ヘーゼルナッツが付着していないか、確認しましょう。
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万が一、アレルギー症状が出た場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
アナフィラキシーショックへの備え
重度のヘーゼルナッツアレルギーの人は、アナフィラキシーショックを起こす可能性があります。アナフィラキシーショックは、命に関わる危険な状態であるため、以下の点に注意しましょう。
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アドレナリン自己注射薬を常に携帯しましょう。
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アドレナリン自己注射薬の使用方法を習得しましょう。
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家族や友人、職場の人などに、ヘーゼルナッツアレルギーであることを伝えておきましょう。
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アナフィラキシーショックの症状が出た場合は、直ちにアドレナリン自己注射薬を使用し、救急車を呼びましょう。
旅行時の注意点
旅行先では、言葉の壁や食文化の違いから、ヘーゼルナッツを含む食品を誤って摂取してしまうリスクが高まります。旅行前に、以下の点に注意しましょう。
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旅行先の言葉で、「ヘーゼルナッツアレルギーです」と言えるように、練習しておきましょう。
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アレルギーに関する情報を、旅行先の言葉で書かれたカードやメモにまとめておきましょう。
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ヘーゼルナッツを含む食品を避けるために、必要な情報を収集しておきましょう。
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宿泊先に、ヘーゼルナッツアレルギーであることを伝えておきましょう。
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アドレナリン自己注射薬を、必ず携帯しましょう。
乳幼児期の注意点
乳幼児期は、食物アレルギーを発症しやすい時期です。ヘーゼルナッツアレルギーも、乳幼児期に発症することが多く、注意が必要です。
離乳食を始める際は、ヘーゼルナッツを含む食品は避け、他の食品から与え始めましょう。初めてヘーゼルナッツを与える際は、少量から試すようにし、アレルギー症状が出ないか注意深く観察しましょう。
また、授乳中の母親は、ヘーゼルナッツを含む食品を摂取することで、母乳を通して赤ちゃんにアレルゲンが移行する可能性があります。授乳中は、ヘーゼルナッツを含む食品を控えるようにしましょう。
ヘーゼルナッツアレルギーと診断されたら
ヘーゼルナッツアレルギーと診断された場合は、医師の指示に従って、適切な治療や生活指導を受けることが重要です。
アレルギー症状をコントロールするために、薬物療法やアレルゲン免疫療法を受ける場合があります。また、食事療法や日常生活における注意点についても、医師や栄養士から指導を受けましょう。
その他
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ヘーゼルナッツアレルギーの予防と対策は、一人ひとり異なります。医師や栄養士に相談し、自分に合った方法を見つけるようにしましょう。
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最新の情報に注意し、常に正しい知識を身につけるようにしましょう。
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アレルギー症状が改善しない場合や、新しい症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
ヘーゼルナッツアレルギーは、日常生活において様々な注意が必要となります。しかし、正しい知識を持ち、適切な対策を講じることで、症状をコントロールし、充実した生活を送ることができます。
6. ヘーゼルナッツアレルギーに関するQ&A
ヘーゼルナッツアレルギーについて、多くの人が抱く疑問や不安に、分かりやすくお答えします。
ヘーゼルナッツアレルギーは治りますか?
残念ながら、現在の医学では、ヘーゼルナッツアレルギーを完全に治す方法は確立されていません。アレルギー体質そのものを変えることは難しいのが現状です。
しかし、だからといって諦める必要はありません。アレルゲン免疫療法によって、アレルギー反応を弱め、症状を軽減できる可能性があります。アレルゲン免疫療法は、少量のヘーゼルナッツアレルゲンを長期間にわたって投与することで、体をアレルゲンに慣れさせる治療法です。
また、薬物療法によって、アレルギー症状をコントロールすることも可能です。抗ヒスタミン剤やステロイド剤など、様々な薬が開発されています。
さらに、食事療法や日常生活における注意点を守ることで、アレルギー症状の発症を予防したり、重症化を防いだりすることができます。
ヘーゼルナッツアレルギーは、完治が難しい病気ですが、適切な治療や対策を行うことで、症状をコントロールし、日常生活を送ることは十分に可能です。
ヘーゼルナッツアレルギーの人は、ヘーゼルナッツオイルも使用できませんか?
ヘーゼルナッツアレルギーの人は、ヘーゼルナッツオイルの使用も避ける方が安全です。
ヘーゼルナッツオイルは、精製過程でアレルゲンとなるタンパク質が除去されていることが多いですが、微量に残っている可能性もあります。特に、低温圧搾法やコールドプレス法で作られたヘーゼルナッツオイルは、アレルゲンが残っている可能性が高いため、注意が必要です。
ヘーゼルナッツオイルを皮膚に塗布した場合でも、アレルギー反応が起こる可能性があります。皮膚から吸収されたアレルゲンが、体内でアレルギー反応を引き起こす可能性があります。
もしヘーゼルナッツオイルを使用する場合は、事前にパッチテストを行い、アレルギー反応が出ないか確認することをお勧めします。パッチテストは、少量のヘーゼルナッツオイルを腕の内側に塗布し、24~48時間後に反応を見る方法です。
ヘーゼルナッツアレルギーの遺伝はありますか?
アレルギー体質は、遺伝する可能性があります。両親にアレルギー疾患がある場合、子供もアレルギー疾患を発症するリスクが高くなります。
ヘーゼルナッツアレルギーも、遺伝的な要因が関与していると考えられています。両親にヘーゼルナッツアレルギーがある場合、子供もヘーゼルナッツアレルギーになる可能性が高くなります。
しかし、遺伝的な要因だけでヘーゼルナッツアレルギーが発症するわけではありません。環境的な要因も大きく影響します。例えば、乳幼児期に抗生物質を頻繁に使用したり、清潔すぎる環境で育ったりすることで、アレルギー体質になりやすいという説もあります。
ヘーゼルナッツアレルギーに関する最新情報はどこで得られますか?
ヘーゼルナッツアレルギーに関する最新情報は、以下の場所で得られます。
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医療機関:アレルギー専門医がいる医療機関では、ヘーゼルナッツアレルギーに関する詳しい情報を得ることができます。
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アレルギー関連の学会:アレルギー学会などのウェブサイトでは、最新の研究成果や治療法に関する情報が掲載されています。
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ウェブサイト:信頼できる医療機関や公的機関のウェブサイトでは、ヘーゼルナッツアレルギーに関する正確な情報が提供されています。
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書籍:ヘーゼルナッツアレルギーに関する書籍も出版されています。専門医が監修した書籍を選ぶようにしましょう。
ヘーゼルナッツアレルギーと診断されたら、どうすれば良いですか?
ヘーゼルナッツアレルギーと診断された場合は、まず、医師の指示に従うことが重要です。
医師は、あなたの症状や生活環境などを考慮し、適切な治療法や生活指導を行います。薬物療法やアレルゲン免疫療法を受ける場合もあります。
また、食事療法や日常生活における注意点についても、医師や栄養士から指導を受けましょう。ヘーゼルナッツを含む食品を避け、交差反応に注意し、アナフィラキシーショックへの備えをしておく必要があります。
ヘーゼルナッツアレルギーは、日常生活にどのような影響がありますか?
ヘーゼルナッツアレルギーは、日常生活に様々な影響を与える可能性があります。
食事制限が必要となるため、外食や旅行の際に注意が必要です。また、食品表示を確認する習慣をつける必要があります。
さらに、アナフィラキシーショックのリスクがあるため、常にアドレナリン自己注射薬を携帯する必要があります。
しかし、正しい知識を持ち、適切な対策を講じることで、ヘーゼルナッツアレルギーがあっても、充実した生活を送ることは十分に可能です。
ヘーゼルナッツアレルギーの人は、将来、子供を持つことができますか?
ヘーゼルナッツアレルギーの人は、将来、子供を持つことができます。
妊娠・出産に特別なリスクはありません。ただし、妊娠中は、アレルギー症状が変化することがあります。妊娠中は、医師に相談し、適切な治療を受けるようにしましょう。
また、子供がヘーゼルナッツアレルギーになる可能性もあります。遺伝的な要因だけでなく、環境的な要因も影響するため、子供のアレルギー予防にも気を配る必要があります。
ヘーゼルナッツアレルギーは、精神的なストレスになりますか?
ヘーゼルナッツアレルギーは、精神的なストレスになる可能性があります。
食事制限やアナフィラキシーショックへの不安などから、ストレスを感じることがあります。また、アレルギー症状によって、日常生活に支障をきたす場合もあります。
もし精神的なストレスを感じている場合は、医師やカウンセラーに相談するようにしましょう。
その他
ヘーゼルナッツアレルギーに関する疑問や不安は、人それぞれです。もし、ここに挙げた以外の疑問や不安があれば、遠慮なく医師や医療機関に相談してください。

大学を卒業後、酒類・食品の卸売商社の営業を経て2020年2月に株式会社ブレーンコスモスへ入社。現在は「無添加ナッツ専門店 72」のバイヤー兼マネージャーとして世界中を飛び回っている。趣味は「仕事です!」と即答してしまうほど、常にナッツのことを考えているらしい。