糖質制限
プレママ必読!妊娠中の糖質制限、避けるべき理由を徹底解説
2025.03.03
妊娠中の体重管理、気になりますよね。「糖質制限」という言葉を耳にするけれど、お腹の赤ちゃんへの影響は大丈夫?と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、妊婦さんが糖質制限を行うメリット・デメリット、安全に取り組むための注意点を分かりやすく解説します。正しい知識を身につけて、健やかなマタニティライフを送りましょう。
1. 妊婦さんの糖質制限、ちょっと待って!知っておきたい大切な理由
こんにちは!この度はご懐妊、本当におめでとうございます! 体調はいかがでしょうか? 新しい命がお腹の中にいるって、神秘的でワクワクしますよね。同時に、体の変化に戸惑ったり、食事についてあれこれ気になったりすることも多い時期だと思います。
最近、健康やダイエットの方法として「糖質制限」という言葉をよく耳にするようになりましたね。テレビや雑誌、インターネットでも特集が組まれたりして、すっかりお馴染みになった感があります。「糖質を減らすと体にいいらしい」「痩せるためには糖質をカットするのが近道!」なんて情報を目にすると、「妊娠中の私も、もしかして糖質制限した方がいいのかな?」なんて考えが頭をよぎる妊婦さんもいらっしゃるかもしれません。特に、妊娠による体重増加を気にされている方や、もともと健康意識が高い方にとっては、気になるテーマですよね。
妊娠と糖質制限の気になる関係
でも、ちょっと待ってください! 実は、妊娠中の自己判断による極端な糖質制限は、お腹の赤ちゃんとママ自身の体にとって、あまりおすすめできないんです。むしろ、思わぬリスクを招いてしまう可能性もあるんですよ。
もちろん、妊娠糖尿病などで医師から食事指導を受けている場合は別です。その場合は、専門家の指導のもと、適切に血糖値をコントロールすることが最も大切です。ここで私がお伝えしたいのは、特に医学的な必要性がないにも関わらず、「なんとなく体に良さそうだから」「体重を増やしたくないから」といった理由で、自己流の厳しい糖質制限を行ってしまうことの危険性についてです。
この記事でわかること
この記事では、なぜ妊婦さんが極端な糖質制限を避けるべきなのか、その具体的な理由を4つのポイントに絞って、少し専門的な情報も交えながら、できるだけ分かりやすくお伝えしていきたいと思います。
- 赤ちゃんの発育に糖質がいかに大切か
- 「ケトン体」という物質がなぜ要注意なのか
- 糖質制限が招きやすい栄養バランスの偏り(特に便秘との関係)
- ママ自身の体調不良(低血糖)のリスク
これらの理由を知ることで、妊娠中の食事に対する不安が少しでも解消されれば嬉しいです。
なぜ今、注意が必要なの?
糖質制限自体は、特定の状況下においては有効な食事法の一つと考えられています。例えば、メタボリックシンドロームの改善や、一部の疾患の食事療法として用いられることもあります。しかし、それはあくまで特定の条件下での話。妊娠中という、女性の体にとって非常に特殊でデリケートな時期に、同じ考え方を当てはめるのは注意が必要なんです。
妊娠中は、ママの体の中で赤ちゃんという新しい命が急速に成長しています。その成長をサポートするために、ママの体は通常時とは異なる栄養バランスを必要としています。特にエネルギー源となる栄養素の需要は大きく変化します。その中でも「糖質」は、非常に重要な役割を担っているんですよ。
大切な妊娠期間だからこそ、流行やイメージに流されるのではなく、正しい知識を身につけて、あなたと赤ちゃんの健康を守ることが何よりも重要です。これからお話しする内容が、あなたの安心で健やかなマタニティライフの一助となれば幸いです。一緒に学んでいきましょう!
2. 【妊婦さんは糖質制限を避けるべき理由①】赤ちゃんの成長と糖質の大切な関係
さて、妊婦さんが極端な糖質制限を避けるべき理由、まず一つ目は、お腹の赤ちゃんの発育にとって糖質が不可欠なエネルギー源である、という点です。これは本当に、本当に大切なポイントなんですよ!
脳の発達に不可欠なブドウ糖
ママのお腹の中で、赤ちゃんは驚くべきスピードで成長しています。小さな細胞の塊から、手足ができ、臓器が形作られ、そして複雑な神経系、特に「脳」が目覚ましく発達していきます。この目覚ましい成長を支えるためには、膨大なエネルギーが必要となります。
そして、数あるエネルギー源の中でも、特に赤ちゃんの脳が主要なエネルギーとして利用するのが「ブドウ糖」なんです。ブドウ糖は、私たちが食事から摂取した炭水化物(糖質)が消化・分解されて作られる、最も基本的な糖の一種です。
ママがご飯やパン、果物などを食べて糖質を摂取すると、それは消化酵素によってブドウ糖に分解され、血液中に吸収されます。そして、そのブドウ糖は血液の流れに乗って胎盤へと運ばれ、そこからへその緒を通じて赤ちゃんへと届けられるのです。まるで、ママから赤ちゃんへの大切なエネルギーの宅急便ですね!
もし、ママが厳しい糖質制限をしてしまうと、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が低くなり、胎盤を通して赤ちゃんに届けられるブドウ糖の量も減ってしまいます。特に、脳が急速に発達する妊娠初期から中期にかけて、エネルギー源であるブドウ糖が慢性的に不足するような状況は、赤ちゃんの健やかな発育、特に脳機能の発達に影響を与えてしまう可能性がゼロではないと考えられています。もちろん、人間の体にはエネルギーを作り出すための様々なバックアップ機能がありますが、 основной (主要な)エネルギー源であるブドウ糖の供給が滞るリスクは、できる限り避けたいですよね。
どれくらいの糖質が必要なの?
「じゃあ、具体的にどれくらいの糖質を摂ればいいの?」と疑問に思いますよね。厚生労働省が策定している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、妊娠していない成人女性(18~49歳、身体活動レベルII:ふつう)の炭水化物の目標量は、1日の総エネルギー摂取量の50~65%とされています。
妊娠すると、さらにエネルギーを付加する必要があります。
- 妊娠初期(~15週):+50 kcal
- 妊娠中期(16~27週):+250 kcal
- 妊娠後期(28週~):+450 kcal
例えば、妊娠中期で1日の推定エネルギー必要量が2,300kcalの方の場合、その50~65%を炭水化物(糖質)で摂るとすると、約288~374gの炭水化物が目安となります。(※炭水化物は1gあたり約4kcalで計算。食物繊維も含むため、厳密な糖質量とは異なりますが、大まかな目安として)
これは、具体的な食品に置き換えると、どのくらいになるでしょうか? 例えば、
- ごはん(お茶碗軽く1杯:150g):約55gの糖質
- 食パン(6枚切り1枚):約27gの糖質
- うどん(1玉:250g):約52gの糖質
- バナナ(中1本):約21gの糖質
- りんご(中1個):約29gの糖質
これらを組み合わせて、1日3食+間食でバランス良く摂取していくイメージです。もちろん、これはあくまで一般的な目安であり、個々の体格や活動量、妊娠経過によって必要な量は異なります。大切なのは、極端に減らしすぎないことです。
「日本人の食事摂取基準」では、脳が必要とする最低限のブドウ糖量を考慮し、糖質の最低必要量として1日あたり100gという推定平均必要量が示されています。しかし、これはあくまで生命維持に必要な最低ラインであり、妊娠中の付加量を考えると、これよりも十分に余裕を持った摂取が推奨されます。
糖質不足が招くかもしれないこと
もし、必要量を大きく下回るような厳しい糖質制限を長期間続けると、赤ちゃんの発育にどのような影響が考えられるでしょうか?
前述の通り、脳へのエネルギー供給不足のリスクが挙げられます。また、ブドウ糖は体の細胞を作るための材料としても利用されます。糖質が不足すると、体はタンパク質を分解してエネルギーを作り出そうとすることがあります(糖新生)。しかし、タンパク質は本来、赤ちゃんの体を作るための重要な材料です。エネルギー源として使われてしまうと、本来の役割を果たせなくなり、結果的に赤ちゃんの体の成長(体重増加など)にも影響が出る可能性が考えられます。
いくつかの観察研究では、妊娠中の母親の低炭水化物食が、出生児の将来的な肥満やメタボリックシンドロームのリスク上昇と関連する可能性も示唆されています。例えば、デンマークの研究者たちが行ったコホート研究(※被験者集団を長期間追跡する研究)では、妊娠中の炭水化物摂取比率が低い母親から生まれた子供は、学童期における肥満のリスクが高まる傾向が見られたという報告もあります。ただし、これらはあくまで関連性を示唆するものであり、直接的な因果関係を証明するものではありません。また、研究デザインや対象集団によって結果が異なる場合もあるため、解釈には注意が必要です。
しかし、こうしたリスクの可能性を考慮すると、やはり妊娠中に自己判断で極端な糖質制限を行うことは避けるべきだと言えるでしょう。
エネルギー源としての糖質の役割
糖質は、単に脳のエネルギー源となるだけでなく、体全体の細胞が活動するための基本的な燃料です。筋肉を動かす、心臓を拍動させる、呼吸をする…といった生命活動のすべてにエネルギーが必要であり、糖質はその主要な供給源なのです。
妊娠中は、基礎代謝量(生命維持に必要な最低限のエネルギー)も増加しますし、お腹の赤ちゃんを育むという大仕事も加わります。そのため、通常時よりも多くのエネルギーを必要とします。この増大したエネルギー需要を満たす上で、糖質は非常に効率の良いエネルギー源と言えます。
もちろん、脂質やタンパク質もエネルギー源になりますが、特に脳にとってはブドウ糖が最も効率よく利用できるエネルギー源であること、そして体内で素早くエネルギーに変換できるという点で、糖質は妊娠中のエネルギー供給において中心的な役割を担っているのです。
赤ちゃんが元気に育つための大切なエネルギーを、ママがしっかりと届けてあげる。そのために、適量の糖質をきちんと食事から摂ることが、妊娠中の基本となるのです。
3. 【妊婦さんは糖質制限を避けるべき理由②】ケトン体の増加リスク
次に、妊婦さんが糖質制限を避けるべき理由の二つ目として、「ケトン体」の増加リスクについてお話しします。「ケトン体」って、あまり聞き慣れない言葉かもしれませんね。でも、妊娠中の糖質制限を考える上で、とても重要なキーワードなんです。
ケトン体って一体なにもの?
私たちの体は、通常、主にブドウ糖をエネルギー源として利用しています。しかし、食事からの糖質摂取が極端に少なくなったり、絶食状態が続いたりして、体内のブドウ糖が枯渇してくると、体は別のエネルギー源を探し始めます。そこで白羽の矢が立つのが「脂肪」です。
体内に蓄えられている脂肪(中性脂肪)が分解され、肝臓でエネルギー源として使える形に変換されます。この過程で生成されるのが「ケトン体」と呼ばれる物質です。ケトン体には主に、「アセト酢酸」「β-ヒドロキシ酪酸」「アセトン」の3種類があります。
ケトン体は、ブドウ糖が不足した際の代替エネルギーとして、脳を含む多くの臓器で利用されることができます。そのため、糖質制限ダイエットなどでは、「脂肪が燃焼してケトン体が作られている状態=ケトン体回路が回っている状態」として、ある意味ポジティブに捉えられることもあります。
しかし、これはあくまで通常の健康な成人の場合の話。妊娠中という特別な状況下では、このケトン体の増加が必ずしも良いこととは言えないのです。
妊娠中にケトン体が増えるとなぜ心配?
妊娠中は、もともとケトン体が生成されやすい状態にあると言われています。これは、胎児へのブドウ糖供給を優先するため、母体のエネルギー代謝が脂肪を利用しやすい方向に傾くためと考えられています。生理的な範囲でのケトン体レベルの上昇は、通常は問題ありません。
しかし、ここに極端な糖質制限が加わると、ケトン体の生成が過剰に進み、血液中のケトン体濃度が異常に高くなる「ケトーシス」という状態、さらには血液が酸性に傾く「ケトアシドーシス」という危険な状態に陥るリスクが高まります。
なぜ妊娠中の過剰なケトン体が心配なのでしょうか? それは、ケトン体が胎盤を容易に通過して、赤ちゃんにも移行すると考えられているからです。
胎児、特に発達途中の脳が、高濃度のケトン体に長期間さらされることの影響については、まだ完全には解明されていません。しかし、いくつかの懸念点が指摘されています。
-
神経発達への影響:
- 動物実験レベルでは、高濃度のケトン体が胎児の脳の発達に影響を与える可能性を示唆する報告があります。例えば、ラットを用いた研究では、妊娠中の母親にケトン食を与えた場合、生まれた子の脳の構造や機能に変化が見られたという結果があります。ただし、これがヒトにそのまま当てはまるかは不明です。
-
将来の健康リスク:
- 前述のデンマークの研究のように、母親の妊娠中の食事パターン(低炭水化物食によるケトン体産生の可能性)と、子どもの将来の健康リスク(肥満など)との関連を指摘する研究もあります。メカニズムは複雑で未解明な部分が多いですが、胎児期の環境が将来の健康に影響を与える「DOHaD(Developmental Origins of Health and Disease)学説」の観点からも注目されています。
-
母体への負担:
- 高濃度のケトン体は、母体自身の体調にも影響を与えます。吐き気や嘔吐、倦怠感、頭痛などを引き起こすことがあります。重度のケトアシドーシスに至ると、意識障害などを引き起こし、母子ともに危険な状態になる可能性もあります。
もちろん、これらのリスクは、極端な糖質制限を行った場合に高まるものであり、通常の食事をしている妊婦さんが過度に心配する必要はありません。しかし、「念のため」「少しでも体重増加を抑えたい」といった理由で安易に厳しい糖質制限に踏み切ることのリスクは、知っておく必要があります。
胎盤を通過する?最新の研究動向
ケトン体が胎盤を通過するかどうかについては、古くから研究が行われており、一般的には「通過する」と考えられています。ケトン体は比較的小さな分子であり、胎盤に存在する輸送体を介して、あるいは単純拡散によって、母体血から胎児血へと移行すると考えられています。
最近の研究では、特定のケトン体(例えばβ-ヒドロキシ酪酸)が、胎児の特定の臓器(例えば心臓)の発達において、エネルギー源やシグナル伝達物質として何らかの役割を果たしている可能性も示唆されています。しかし、それはあくまで生理的な濃度範囲での話であり、過剰な濃度になった場合の長期的な影響については、依然として不明な点が多いのが現状です。
例えば、ケンブリッジ大学の研究者らによるレビュー論文(※複数の研究結果をまとめて評価する論文)などでも、妊娠中のケトーシスが胎児の発達に及ぼす潜在的なリスクについて言及されており、さらなる研究の必要性が強調されています。
現時点での科学的なコンセンサスとしては、「妊娠中の過剰なケトン体産生は、胎児への潜在的なリスクを考慮し、避けるべきである」という方向性で一致していると言えるでしょう。
糖質制限とケトン体の生成メカニズム
もう少し詳しく、糖質制限によってなぜケトン体が増えるのか、そのメカニズムを見てみましょう。
-
血糖値の低下:
- 糖質摂取量が減ると、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が低下します。
-
インスリン分泌の低下:
- 血糖値が下がると、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌が抑制されます。インスリンには、脂肪の分解を抑制する働きもあります。
-
グルカゴン分泌の増加:
- 血糖値が下がると、血糖値を上げるホルモンであるグルカゴンの分泌が促進されます。グルカゴンは、肝臓でのグリコーゲン分解や糖新生(アミノ酸などから糖を作り出すこと)を促すとともに、脂肪分解を促進する働きがあります。
-
脂肪分解の亢進:
- インスリンが減り、グルカゴンが増えることで、体脂肪(中性脂肪)が脂肪酸とグリセロールに分解されるプロセスが活発になります。
-
脂肪酸の肝臓への流入増加:
- 分解された脂肪酸は血流に乗って肝臓へ運ばれます。
-
ケトン体の生成:
- 肝臓に取り込まれた脂肪酸は、β酸化というプロセスを経てアセチルCoAに変換されます。通常、アセチルCoAはTCA回路(クエン酸回路)というエネルギー産生経路に入りますが、糖質が不足している状況ではTCA回路の働きが低下します。その結果、行き場を失ったアセチルCoAからケトン体(アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸)が生成されるのです。アセトンはアセト酢酸から自然に生成されます。
このように、糖質の摂取量が極端に減ると、体はエネルギー源を脂肪に切り替え、その副産物としてケトン体が大量に作られることになるのです。妊娠中は、このプロセスがもともと進みやすい状態にあるため、糖質制限がその流れをさらに加速させてしまう可能性があるわけです。
ケトン体の話は少し難しかったかもしれませんが、妊娠中の極端な糖質制限は、体内で予期せぬ化学反応を引き起こし、それが赤ちゃんに影響を与える可能性がある、ということを覚えておいていただければと思います。
4. 【妊婦さんは糖質制限を避けるべき理由③】糖質制限で便秘が悪化
妊婦さんが糖質制限を避けるべき理由の三つ目は、栄養バランスの偏り、特に「食物繊維」の不足を招きやすいという点です。これは、多くの妊婦さんが悩まされる「便秘」とも深く関わってきます。
食物繊維不足と便秘の関係
妊娠すると、ホルモンバランスの変化(特に黄体ホルモンの影響)や、大きくなる子宮が腸を圧迫することなどから、便秘になりやすくなる方が少なくありません。「妊娠してから、なんだかお通じがスッキリしない…」と感じている方も多いのではないでしょうか?
便秘解消のためには、適度な運動や水分補給と並んで、「食物繊維」をしっかり摂ることがとても大切です。食物繊維は、消化・吸収されずに大腸まで届き、
- 便のカサを増やす: 不溶性食物繊維(野菜、きのこ、豆類などに多い)は、水分を吸収して膨らみ、便の量を増やして腸の蠕動(ぜんどう)運動を刺激します。
- 便を柔らかくする: 水溶性食物繊維(海藻、果物、大麦などに多い)は、水に溶けてゲル状になり、便を柔らかくして排出しやすくします。
- 腸内環境を整える: 善玉菌のエサとなり、腸内フローラ(腸内細菌叢)のバランスを改善する効果も期待できます。
さて、ここで「糖質制限」に話を戻しましょう。糖質制限をしようとすると、多くの方がまず何を減らそうと考えるでしょうか? おそらく、ごはん、パン、麺類、いも類といった「主食」に分類される食品ではないでしょうか。
確かにこれらの食品は糖質を多く含みます。しかし、同時に「食物繊維」の重要な供給源でもあるのです!
- ごはん(白米): 実は食物繊維も含まれています。玄米や雑穀米にすれば、さらに多くの食物繊維を摂ることができます。
- パン: 全粒粉パンやライ麦パンは、精白された白いパンよりも食物繊維が豊富です。
- 麺類: そばや全粒粉パスタなども食物繊維を含みます。
- いも類: さつまいもやじゃがいもも、糖質だけでなく食物繊維の良い供給源です。
つまり、糖質を制限しようとしてこれらの主食を極端に減らしてしまうと、知らず知らずのうちに食物繊維の摂取量まで大幅に減ってしまう可能性があるのです。
もともと便秘に悩まされやすい妊娠中に、食物繊維の摂取量が減ってしまうと、どうなるでしょうか? 当然、便秘はさらに悪化しやすくなります。便秘が続くと、お腹が張って苦しいだけでなく、痔の原因になったり、気分がすぐれなくなったりと、様々な不快な症状につながる可能性があります。また、強くいきむことは、妊娠中にはあまり好ましくありません。
快適なマタニティライフのためにも、便秘対策は重要です。糖質制限によって食物繊維不足を招き、便秘を悪化させてしまうリスクは、ぜひとも避けたいですよね。
糖質制限で見落としがちな栄養素
問題は食物繊維だけではありません。特定の食品群(特に主食となる穀類)を極端に制限するような糖質制限は、他の重要な栄養素の不足にもつながりかねません。
穀類は、糖質や食物繊維だけでなく、
- ビタミンB群: エネルギー代謝に不可欠なビタミンB1、B2、ナイアシン、B6、葉酸などを供給します。特に葉酸は、妊娠初期の赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを低減するために非常に重要な栄養素です。
- ミネラル: マグネシウム、亜鉛、鉄などのミネラルも含まれています。鉄分は、妊娠中に需要が高まり、不足すると貧血(妊婦貧血)の原因となります。
もちろん、これらの栄養素は他の食品(肉、魚、野菜、果物、乳製品など)からも摂取できます。しかし、主食を完全にカットしてしまうと、全体の栄養バランスを保つのが難しくなることがあります。
例えば、「糖質さえ制限すれば、あとは何を食べてもいい」と考えて、お肉やチーズばかり食べるような極端な糖質制限(ケトジェニックダイエットに近いもの)を行った場合、確かに糖質は抑えられますが、食物繊維や一部のビタミン・ミネラルが不足し、一方で飽和脂肪酸や塩分の摂取量が過剰になる可能性があります。
妊娠中は、特定の栄養素だけを過不足なく摂れば良いというわけではなく、様々な栄養素をバランス良く摂取することが、ママ自身の健康維持と赤ちゃんの健やかな発育のために不可欠です。糖質制限という一面的なアプローチは、この「栄養バランス」という大切な視点を見落としがちになる危険性をはらんでいるのです。
バランスの良い食事ってどんなもの?
では、妊娠中に推奨される「バランスの良い食事」とは、具体的にどのようなものでしょうか? 日本で昔から推奨されているのが、「一汁三菜」を基本とした食事スタイルです。
- 主食: ごはん、パン、麺類など。エネルギー源となる糖質や、食物繊維の供給源。適量を摂ることが大切。玄米や雑穀米、全粒粉パンなどを取り入れると、ビタミン、ミネラル、食物繊維をより多く摂取できます。
- 主菜: 肉、魚、卵、大豆製品など。体を作るもとになるタンパク質や脂質、鉄などのミネラル、ビタミン類の供給源。偏りなく色々な種類の食品を選びましょう。
- 副菜: 野菜、きのこ、海藻など。体の調子を整えるビタミン、ミネラル、食物繊維の供給源。緑黄色野菜と淡色野菜を組み合わせて、たっぷりと摂ることが理想です。
- 汁物: 味噌汁やスープなど。水分補給に加え、具材によっては野菜や海藻などを補うことができます。ただし、塩分の摂りすぎには注意が必要です。
- その他: 牛乳・乳製品や果物も、カルシウムやビタミンCなどの供給源として、適量を食事や間食に取り入れましょう。
このように、様々な食品群を組み合わせることで、必要な栄養素を過不足なく摂取することができます。「〇〇だけを食べる」「〇〇は絶対に食べない」といった極端な食事法ではなく、多様な食材を楽しみながら、彩り豊かな食卓を目指すことが、結果的に栄養バランスを整えることにつながります。
穀類の持つ大切な役割
糖質制限の文脈では、しばしば「悪者」扱いされがちな穀類ですが、私たちの食生活において非常に重要な役割を担っています。
- 効率的なエネルギー源: 活動のためのエネルギーを効率よく供給してくれます。
- 食物繊維の供給: 腸内環境を整え、便秘を予防・改善します。
- ビタミン・ミネラルの供給: 特に未精製の穀類(玄米、全粒粉など)は、ビタミンB群やミネラルを豊富に含みます。
- 食事の満足感: 主食があることで、食事全体の満足感や腹持ちが良くなります。
もちろん、食べ過ぎは体重増加や血糖値の上昇につながるため、適量を守ることは大切です。しかし、完全に排除してしまうのではなく、自分の活動量や体調に合わせて適切な量を摂取することが、妊娠中の健康的な食生活の基本と言えるでしょう。
糖質制限を行うことで、大切な食物繊維やその他の栄養素まで不足させてしまうリスクがあること、そしてバランスの取れた食事の重要性を、ぜひ覚えておいてくださいね。
5. 【妊婦さんは糖質制限を避けるべき理由④】妊婦の糖質制限と低血糖のリスク
妊婦さんが糖質制限を避けるべき理由の四つ目は、「低血糖」のリスクです。妊娠中にめまいやふらつきを感じやすくなる方は少なくありませんが、その原因の一つとして低血糖が考えられます。そして、厳しい糖質制限は、この低血糖を引き起こす大きな要因となり得るのです。
妊娠中の血糖値は変動しやすい
まず、妊娠中は血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が通常時よりも変動しやすくなる、ということを知っておきましょう。これにはいくつかの理由があります。
-
胎児へのブドウ糖供給:
- ママの血液中のブドウ糖は、常に胎盤を通して赤ちゃんに供給されています。そのため、特に空腹時には血糖値が下がりやすくなる傾向があります。
-
インスリン抵抗性の変化:
- 妊娠中期以降、胎盤から分泌されるホルモン(ヒト胎盤ラクトーゲンなど)の影響で、「インスリン抵抗性」が高まります。これは、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが効きにくくなる状態です。これにより、食後の血糖値は上がりやすくなる一方、インスリンの分泌量が増えることで、逆に食間や空腹時に血糖値が下がりすぎてしまう(反応性低血糖)ことも起こり得ます。
-
基礎代謝の亢進:
- 妊娠中は基礎代謝量が増え、エネルギー消費量が多くなるため、ブドウ糖が消費されやすくなります。
このように、妊娠中の体は、血糖値を一定に保つための調節機能が通常時とは異なり、やや不安定な状態にあると言えます。つわりで食事が十分に摂れない時期なども、低血糖を起こしやすい状況と言えるでしょう。
低血糖の具体的な症状とは?
では、実際に低血糖になると、どのような症状が現れるのでしょうか? 血糖値が下がりすぎると、体は危険信号として様々なサインを出します。
-
初期症状(血糖値がおよそ70mg/dL以下):
- 強い空腹感
- 冷や汗
- 手指の震え
- 動悸(心臓がドキドキする)
- 不安感
- 顔面蒼白
-
進行した症状(血糖値がおよそ50mg/dL未満):
- めまい、ふらつき
- 脱力感、倦怠感
- 生あくび
- 集中力の低下
- 眠気
- 頭痛
- 目のかすみ
- ろれつが回らない
-
重度の症状(さらに血糖値が低下):
- 異常な行動
- けいれん
- 意識消失、昏睡
これらの症状は、血糖値が下がるスピードや、その人の状態によって現れ方が異なります。軽い症状のうちに対処できれば回復しますが、重度の低血糖は非常に危険な状態です。
妊娠中に、もしあなたが「急に強い空腹感や冷や汗を感じる」「立ち上がるとクラっとする」「なんだか力が入らない」といった症状を感じたら、それは低血糖のサインかもしれません。特に、空腹時や食後にこのような症状が頻繁に起こる場合は注意が必要です。
なぜ糖質制限で低血糖になるの?
もともと血糖値が変動しやすい妊娠中に、さらに厳しい糖質制限を行うと、低血糖のリスクは当然高まります。
食事から摂取する糖質の量が極端に少ないと、血液中に供給されるブドウ糖の量が不足し、血糖値が正常範囲(一般的に空腹時血糖値は70~109mg/dL)を下回ってしまうのです。特に、食事と食事の間隔が空いた時や、活動量が多い時などに低血糖を起こしやすくなります。
また、糖質制限によってインスリン分泌が抑制される一方で、体がエネルギー不足を補おうとして他のホルモン(グルカゴンやアドレナリンなど)を分泌します。これらのホルモンは血糖値を上げようとしますが、糖質の供給がなければ効果は限定的です。むしろ、アドレナリンなどのストレスホルモンの影響で、動悸や冷や汗といった低血糖症状が強く現れることもあります。
低血糖によるめまいやふらつきは、転倒のリスクにもつながります。お腹が大きくなっている妊婦さんにとって、転倒は非常に危険です。また、意識が朦朧とするような重度の低血糖は、母体だけでなく、お腹の赤ちゃんへの酸素供給などにも影響を及ぼす可能性があり、絶対に避けなければなりません。
安全な血糖コントロールのために
「でも、妊娠糖尿病と診断されたり、血糖値が高めだと言われたりした場合は、糖質を制限しないといけないのでは?」と心配される方もいらっしゃるでしょう。
おっしゃる通り、妊娠糖尿病や、もともと糖尿病をお持ちの方が妊娠した場合(糖尿病合併妊娠)は、血糖値を適切にコントロールすることが、母子双方の合併症を予防するために非常に重要です。高血糖状態が続くと、巨大児、新生児低血糖、妊娠高血圧症候群などのリスクが高まります。
しかし、その場合でも、自己判断で極端な糖質制限を行うのは絶対にやめてください。妊娠中の血糖コントロールは非常にデリケートであり、専門的な知識と管理が必要です。
必ず、かかりつけの産婦人科医や、必要であれば糖尿病専門医、そして管理栄養士の指導のもとで、食事療法や、場合によってはインスリン療法などを行う必要があります。
専門家は、あなたの妊娠週数、体重、活動量、血糖値の変動パターンなどを考慮し、
- 適切なエネルギー摂取量
- バランスの取れた栄養素(PFCバランス:タンパク質・脂質・炭水化物の比率)
- 1日の糖質摂取量の目安
- 食事の回数やタイミング(分割食など)
- 血糖値の変動を緩やかにする食品の選び方や食べ方
などについて、具体的なアドバイスをしてくれます。
例えば、一度にたくさんの糖質を摂るのではなく、1日の食事を4~6回に分けて食べる「分割食」を指導されることがあります。これにより、食後の急激な血糖上昇と、その後の急降下(低血糖)を防ぐことができます。また、食物繊維の多い野菜から先に食べる「ベジファースト」や、玄米、全粒粉パンなど血糖値の上昇が緩やかな(低GI)食品を選ぶといった工夫も有効です。
血糖値が気になる方も、そうでない方も、妊娠中の食事管理の基本は「極端な制限」ではなく「適切なコントロール」です。そして、そのコントロールは、必ず専門家のサポートのもとで行うようにしましょう。
ママ自身の安全と、お腹の赤ちゃんの健やかな成長のために、低血糖のリスクを招くような自己流の厳しい糖質制限は避け、安心して過ごせる食生活を心がけてくださいね。
6. 【まとめ】妊婦さんはバランス第一!自己判断の糖質制限ではなく適切な食事を
さて、ここまで妊婦さんが自己判断で極端な糖質制限を避けるべき理由を4つの角度から詳しく見てきました。
- 赤ちゃんの発育に必須のエネルギー源(ブドウ糖)が不足するリスク
- 胎児への影響が懸念される「ケトン体」が増加するリスク
- 食物繊維不足による便秘悪化や、栄養バランスが偏るリスク
- ママ自身の「低血糖」を引き起こすリスク
これらの点から、糖質は妊娠中のあなたと赤ちゃんにとって、決して「悪者」ではなく、非常に大切な栄養素であることがお分かりいただけたかと思います。「制限しなきゃ!」と神経質になるのではなく、体が必要としているものを、適切な量だけきちんと届けてあげることが重要なんですね。
極端な制限よりバランスを重視
「じゃあ、結局どうすればいいの?」「どのくらいの糖質を摂るのが『適切』なの?」と、具体的なところが気になりますよね。
一番大切なのは、何度も繰り返してきたように「極端な制限をしない」そして「バランスを重視する」ということです。
特定の食品や栄養素だけを極端に減らしたり、逆に増やしたりするのではなく、様々な食品を組み合わせて、体に必要な栄養素を過不足なく摂取することを目指しましょう。
そのための基本となるのが、やはり「主食・主菜・副菜」をそろえた食事です。
- 主食(ごはん、パン、麺類など): 体と脳のエネルギー源となる糖質を供給します。適量をきちんと食べましょう。白米だけでなく、玄米や雑穀米、全粒粉パンなどを取り入れると、食物繊維やビタミン、ミネラルも一緒に摂れて一石二鳥です。
- 主菜(肉、魚、卵、大豆製品など): 赤ちゃんやママの体を作るタンパク質や、大切な脂質、鉄分などを供給します。脂肪の少ない赤身肉を選んだり、魚(特に青魚にはDHAやEPAも豊富)を積極的に取り入れたり、豆腐や納豆などの大豆製品も活用しましょう。
- 副菜(野菜、きのこ、海藻など): 体の調子を整えるビタミン、ミネラル、そして便秘予防に欠かせない食物繊維を供給します。毎食、両手に乗るくらいの量を目安に、色々な種類の野菜をたっぷり摂るように心がけましょう。
これに加えて、カルシウム源となる牛乳・乳製品や、ビタミンCなどを補給できる果物を、1日の食事や間食にうまく取り入れていくと、さらにバランスが整います。
「適量」を知るためのヒント
「適量」と言っても、なかなか分かりにくいですよね。先ほど【理由①】で少し触れましたが、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、妊娠時期に応じたエネルギー付加量が示されています。
- 妊娠初期:+50 kcal
- 妊娠中期:+250 kcal
- 妊娠後期:+450 kcal
この付加量を考慮した上で、炭水化物からのエネルギー摂取比率を50~65%の範囲に収めるのが一つの目安となります。
例えば、妊娠前(非妊娠時)に1日2000kcal程度の食事を摂っていた方であれば、
- 妊娠中期なら:2000 + 250 = 2250 kcal
- 妊娠後期なら:2000 + 450 = 2450 kcal
が1日のエネルギー摂取量の目安となります。このうちの50~65%を炭水化物で摂るとすると、
- 妊娠中期(2250kcal)なら:約281~366 g の炭水化物
- 妊娠後期(2450kcal)なら:約306~398 g の炭水化物
となります。(※あくまで目安です。炭水化物1g=4kcalで計算)
これを毎食のごはんに換算すると、1食あたりお茶碗に軽く1杯~普通盛り1杯程度(150g~200g程度)を3食食べるようなイメージでしょうか。もちろん、パンや麺類、いも類、果物など他の食品からも糖質は摂取しますので、全体のバランスを見ながら調整することが大切です。
体重の増え方を見ながら、主食の量を少し調整するのは問題ありません。例えば、「最近ちょっと体重が増えすぎかな?」と感じたら、おやつを控えめにしたり、夕食のごはんの量を少し減らしてみたり、といった微調整は良いでしょう。しかし、「糖質は一切摂らない!」といった極端な方法は避けてください。
不安なときは専門家に相談しよう
妊娠中の食事や体重管理については、色々な情報があって、何が正しいのか分からなくなってしまうこともありますよね。「私の食べ方で大丈夫かな?」「体重が増えすぎじゃないか心配…」「血糖値が高めと言われたけど、どうしたらいい?」など、少しでも不安や疑問を感じたら、どうか一人で抱え込まず、自己判断で極端な方法に走る前に、必ず専門家に相談してください。
- かかりつけの産婦人科医: まずは、あなたの妊娠経過を一番よく知っている主治医に相談しましょう。体重増加のペースや、妊娠糖尿病のスクリーニング検査の結果などに基づいて、必要なアドバイスをしてくれます。
- 管理栄養士: 病院によっては、栄養相談室があり、管理栄養士さんからより具体的な食事指導を受けることができます。あなたの食生活の状況を詳しく聞き取り、実現可能でバランスの取れた食事プランを一緒に考えてくれます。「こんなものが食べたいんだけど、どう取り入れたらいい?」「外食が多いんだけど、どんなメニューを選べばいい?」といった具体的な質問にも答えてもらえますよ。
- 助産師: 地域の保健センターや産院の助産師さんも、妊娠中の生活や食事に関する相談に乗ってくれます。医学的な判断はできませんが、経験に基づいた実践的なアドバイスや、精神的なサポートをしてくれる心強い存在です。
専門家は、あなたの体の状態やライフスタイルに合わせた、科学的根拠に基づいた適切な情報を提供してくれます。「こんなこと聞いてもいいのかな?」なんて遠慮せず、気軽に相談してみてくださいね。
安心してマタニティライフを楽しむために
妊娠期間は、女性の人生の中でも特別な時間です。お腹の中で新しい命が育っていく喜びを感じながら、できるだけ心穏やかに、そして健やかに過ごしたいですよね。
食事は、そのための大切な基盤です。流行りのダイエット法や不確かな情報に惑わされず、「バランスの取れた食事を、適量、楽しんで食べる」ことを基本に、安心してマタニティライフを送っていただきたいと思います。
糖質は、決して敵ではありません。あなたと赤ちゃんにとって、大切なエネルギー源であり、健やかな成長を支える仲間です。上手に付き合って、美味しく、楽しく栄養を摂り、来るべき日に備えて、元気な赤ちゃんを迎える準備を進めていきましょう!
あなたのマタニティライフが、幸せと喜びに満ちたものになることを、心から願っています!

大学を卒業後、酒類・食品の卸売商社の営業を経て2020年2月に株式会社ブレーンコスモスへ入社。現在は「無添加ナッツ専門店 72」のバイヤー兼マネージャーとして世界中を飛び回っている。趣味は「仕事です!」と即答してしまうほど、常にナッツのことを考えているらしい。