アーモンド
アーモンドのビタミン全解説!美容と健康効果UP
2025.04.07
「アーモンドのビタミンって、具体的に何がどれくらい入っているの?」そんな知的好奇心旺盛なあなたへ。アーモンドは、抗酸化作用で知られるビタミンEの宝庫。さらに、エネルギー代謝を助けるビタミンB群も豊富に含んでいます。
この記事では、アーモンドに含まれるビタミンの種類や含有量、そして私たちの体への嬉しい働きを徹底解説。日々の食生活に役立つ知識が得られるはずです。
1. アーモンドの美容ビタミン代表!「ビタミンE」の抗酸化力と、ちょっとマニアックな話
若々しさを保つためのお手伝いをしてくれる栄養素として、よく耳にするのが「ビタミンE」ですよね。実は、アーモンドにはこのビタミンEがナッツ類の中でも特に豊富に含まれているんです!まさに「美容ビタミン」の代表格と言えるでしょう。でも、単に「抗酸化作用がある」というだけでは、その魅力の半分も伝えきれていません。ここでは、アーモンドに含まれるビタミンEのすごさと、その働きについて、ちょっぴりマニアックな視点も交えながら深掘りしていきますね。
ビタミンEの驚異的な含有量
アーモンドに含まれるビタミンEの量は、他のナッツ類と比較しても際立っています。例えば、文部科学省が公表している「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」によると、乾燥アーモンド100gあたりに含まれるα-トコフェロール(ビタミンEの一種)の量は、なんと約29.0mg!これは、くるみ(約1.8mg/100g)やカシューナッツ(約0.7mg/100g)、マカダミアナッツ(約0.5mg/100g)などと比べても非常に多い数値です。もちろん、食品に含まれる栄養素の量は、品種や栽培条件、加工方法によっても変動しますが、アーモンドがビタミンEを豊富に含む食品であることは間違いありません。
普段の食事でこれだけのビタミンEを意識して摂るのはなかなか大変ですが、アーモンドなら手軽に取り入れられるのが嬉しいポイントですよね。例えば、一般的に推奨される間食の目安とされる約23粒(約30g)のアーモンドを食べるだけで、成人女性の1日のビタミンE摂取目安量(日本人の食事摂取基準2020年版では、成人女性で5.0~6.0mg/日 α-トコフェロール)の多くをカバーできる可能性があるんです。もちろん、これはあくまで目安であり、他の食事とのバランスも大切ですが、アーモンドがビタミンE補給の優れた選択肢であることはお分かりいただけるのではないでしょうか。
α-トコフェロールの秘密
ビタミンEと一口に言っても、実はいくつかの種類(トコフェロール類とトコトリエノール類があり、それぞれにα、β、γ、δの4種類)が存在します。その中でも、アーモンドに主に含まれているのは「α-トコフェロール」という形です。このα-トコフェロールは、人間にとって最も生理活性が高い、つまり体内で効率よく利用されやすい形のビタミンEとして知られています。
なぜα-トコフェロールが重要なのでしょうか?それは、私たちの体内に存在するビタミンEの約90%がこのα-トコフェロールだからです。体は、食事から摂取した様々な形のビタミンEの中から、優先的にこのα-トコフェロールを選択して血中に送り出し、各組織へ運搬する仕組みを持っています。具体的には、肝臓にある「α-トコフェロール輸送タンパク質(α-TTP)」というものが、α-トコフェロールを特異的に認識し、リポタンパク質(VLDL)に取り込ませることで、全身へと効率よく供給しているのです。このメカニズムがあるからこそ、アーモンドに含まれるα-トコフェロールは、私たちの体でそのパワーを存分に発揮してくれるんですね。まさに、体が求める形でビタミンEを摂取できる、というわけです。
細胞膜を守るメカニズム
ビタミンEの最も重要な働きとして知られているのが「抗酸化作用」です。私たちの体は、呼吸によって酸素を取り込み、エネルギーを作り出す過程で、一部が「活性酸素」という物質に変化します。この活性酸素は、適量であれば細胞間の情報伝達や免疫機能など、体にとって有益な働きもするのですが、過剰に発生すると、細胞や遺伝子を傷つけ、老化や様々な病気の引き金になると考えられています。
ビタミンEは、特に細胞膜の酸化を防ぐのに重要な役割を果たします。細胞膜は、主に脂質(リン脂質など)でできており、活性酸素による酸化のダメージを受けやすい部分です。ビタミンEは脂溶性ビタミンであるため、この脂質の多い細胞膜によく溶け込み、まるで盾のように活性酸素の攻撃から細胞膜を守ってくれるのです。具体的には、ビタミンE自身が活性酸素と反応して酸化されることで、細胞膜の脂質が酸化されるのを防ぎます(これを「ラジカル捕捉作用」と呼びます)。そして、酸化されたビタミンEは、ビタミンCなどの他の抗酸化物質によって再生され、再び抗酸化力を発揮するという、非常に効率的なサイクルも存在すると言われています。この働きによって、細胞の健康が保たれ、ひいては体全体の健康維持に繋がるのです。
美肌への具体的な効果
ビタミンEの抗酸化作用は、特に私たちの肌にとって嬉しい効果がたくさん期待できます。肌の老化の大きな原因の一つが、紫外線やストレスなどによって発生する活性酸素によるダメージです。ビタミンEは、この活性酸素から肌細胞を守ることで、シミやシワ、たるみといった肌トラブルの予防に役立つと考えられています。
さらに、ビタミンEには血行を促進する作用もあると言われています。皮膚の毛細血管の血流が良くなることで、肌細胞に必要な酸素や栄養素が隅々まで行き渡りやすくなり、新陳代謝(ターンオーバー)が活発になります。これにより、肌のくすみが改善されたり、肌のバリア機能が高まったりする効果も期待できるでしょう。また、肌の乾燥を防ぎ、うるおいを保つ働きも報告されています。まさに、内側から輝くような健康的な肌を目指すためには、欠かせないビタミンと言えますね。アーモンドを毎日の食生活に取り入れることで、この素晴らしい美容ビタミンEを手軽に補給し、健やかな美肌作りをサポートしてみてはいかがでしょうか。
2. 元気ハツラツの源!アーモンドで摂る「ビタミンB2」がエネルギー代謝と皮膚の健康をサポートする仕組み
「なんだか最近、疲れが取れにくいな…」「口内炎ができやすいかも…」そんなお悩みを抱えているあなた、もしかしたらビタミンB2が不足しているサインかもしれません。実は、私たちの元気とキレイを支える重要な栄養素である「ビタミンB2(リボフラビン)」も、アーモンドに含まれているんです。このビタミンB2は、私たちが食事から摂った栄養素をエネルギーに変えるために不可欠な存在。そして、皮膚や粘膜の健康を守る上でも大切な役割を担っています。ここでは、アーモンドで摂れるビタミンB2が、どのように私たちの体をサポートしてくれるのか、その仕組みを詳しく見ていきましょう。
エネルギー代謝の立役者
私たちが毎日元気に活動するためには、エネルギーが必要です。そのエネルギー源となるのが、食事から摂取する糖質、脂質、たんぱく質の「三大栄養素」です。しかし、これらの栄養素は、そのままではエネルギーとして利用できません。体内で様々な化学反応を経て、エネルギーの「通貨」とも言えるATP(アデノシン三リン酸)という物質に変換される必要があります。
ビタミンB2は、このエネルギー代謝の過程で、補酵素として非常に重要な働きをします。具体的には、ビタミンB2は体内で「FMN(フラビンモノヌクレオチド)」や「FAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)」という補酵素に変換されます。これらの補酵素は、糖質、脂質、たんぱく質が分解されてエネルギーを生み出す際に起こる酸化還元反応(電子の受け渡しを伴う反応)に深く関わっています。特に脂質の代謝には不可欠で、脂肪酸がエネルギーに変わるのをスムーズにサポートします。つまり、ビタミンB2が不足すると、これらの栄養素を効率よくエネルギーに変えることができなくなり、結果として「疲れやすい」「だるい」といった症状が現れやすくなるのです。アーモンドを食べることで、この大切なエネルギー代謝をサポートするビタミンB2を補給できるのは嬉しいですね。
美しい皮膚と粘膜のために
ビタミンB2は、「発育のビタミン」とも呼ばれ、細胞の再生や成長を促す働きがあります。この働きは、特に新陳代謝が活発な皮膚や粘膜の健康維持にとって非常に重要です。私たちの皮膚や口の中、目などの粘膜は、常に新しい細胞に入れ替わることで、その健康な状態を保っています。ビタミンB2が不足すると、この細胞の再生がスムーズに行われなくなり、様々なトラブルが現れやすくなります。
例えば、口内炎や口角炎、舌炎といった口周りの炎症は、ビタミンB2不足の代表的なサインの一つです。また、肌荒れや脂漏性皮膚炎(皮脂の分泌が多い部分にできる湿疹)、目の充血や疲れ目なども、ビタミンB2の不足が関係している場合があります。これらの症状は、単に見た目の問題だけでなく、食事の際にしみたり、不快感を伴ったりと、QOL(生活の質)を低下させる原因にもなりかねません。アーモンドに含まれるビタミンB2は、こうした皮膚や粘膜のトラブルを予防し、健康な状態を保つためのお手伝いをしてくれるのです。健やかな肌と粘膜は、美容面だけでなく、外からの刺激や細菌の侵入を防ぐバリア機能としても重要ですから、ビタミンB2はしっかりと摂りたい栄養素ですね。
アーモンドからの効率的な摂取
アーモンドには、ビタミンB2も含まれています。文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」によると、乾燥アーモンド100gあたり約1.21mgのビタミンB2が含まれています。これは、例えば鶏卵(全卵、生)100gあたり約0.37mg、牛乳(普通牛乳)100gあたり約0.15mgと比較しても、優れた供給源の一つと言えるでしょう。
ビタミンB2は水溶性のビタミンなので、一度にたくさん摂取しても、余分なものは尿として排出されてしまいます。そのため、毎日こまめに摂取することが大切です。アーモンドをおやつとして取り入れたり、サラダやヨーグルトのトッピングに加えたりすることで、手軽にビタミンB2を補給することができます。また、ビタミンB2は光に弱い性質があるので、アーモンドを保存する際は、光を通しにくい密閉容器に入れ、冷暗所に保管するのがおすすめです。さらに、ビタミンB2は他のビタミンB群(ビタミンB1、B6、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、ビタミンB12)と協力して働くことが多いので、バランスの取れた食事を心がけることも重要です。アーモンドには、これらのビタミンB群も少量ながら含まれているため、そういった点でも効率的な食品と言えるかもしれませんね。
ビタミンB2不足のサインとは?
ビタミンB2が不足すると、体に様々なサインが現れることがあります。初期の症状としては、口内炎、口角炎(唇の両端が切れる)、舌炎(舌が赤く腫れたり、ヒリヒリしたりする)などがよく見られます。また、目に関しては、目の充血、かゆみ、疲れやすさ、光に過敏になるなどの症状が現れることもあります。
皮膚の症状としては、肌荒れ、ニキビの悪化、脂漏性皮膚炎(鼻の周りや頭皮などにフケのようなものができ、赤くなる)、手足の皮膚炎などが起こりやすくなります。さらに、成長期の子どもでは、成長障害が見られることもあります。これらの症状は、ビタミンB2の不足だけでなく、他の要因も関係している場合があるため、気になる症状が続く場合は自己判断せず、医師や専門家に相談することが大切です。しかし、普段からバランスの取れた食事を心がけ、アーモンドのようなビタミンB2を含む食品を意識して摂ることで、これらの不快なサインの予防に繋がる可能性があります。毎日の小さな積み重ねが、元気で健康な体を作る基本となるのです。
3. めぐりを整えて、心も体もスッキリ!アーモンドに含まれる「ナイアシン(ビタミンB3)」の意外な効果とは?
「ナイアシン」と聞いても、あまりピンとこない方もいらっしゃるかもしれませんね。ビタミンCやビタミンEといったメジャーなビタミンに比べると、少し知名度が低いかもしれませんが、実はこのナイアシン(ビタミンB3とも呼ばれます)も、私たちの健康維持に欠かせない重要な栄養素なんです。そして嬉しいことに、美味しいアーモンドにもこのナイアシンが含まれています!ナイアシンは、体内でエネルギーを作り出すお手伝いをしたり、皮膚や粘膜を健やかに保ったりするだけでなく、血行を良くする働きもあると言われています。さらには、二日酔いの予防にも一役買っているかもしれない、なんていう意外な一面も持っているんですよ。今回は、アーモンドで摂れるナイアシンの働きと、その知られざる魅力についてご紹介します。
エネルギー生成のサポート役
ナイアシンは、ビタミンB群の仲間であり、エネルギー代謝において非常に重要な役割を担っています。具体的には、ナイアシンは体内で「NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)」や「NADP(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)」という補酵素に変換されます。これらの補酵素は、糖質、脂質、たんぱく質からエネルギーを取り出す際に必要な、様々な酵素の働きを助けます。その数はなんと数百種類にも及ぶと言われており、ナイアシンがなければ、私たちの体は食べたものから効率よくエネルギーを作り出すことができません。
特に、NADは細胞の「エネルギー工場」とも呼ばれるミトコンドリア内でのエネルギー産生に不可欠です。私たちが活動的でいられるのも、このナイアシンがしっかりと働いてくれているおかげと言えるでしょう。もしナイアシンが不足すると、エネルギーがうまく作られず、疲労感やだるさ、食欲不振といった症状が現れることがあります。アーモンドを食生活に取り入れることで、このエネルギー代謝を円滑にするナイアシンを補給し、毎日の活力をサポートすることができるのです。
皮膚と粘膜の健康維持
ナイアシンは、皮膚や粘膜の健康を保つためにも大切なビタミンです。ビタミンB2と同様に、細胞の新陳代謝を助け、皮膚や粘膜が正常な状態を維持できるようにサポートします。ナイアシンが不足すると、皮膚に炎症が起こりやすくなったり、口内炎や舌炎、消化管の不調などが現れたりすることがあります。
特に、ナイアシンの欠乏症として知られているのが「ペラグラ」という病気です。ペラグラの主な症状は、皮膚炎(日光に当たる部分に発疹ができる)、下痢、そして認知症(精神神経症状)の3つで、「3D」とも呼ばれます。現代の日本では、通常の食生活を送っていれば重度のペラグラになることは稀ですが、偏った食事やアルコールの多飲などによって、ナイアシンが不足気味になる可能性はあります。アーモンドに含まれるナイアシンは、美しい肌や健康な粘膜を維持し、こうしたトラブルを未然に防ぐための一助となってくれるでしょう。美容と健康の両面から、ナイアシンは私たちの強い味方なのです。
血行促進で体ポカポカ?
ナイアシンには、血管を拡張させて血行を促進する作用があると言われています。これにより、体の隅々まで血液が行き渡りやすくなり、冷え性の改善や肩こりの緩和などに繋がる可能性が期待されています。ナイアシンの一種であるニコチン酸を大量に摂取すると、皮膚が赤くなったり、かゆみが出たりする「ナイアシンフラッシュ」という現象が起こることがありますが、これは血管が拡張している証拠とも言えます(ただし、サプリメントなどで高用量を摂取する場合に起こりやすく、食品からの摂取では通常起こりにくいとされています)。
血行が良くなるということは、細胞に必要な酸素や栄養素が効率よく届けられ、老廃物がスムーズに排出されることにも繋がります。これにより、新陳代謝が活発になり、疲労回復を早める効果も期待できるかもしれません。アーモンドを食べることで、この血行促進作用を持つナイアシンを適度に摂取し、体のめぐりを良くして、心も体もスッキリと軽やかに過ごせるようサポートしてみてはいかがでしょうか。特に冷えを感じやすい方にとっては、嬉しい効果かもしれませんね。
二日酔いにも期待?ナイアシンの意外な一面
お酒を飲んだ翌日のつらい二日酔い。実は、ナイアシンがその予防や軽減に関わっているかもしれない、という話があるんです。アルコールが体内で分解される過程で、「アセトアルデヒド」という有害な物質が生成されます。このアセトアルデヒドが、頭痛や吐き気といった二日酔いの不快な症状の主な原因と考えられています。
ナイアシンから作られる補酵素NADは、このアセトアルデヒドをさらに分解して無害な酢酸に変える酵素(アセトアルデヒド脱水素酵素)の働きを助ける役割があります。つまり、ナイアシンが十分に足りていると、アセトアルデヒドの分解がスムーズに進み、二日酔いの症状が軽減される可能性があるのです。もちろん、お酒の飲み過ぎは禁物ですし、ナイアシンだけで二日酔いが完全に防げるわけではありませんが、お酒を飲む機会が多い方は、日頃からナイアシンを意識して摂取しておくと良いかもしれませんね。アーモンドをおつまみの一つとして取り入れるのも、美味しくナイアシンを補給する一つの方法と言えるでしょう。こんな意外なところでも、ナイアシンは私たちの体をサポートしてくれているのです。
4. ストレス社会の味方?アーモンドの「パントテン酸(ビタミンB5)」が持つ驚くべき抗ストレス作用
毎日、仕事や家事、人間関係など、私たちは様々なストレスに囲まれて生活していますよね。そんなストレス社会で頑張るあなたに、ぜひ知っておいてほしいのが「パントテン酸(ビタミンB5)」という栄養素です。実は、このパントテン酸もアーモンドに含まれていて、私たちの心と体の健康をサポートしてくれる頼もしい味方なんです。パントテン酸は、ストレスと戦うために必要なホルモンの合成を助ける働きがあり、さらに免疫力を高めることにも関わっていると言われています。ここでは、アーモンドで摂れるパントテン酸が持つ驚くべき抗ストレス作用や、その他の重要な働きについて、少しマニアックな情報も交えながら詳しくご紹介します。
抗ストレスホルモンとパントテン酸
私たちがストレスを感じると、体はそれに対抗するために様々な反応を示します。その一つが、副腎皮質から分泌される「コルチゾール」などの「抗ストレスホルモン(副腎皮質ホルモン)」の産生です。これらのホルモンは、血糖値を上げたり、炎症を抑えたりすることで、体がストレス状態に適応できるように助けます。
パントテン酸は、この抗ストレスホルモンの合成に不可欠な役割を果たしています。具体的には、パントテン酸は体内で「補酵素A(CoA)」という物質に変換されます。この補酵素Aは、コレステロールから副腎皮質ホルモンが作られる過程で、非常に重要な働きをするのです。つまり、パントテン酸が不足すると、抗ストレスホルモンの合成がスムーズに行われなくなり、ストレスに対する抵抗力が弱まってしまう可能性があります。慢性的なストレスにさらされている現代人にとって、パントテン酸はまさに「縁の下の力持ち」として、ストレスと戦う力を与えてくれるビタミンと言えるでしょう。アーモンドを毎日の食生活に取り入れることで、この大切なパントテン酸を補給し、ストレスに負けない体づくりをサポートすることができます。
免疫力を高める働き
パントテン酸は、抗ストレスホルモンの合成だけでなく、私たちの体を病原体から守る「免疫システム」にも深く関わっています。免疫システムが正常に機能するためには、様々な免疫細胞が活発に働き、必要に応じて抗体を作り出す必要があります。
パントテン酸は、この免疫抗体の産生を助ける働きがあると言われています。抗体は、体内に侵入してきた細菌やウイルスなどの異物を特異的に認識し、排除するためのタンパク質です。パントテン酸が不足すると、抗体の産生能力が低下し、感染症にかかりやすくなったり、回復が遅れたりする可能性があります。また、パントテン酸は、免疫細胞の一種であるリンパ球の働きを活性化させるという報告もあります。ストレスは免疫力を低下させる大きな要因の一つですが、パントテン酸を十分に摂取することで、ストレスによる免疫力の低下を和らげ、体を守る力を高める効果が期待できるのです。アーモンドを食べることで、パントテン酸を手軽に補給し、日々の健康維持に役立てたいですね。
エネルギー生成にも関与
パントテン酸から作られる補酵素A(CoA)は、抗ストレスホルモンの合成だけでなく、実はエネルギー代謝においても非常に重要な役割を担っています。ビタミンB2やナイアシンと同様に、パントテン酸も糖質、脂質、たんぱく質の三大栄養素がエネルギーに変換される過程で、補酵素として働きます。
特に、補酵素Aは「クエン酸回路(TCA回路)」と呼ばれるエネルギー産生の中心的経路において、アセチルCoAという形で関与しています。アセチルCoAは、糖質や脂質、一部のアミノ酸が分解されてできる物質で、クエン酸回路に入るための「入場券」のようなものです。この回路がスムーズに回ることで、私たちは活動に必要なATP(エネルギー)を効率よく作り出すことができます。パントテン酸が不足すると、このエネルギー産生の流れが滞り、疲労感や倦怠感を感じやすくなる可能性があります。ストレス対策だけでなく、日々の活力を維持するためにも、パントテン酸は欠かせないビタミンなのです。アーモンドには、このエネルギー生成をサポートするパントテン酸も含まれているため、元気な毎日を送るための強い味方になってくれます。
アーモンドで手軽に補給
パントテン酸は、「至る所に存在する酸」という意味のギリシャ語「pantos」に由来する名前の通り、様々な食品に比較的広く含まれています。そのため、通常の食生活を送っていれば、極端に不足することは少ないと言われています。しかし、ストレスが多い現代社会においては、その需要が高まっている可能性も指摘されています。また、アルコールの多飲や、一部の薬剤の使用などによっても、パントテン酸が消費されやすくなることがあります。
アーモンドは、このパントテン酸を手軽に補給できる食品の一つです。文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」によると、乾燥アーモンド100gあたり約0.58mgのパントテン酸が含まれています。おやつとしてアーモンドをひとつかみ食べるだけでも、日々のパントテン酸補給に貢献できます。パントテン酸は水溶性ビタミンであり、熱に比較的安定していますが、調理による損失も考慮すると、手軽にそのまま食べられるアーモンドは効率的な摂取源と言えるでしょう。ストレスに負けない心と体、そしてエネルギッシュな毎日を目指すために、アーモンドを上手に食生活に取り入れて、パントテン酸の恩恵をぜひ実感してみてください。
6. アーモンドはビタミンの宝庫!賢く美味しく取り入れて、毎日をもっと元気に、もっと美しく!
ここまで、アーモンドに含まれる4つの主要なビタミン、「ビタミンE」「ビタミンB2」「ナイアシン(ビタミンB3)」「パントテン酸(ビタミンB5)」について、それぞれの特徴や私たちの体にとって嬉しい働きを詳しく見てきました。いかがでしたでしょうか?
美容と健康の強い味方である抗酸化ビタミンの代表格「ビタミンE」。エネルギー代謝をサポートし、皮膚や粘膜の健康を守る「ビタミンB2」。血行促進や二日酔い対策にも役立つかもしれない「ナイアシン」。そして、ストレス社会で頑張る私たちを支える抗ストレス作用が期待される「パントテン酸」。これらの素晴らしいビタミンたちが、あの小さな一粒のアーモンドにギュッと詰まっているなんて、本当に驚きですよね!
アーモンドが「天然のサプリメント」と呼ばれる理由も、きっとご納得いただけたのではないでしょうか。もちろん、アーモンドに含まれる栄養素はビタミンだけではありません。良質な脂質である不飽和脂肪酸、食物繊維、ミネラル(カルシウム、マグネシウム、鉄など)も豊富で、まさに栄養の宝庫です。
これらのビタミンを手軽に補給できるというのは、忙しい毎日を送る私たちにとって、とても大きなメリットです。例えば、1日にひとつかみ(約23粒、約30g程度)のアーモンドを食べるだけで、これらのビタミンをバランス良く、そして美味しく摂取することができるのですから。朝食のヨーグルトやシリアルに加えるのも良いですし、小腹が空いた時のおやつとしてそのままポリポリ食べるのも手軽で良いですね。サラダのトッピングにしたり、砕いて料理のアクセントに使ったりと、アイデア次第で様々な形で食生活に取り入れることができます。
今日から早速、あなたの食生活にアーモンドをプラスして、その素晴らしいビタミンのパワーを実感してみてはいかがでしょうか。アーモンドを賢く美味しく取り入れることで、あなたの毎日がもっと元気に、もっと美しく輝くことを、心から願っています!美味しくて栄養満点なアーモンドを味方につけて、健やかでハッピーな日々を送りましょう!

大学を卒業後、酒類・食品の卸売商社の営業を経て2020年2月に株式会社ブレーンコスモスへ入社。現在は「無添加ナッツ専門店 72」のバイヤー兼マネージャーとして世界中を飛び回っている。趣味は「仕事です!」と即答してしまうほど、常にナッツのことを考えているらしい。