アーモンド
【解説】アーモンドの賞味期限と正しい保存テク
2025.05.07
ついつい手が伸びる美味しいアーモンド。でも、その賞味期限、正しく理解していますか?実は、保存方法ひとつで風味も日持ちも大きく変わるんです。
この記事では、アーモンドを最後まで美味しく安全に食べるための賞味期限の知識と、今日からできる簡単な保存テクニックをご紹介します!
1. はじめに:あなたのアーモンド、賞味期限は大丈夫?意外と知らない基本の「き」
こんにちは!アーモンドって、そのまま食べても美味しいし、料理やお菓子作りに使っても風味豊かで、とっても魅力的ですよね。しかも、ビタミンEや食物繊維が豊富で健康的!ついついストックしてしまうという方も多いのではないでしょうか。
でも、ここでふと疑問に思うのが「アーモンドの賞味期限」。棚の奥から「あれ、このアーモンドいつ買ったっけ?」なんて、ちょっぴり不安になる瞬間、ありませんか?美味しくて健康的なアーモンドだからこそ、ちゃんと賞味期限を理解して、美味しく安全に楽しみたいですよね。
「開封したらどれくらい持つの?」「種類によって賞味期限は違うの?」など、アーモンドの賞味期限に関するさまざまな疑問が浮かんできます。この記事では、そんなあなたの疑問をスッキリ解決!アーモンドの賞味期限の基本から、美味しく長持ちさせる保存方法まで、分かりやすく解説していきます。これであなたもアーモンド博士になれること間違いなしです!
2. 種類でこんなに違う!アーモンドの賞味期限をタイプ別に徹底解説!
一口にアーモンドと言っても、実はさまざまな種類があるのをご存知ですか?お店で見かけるアーモンドには、香ばしくローストされたもの、栄養価が高いと言われる生のもの、お菓子作りに便利なスライスされたものやパウダー状のものなど、本当に多彩です。そして、これらの形状や加工方法によって、賞味期限の目安も変わってくるんです。
ここでは、それぞれのアーモンドのタイプ別に、賞味期限の目安や市販品表示の見方、そしてバルク品(量り売り)を購入する際の注意点などを詳しく見ていきましょう。この知識があれば、購入時にも賢く選べて、アーモンドをより長く美味しく楽しむことができますよ。
ローストアーモンドの賞味期限
まずは、おつまみやおやつとして一番身近なローストアーモンドです。カリッとした食感と香ばしさがたまらないですよね。ローストアーモンドは、加熱処理によって水分量が減っているため、比較的保存性が高いのが特徴です。
市販されている袋入りのローストアーモンドの場合、未開封の状態であれば、製造日から約6ヶ月から1年程度が賞味期限の目安として設定されていることが多いようです。もちろん、これはメーカーや包装状態によって異なりますので、必ずパッケージに記載されている賞味期限を確認してくださいね。例えば、光や酸素を遮断する特殊な袋に入っているものは、より長く品質を保てる傾向にあります。
開封後は、空気に触れることで酸化が進みやすくなるため、賞味期限に関わらず早めに食べきるのが基本です。一般的には、開封後2週間から1ヶ月以内を目安にすると良いでしょう。特に、油で揚げてあるタイプのものは酸化が進みやすいので注意が必要です。
生アーモンドの賞味期限
次に、生アーモンドです。ローフードやスムージーなどに活用される方も増えてきましたね。生アーモンドは、ローストされたものに比べて水分量が若干多く、また、酵素が生きている状態とも言われています。そのため、ローストアーモンドよりもデリケートで、賞味期限は少し短めに設定されていることが多いです。
未開封の市販品であれば、製造日から約3ヶ月から6ヶ月程度が一般的な目安とされています。ただし、こちらも商品によってバラつきがありますので、購入時には必ず表示を確認しましょう。生アーモンドは湿気やカビの影響を受けやすいため、保存環境には特に気を配る必要があります。
開封後は、やはり酸化や湿気、カビのリスクが高まるため、密閉容器に入れて冷蔵庫で保存し、1週間から2週間程度で食べきるのがおすすめです。もし、長期間保存したい場合は、冷凍保存も有効な手段の一つです。
スライス・パウダーアーモンドの賞味期限
お菓子作りや料理のトッピングに便利なスライスアーモンドやアーモンドパウダー(アーモンドプードルとも呼ばれますね)。これらは、アーモンドを細かく加工しているため、空気に触れる表面積が大きくなり、酸化しやすく、また湿気を吸いやすいという特性があります。
そのため、ホール(丸ごと)のアーモンドに比べて賞味期限は短くなる傾向にあります。未開封の市販品で、製造日から約3ヶ月から6ヶ月程度が目安ですが、商品によってはもっと短い場合もあります。特にアーモンドパウダーは、油分が染み出して固まったり、風味が落ちやすいので注意が必要です。
開封後は、酸化と湿気を防ぐことが何よりも大切です。密閉容器に入れ、できれば冷蔵庫や湿度の低い冷暗所で保存し、なるべく早く、できれば1ヶ月以内には使い切りたいところです。アーモンドパウダーは、使う分だけ取り出し、残りはすぐに密閉して冷蔵庫へ、というのを徹底すると良いでしょう。
市販品の表示とバルク品の注意点
市販されているアーモンド製品には、必ず「賞味期限」が表示されています。これは、「定められた方法により保存した場合において、期待される全ての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日」のことです(食品表示基準より)。美味しく食べられる期限、ということですね。多くの場合、パッケージの裏面や側面に「賞味期限:YYYY.MM.DD」といった形で記載されています。製造年月日が併記されている商品もありますよ。
一方、ナッツ専門店などで見かけるバルク品(量り売り)のアーモンド。好きな分だけ購入できるのが魅力ですが、個包装されていないため、賞味期限の管理にはより注意が必要です。お店の方に、いつ入荷した商品なのか、おおよその賞味期限の目安などを確認してみるのが良いでしょう。購入後は、自宅で密閉容器に移し替え、購入日を記録しておくことをおすすめします。バルク品は空気に触れている時間が長くなる可能性もあるため、できるだけ早く消費するのが賢明です。信頼できるお店で購入することも大切ですね。
3. これって大丈夫?賞味期限切れアーモンドの見分け方と対処法
「あ!うっかりアーモンドの賞味期限が過ぎちゃってた…」なんてこと、ありますよね。すぐに捨てるのはもったいないし、でも食べても大丈夫なのかな?と悩んでしまうものです。賞味期限はあくまで「美味しく食べられる期限」なので、期限が過ぎたらすぐに食べられなくなるわけではありません。しかし、保存状態が悪かったり、長期間経過していたりすると、品質が劣化している可能性があります。
ここでは、賞味期限が過ぎてしまったアーモンドがまだ食べられるかどうかを判断するための、五感を使った見分け方のポイントを詳しくご紹介します。そして、万が一傷んでしまっていた場合の適切な対処法も合わせて解説します。安全に美味しくアーモンドを楽しむために、ぜひ参考にしてくださいね。
見た目のチェックポイント
まずは目で見て確認しましょう。アーモンドの状態を観察することで、劣化のサインを見つけることができます。
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カビの発生: アーモンドの表面に白い綿のようなものや、緑色、黒っぽい点々が付着していたら、それはカビの可能性が高いです。カビが生えたアーモンドは絶対に食べてはいけません。少量でも体調を崩す原因になることがあります。
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変色: 健康なアーモンドは均一な茶色(種類によりますが)をしていますが、異常に黒ずんでいたり、不自然な斑点が見られたりする場合は注意が必要です。油が酸化して変色することもあります。
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虫食いや虫の付着: まれにですが、保存状態が悪いと虫が湧いてしまうことがあります。小さな穴が開いていたり、粉っぽくなっていたり、実際に虫が見つかった場合は、食べるのは避けましょう。
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油の染み出し: アーモンドは油分が豊富なナッツです。古くなると、油分が表面に染み出してきて、テカテカしたり、ベタついたりすることがあります。これは酸化が進んでいるサインの一つかもしれません。
これらのサインが見られた場合は、食べるのを控えた方が賢明です。特にカビは少量でも危険なので、一部だけ取り除いて食べるというのも避けてくださいね。
匂いのチェックポイント
次に、匂いを嗅いでみましょう。鼻は正直なセンサーです。アーモンドが劣化すると、特有の不快な匂いが発生することがあります。
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油臭い匂い(酸化臭): アーモンドに含まれる油分が酸化すると、古くなった油のような、いわゆる「油臭い」匂いがします。これは、アーモンドの風味が損なわれているだけでなく、体にもあまり良くない状態です。この匂いがしたら、食べるのはやめておきましょう。よく「サンオイルのような匂い」と表現されることもあります。
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酸っぱい匂い: 発酵が進んでしまったり、特定の種類のカビが生えたりすると、酸っぱいようなツンとした匂いがすることがあります。これも明らかに異常なサインです。
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カビ臭い匂い: 見た目では分からなくても、カビ臭い、土埃っぽいような匂いがする場合は、カビが内部で繁殖している可能性があります。
新鮮なアーモンドは、ほんのり甘く香ばしい良い香りがします。それとは明らかに違う不快な匂いを感じたら、残念ですが食べるのは諦めましょう。
味と食感のチェックポイント
見た目と匂いで特に異常がなさそうであれば、少量だけ口に入れて味と食感を確認してみましょう。ただし、少しでも「おかしいな」と感じたら、すぐに吐き出して食べるのはやめてくださいね。
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苦味やえぐみ: 新鮮なアーモンドにはない、強い苦味やえぐみを感じたら、それは酸化が進んでいたり、品質が著しく劣化していたりするサインです。
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酸味: 酸っぱい味がする場合も、腐敗や発酵が進んでいる可能性があります。
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風味の著しい低下: 香ばしさや甘みが全く感じられず、ただ「味がしない」あるいは「まずい」と感じる場合も、美味しく食べられる状態ではありません。
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湿気った食感: アーモンド特有のカリッとした食感が失われ、フニャフニャしていたり、湿気ってグニャッとしたりする場合。これは湿気を吸ってしまった状態で、カビも生えやすくなっています。
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異常な硬さや柔らかさ: 極端に硬すぎる、あるいは逆に不自然に柔らかい場合も、品質に問題があるかもしれません。
賞味期限が多少過ぎていても、これらのチェックポイントをクリアし、風味も食感も良好であれば、食べられる可能性はあります。しかし、少しでも違和感を感じたら、無理して食べるのは絶対にやめましょう。「もったいない」という気持ちも分かりますが、健康が第一です。
傷んだアーモンドの対処法
残念ながら、アーモンドが傷んでしまっていると判断された場合は、適切に処分することが大切です。
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可燃ごみとして廃棄: 多くの自治体では、食品は可燃ごみとして処理できます。お住まいの地域の分別ルールに従って廃棄してください。
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他の食品への影響を防ぐ: カビが生えたアーモンドなどをそのまま放置しておくと、他の食品にもカビの胞子が移ってしまう可能性があります。速やかに密閉して捨てるようにしましょう。
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堆肥化は慎重に: 家庭でコンポストなどを使って堆肥を作っている場合、油分の多いナッツ類は分解が遅かったり、異臭の原因になったりすることがあるため、投入は慎重に。特にカビが生えているものは避けた方が無難です。
賞味期限を正しく理解し、適切に保存することが、アーモンドを最後まで美味しく、そして安全に楽しむための鍵となります。「ちょっとくらい大丈夫かな?」という油断は禁物です。五感をフル活用して、賢く判断してくださいね。
4. アーモンドの鮮度をキープ!賞味期限を延ばす正しい保存テクニック
アーモンドの美味しさをできるだけ長く保ち、賞味期限を最大限に活用するためには、正しい保存方法が何よりも重要です。アーモンドは、光、酸素、湿度、そして高温に弱いデリケートな食材。これらの要素から守ってあげることで、酸化や湿気を防ぎ、風味の劣化を遅らせることができます。
「常温でいいの?それとも冷蔵庫?冷凍庫も使えるの?」そんな疑問をお持ちのあなたへ、最適な保存場所や具体的な容器の選び方、そしてちょっとしたコツまで、アーモンドの鮮度をキープするためのテクニックを詳しくご紹介します。これらの方法を実践すれば、いつでも美味しいアーモンドが楽しめますよ!
アーモンド保存の基本:酸化と湿気を防ぐ
アーモンドの品質を損なう主な原因は「酸化」と「湿気」です。
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酸化: アーモンドには良質な不飽和脂肪酸が多く含まれていますが、これは空気に触れると酸化しやすい性質を持っています。酸化すると、風味が落ちるだけでなく、油臭い匂いが発生し、栄養価も低下してしまいます。
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湿気: アーモンドが湿気を吸うと、特有のカリッとした食感が失われ、フニャッとしたり、カビが生えやすくなったりします。
これらの大敵からアーモンドを守ることが、長持ちさせるための基本中の基本です。具体的にどのような保存方法が良いのか見ていきましょう。
最適な保存場所はどこ?常温・冷蔵・冷凍
アーモンドの保存場所として考えられるのは、常温、冷蔵、冷凍の3つの選択肢です。それぞれにメリットとデメリットがあり、保存期間やアーモンドの種類によって最適な場所が変わってきます。
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常温保存:
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メリット: 手軽ですぐに取り出せる。
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デメリット: 温度や湿度の影響を受けやすく、特に夏場は品質が劣化しやすい。
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ポイント: 未開封で、直射日光が当たらず、湿度が低く、涼しい場所(冷暗所)であれば、短期間の保存は可能です。しかし、日本の夏のような高温多湿の環境下では、あまりおすすめできません。もし常温で保存する場合は、賞味期限内であっても早めに消費するように心がけましょう。開封後は、しっかりと密閉しても、1週間程度で食べきるのが理想です。
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冷蔵保存:
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メリット: 低温で保存することで、酸化のスピードを遅らせ、カビの発生を抑えることができます。常温保存よりも長期間、鮮度を保ちやすいです。
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デメリット: 他の食品の匂いが移りやすい。冷蔵庫から出し入れする際に結露が生じやすく、それが湿気の原因になることがある。
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ポイント: アーモンドを冷蔵保存する際は、必ず密閉性の高い容器に入れることが重要です。ジッパー付き保存袋やガラス製の密閉容器などがおすすめです。他の食品の匂いが強い場所は避けましょう。使用する際は、必要な分だけ取り出し、残りはすぐに冷蔵庫に戻すことで、結露の影響を最小限に抑えられます。開封後のアーモンドは、冷蔵保存が基本と考えると良いでしょう。一般的に、適切に冷蔵保存すれば、開封後でも1ヶ月~数ヶ月は品質を保てると言われています。
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冷凍保存:
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メリット: 最も長期間保存できる方法です。酸化や湿気の影響を大幅に遅らせることができ、数ヶ月から1年程度の保存も可能になります(ただし、風味は徐々に落ちていきます)。大量に購入した場合や、すぐに使い切れない場合に適しています。
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デメリット: 解凍時に結露しやすい。解凍方法によっては風味が損なわれることがある。再冷凍は品質劣化の原因になるため避けるべき。
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ポイント: 冷凍する際も、必ず密閉容器や冷凍用のジッパー付き保存袋に入れ、できるだけ空気を抜いてから冷凍します。スライスアーモンドやアーモンドパウダーも冷凍保存に適しています。使用する際は、必要な分だけ取り出し、残りはすぐに冷凍庫へ。解凍は、冷蔵庫でゆっくり行うか、常温で自然解凍します。急激な温度変化は結露の原因になるので注意してください。一度解凍したものは、なるべく早く使い切りましょう。
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保存容器の選び方とちょっとしたコツ
アーモンドの鮮度を保つためには、保存容器の選び方も非常に重要です。
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密閉性の高い容器を選ぶ:
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ガラス製容器: 匂い移りが少なく、中身が見えて残量も分かりやすいです。煮沸消毒できるものなら衛生的に使えます。シリコンパッキン付きの蓋のものがおすすめです。
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ホーロー製容器: 酸や塩分に強く、匂いもつきにくいのが特徴です。光も遮断してくれます。
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ジッパー付き保存袋: 空気をしっかり抜いて密閉できるので便利です。特に冷凍保存する際にはかさばらず、重宝します。厚手のものを選びましょう。
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真空パック器: もしお持ちであれば、真空パックするのが最も理想的です。酸素を限りなく除去できるため、酸化を強力に防ぐことができます。
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光を遮断する: アーモンドは光によっても劣化が進みます。透明な容器で保存する場合は、戸棚の中など暗い場所に保管しましょう。色付きの容器や、アルミ製の袋なども光を遮断するのに有効です。
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脱酸素剤や乾燥剤の活用: 未開封のアーモンド製品には、品質保持のために脱酸素剤や乾燥剤が封入されていることがあります。開封後、別の容器に移し替える際に、新しい脱酸素剤や食品用の乾燥剤(シリカゲルなど)を一緒に入れておくと、より効果的に酸化や湿気を防ぐことができます。これらは100円ショップや製菓材料店などで手に入りますよ。
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少量ずつ購入する: どんなに上手に保存しても、開封後は徐々に品質が落ちていきます。一度に大量に購入するのではなく、使い切れる量をこまめに購入するのが、いつでも美味しいアーモンドを食べるための最も確実な方法かもしれませんね。
これらの保存テクニックを駆使して、あなたの大切なアーモンドを最後のひと粒まで美味しく楽しんでくださいね!
5. マニアック編!アーモンドの賞味期限にまつわる深掘り豆知識
さて、ここまでアーモンドの賞味期限の基本や保存方法について詳しく見てきましたが、ここからはもう少しマニアックな視点で、アーモンドの賞味期限にまつわる豆知識を深掘りしていきたいと思います。「賞味期限」と「消費期限」って具体的に何が違うの?アーモンドの油ってどうして酸化しやすいの?メーカーによって賞味期限の設定に違いはあるの?など、知っておくとちょっと通になれる情報をお届けします。これを読めば、あなたもアーモンドの賞味期限について、より深く理解できるはずです!
「賞味期限」と「消費期限」の違いとは?
食品の期限表示には、「賞味期限」と「消費期限」の2種類があるのをご存知ですよね。でも、この二つの違いを正確に説明できる方は意外と少ないかもしれません。
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賞味期限 (Best Before Date): 比較的傷みにくい食品に表示されるもので、「定められた方法により保存した場合において、期待される全ての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日」のことです。つまり、「美味しく食べられる期限」を示しています。この期限を過ぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません。スナック菓子、缶詰、そしてアーモンドのようなナッツ類などがこれに該当します。
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消費期限 (Use By Date): 製造日からおおむね5日以内で品質が急速に劣化しやすい食品に表示されるもので、「定められた方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他の品質の劣化に伴い安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限を示す年月日」のことです。こちらは、「安全に食べられる期限」を示しており、この期限を過ぎたものは食べない方が良いとされています。お弁当、サンドイッチ、生菓子、食肉などがこれに該当します。
アーモンドは、水分量が少なく比較的日持ちするため、「賞味期限」が表示されています。だから、賞味期限が過ぎたからといって、即座に危険というわけではないのです。しかし、風味や食感は徐々に落ちていきますし、保存状態が悪ければ期限内でも劣化することがあります。やはり、賞味期限内に、美味しくいただくのが一番ですね。
アーモンドの油と酸化の科学
「アーモンドの油は酸化しやすい」とよく耳にしますが、具体的にどういうことなのでしょうか?
アーモンドには、オレイン酸やリノール酸といった不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。これらの脂肪酸は、健康に良い効果がたくさんある一方で、飽和脂肪酸に比べて化学的に不安定で、酸素と結びつきやすい(つまり酸化しやすい)という性質を持っています。この酸化反応は「自動酸化」と呼ばれ、光や熱、金属イオンなどによって促進されます。
アーモンドが空気に触れると、この自動酸化がゆっくりと進行し、過酸化脂質という物質が生成されます。この過酸化脂質がさらに分解されると、アルデヒド類やケトン類といった揮発性の化合物が生じます。これらが、あの「油臭い」と感じる不快な匂いや、苦味、えぐみといった風味の劣化の原因となるのです。この状態を「油脂の酸敗」と言います。
ただ、アーモンドには強力な抗酸化物質であるビタミンE(特にα-トコフェロール)も豊富に含まれています。このビタミンEが、自らが酸化されることで不飽和脂肪酸の酸化を防ぐ働きをしています。いわば、アーモンド自身が酸化から身を守るためのバリアを持っているようなものですね。しかし、このビタミンEの力も無限ではありません。長期間空気に触れていたり、高温下に置かれたりすると、ビタミンEだけでは防ぎきれず、酸化が進んでしまうのです。
カリフォルニア大学デイビス校の研究などでも、アーモンドの保存条件と酸化の関係については多くの報告がなされています。適切な温度管理と酸素への曝露を最小限にすることが、酸化を遅らせる鍵であるとされています。
メーカーによる賞味期限設定の違い
市販のアーモンド製品を見ると、同じような種類のアーモンドでも、メーカーによって賞味期限の設定が異なることに気づくかもしれません。これはなぜなのでしょうか?
食品の賞味期限は、各食品メーカーが科学的な根拠に基づいて設定する責任を負っています。具体的には、以下のような要素を考慮して、自社の製品の「美味しく食べられる期間」を決定しています。
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原材料の品質: 使用するアーモンド自体の品質や鮮度が影響します。
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製造方法: ローストの温度や時間、加工方法(スライス、パウダー化など)によって、初期の水分活性や微生物の状態が異なります。
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包装技術: パッケージの材質(アルミ蒸着、ガスバリア性の高いフィルムなど)、脱酸素剤や乾燥剤の有無、窒素充填などの不活性ガス充填包装技術の採用など、酸素や湿気から製品をどれだけ守れるかによって、品質保持期間は大きく変わります。例えば、高度なバリア性を持つ包装材を使用し、脱酸素剤を封入している製品は、より長い賞味期限を設定できる可能性があります。
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保存試験(保存テスト): メーカーは、実際に製品をさまざまな温度や湿度の条件下で保存し、定期的に風味、色、食感、微生物検査、理化学検査(酸価や過酸化物価など、油脂の酸化度合いを測る指標)などを行い、品質が許容範囲内に保たれる期間を検証します。この試験結果に基づいて、安全マージン(通常、検証された期間よりも短く設定される)を考慮して賞味期限を設定します。例えば、1.0未満の安全係数(例:0.7や0.8)をかけて設定することが一般的です。
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企業の品質基準: どの程度の品質レベルを「美味しい」と定義するか、その基準もメーカーによって異なる場合があります。
これらの要素が複合的に絡み合って、各メーカーが自社の製品に最適な賞味期限を設定しているのです。ですから、単に「A社のものは賞味期限が長いから良い」というわけではなく、それぞれのメーカーが責任を持って設定した期限であると理解することが大切です。購入する際は、信頼できるメーカーの製品を選び、表示されている賞味期限と保存方法をきちんと守ることが、美味しく安全にアーモンドを楽しむための基本となります。
また、忘れてはならないのが「開封後の賞味期限」です。パッケージに記載されている賞味期限は、あくまで「未開封」の状態での期限です。一度開封してしまうと、そこからは酸素や湿気との戦いが始まります。多くの製品には「開封後はお早めにお召し上がりください」と記載されていますが、これはまさにその通り。開封したら、たとえ賞味期限まで間があったとしても、できるだけ早く、そして適切に保存しながら消費するように心がけましょう。
6. まとめ:アーモンドの賞味期限をマスターして、いつでも美味しいナッツライフを!
さて、ここまでアーモンドの賞味期限について、種類別の目安から見分け方、長持ちさせる保存テクニック、そしてちょっとマニアックな豆知識まで、盛りだくさんでお届けしてきましたが、いかがでしたでしょうか?
「アーモンドの賞味期限って、意外と奥が深いんだな」と感じていただけたなら嬉しいです。もうこれで、あなたは立派な「アーモンドの賞味期限博士」ですね!
これからは、アーモンドを購入する際や保存する際に、今日お話しした知識をぜひ活かしてみてください。例えば、ローストアーモンドと生アーモンドでは賞味期限の目安が違うこと、開封後は冷蔵庫での保存が基本であること、そして万が一賞味期限が過ぎてしまっても、五感を使って冷静に状態をチェックすることなど、ポイントを押さえておけば、もう迷うことはありません。
正しい知識を持つことで、私たちは美味しくて栄養満点なアーモンドを、もっと気軽に、そして安心して楽しむことができます。せっかくの美味しいアーモンドですから、風味や食感が落ちてしまう前に、一番美味しい状態で味わいたいですよね。
そして、今日からすぐに実践できる保存方法を試していただくことで、大切なアーモンドを長持ちさせることができます。これは、フードロスを減らすことにも繋がる、とても大切なアクションです。私も、ついつい買い置きしてしまいがちなアーモンドですが、これからはもっと意識して、上手に保存して、最後まで美味しくいただくことを心掛けたいと思います。
あなたも、今日からアーモンドの賞味期限と保存方法をマスターして、いつでもカリッと香ばしい、最高の状態でアーモンドを楽しんでくださいね。健康的でハッピーなナッツライフを応援しています!

大学を卒業後、酒類・食品の卸売商社の営業を経て2020年2月に株式会社ブレーンコスモスへ入社。現在は「無添加ナッツ専門店 72」のバイヤー兼マネージャーとして世界中を飛び回っている。趣味は「仕事です!」と即答してしまうほど、常にナッツのことを考えているらしい。