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アーモンドでニキビが悪化?原因と対策を徹底解説!

2025.03.09
アーモンドでニキビが悪化?原因と対策を徹底解説!

美容や健康に良いとされるアーモンド。手軽な栄養補給として人気ですが、『アーモンドを食べるとニキビができる・悪化する』という噂を聞いたことはありませんか? 美肌効果が期待される一方で、ニキビの原因とも言われるアーモンド。実際のところ、どちらが本当なのでしょうか?

この記事では、アーモンドとニキビの気になる関係性を徹底解説。噂の真相から、ニキビに悩む方が知っておきたい適切な食べ方まで詳しくご紹介します。

1. 要注意?アーモンドがニキビを引き起こすと考えられるワケ

こんにちは!美容や健康に関心のあるあなたなら、「アーモンドは体に良い」って一度は聞いたことがあるんじゃないでしょうか?私も、小腹が空いた時につい手が伸びちゃうくらい、アーモンドが大好きなんです!でも、一方で「アーモンドを食べ過ぎるとニキビができる」なんて噂も耳にしますよね…。えっ、美容の味方じゃなかったの!?って、ちょっと不安になっちゃいませんか?

実際のところ、アーモンドとニキビの関係は、そんなに単純じゃないみたいなんです。今回は、まずアーモンドがニキビの原因になってしまうかもしれない、ちょっと注意が必要な側面について、詳しくお話ししていきますね!

脂質の摂りすぎは皮脂を増やす?

アーモンドって、実は脂質がとっても豊富なんです。具体的には、アーモンド100gあたり約50g以上も脂質が含まれているんですよ。これは、例えば同じナッツ類のくるみ(約65g/100g)よりは少ないですが、カシューナッツ(約44g/100g)よりは多い量です。もちろん、アーモンドに含まれる脂質の多くは、オレイン酸のような「不飽和脂肪酸」といって、一般的には体に良いとされている種類なんですけどね。

でも、いくら体に良い種類の脂質でも、摂りすぎてしまうと話は別です。私たちの体は、摂取した脂質をエネルギーとして使ったり、細胞膜を作ったりするのに利用しますが、余った分は体脂肪として蓄えられたり、皮脂の分泌を促したりする方向に働くことがあるんです。特に、食事全体のカロリーや脂質の量が多い生活を続けていると、皮脂腺が刺激されて、皮脂が過剰に分泌されやすくなる可能性があります。

皮脂そのものは、お肌のうるおいを守るために必要なものなんですが、分泌量が多すぎると毛穴が詰まりやすくなります。そして、毛穴が詰まると、そこにアクネ菌という、ニキビの原因菌が増殖しやすくなって、炎症を起こし、赤くて痛いニキビや、膿を持ったニキビができてしまう…というわけなんです。だから、美味しいからといってアーモンドをパクパク食べ過ぎちゃうと、結果的に脂質の摂りすぎにつながって、ニキビのリスクを高めてしまう可能性があるんですね。

オメガ6脂肪酸と炎症の関係

アーモンドに含まれる脂質の中で、もう一つ注目したいのが「オメガ6脂肪酸」です。アーモンドに含まれる不飽和脂肪酸の中には、リノール酸というオメガ6脂肪酸も含まれています。このオメガ6脂肪酸、実は体に必要な「必須脂肪酸」の一つで、全く摂らないわけにはいかない大切な栄養素なんです。コレステロール値を下げる働きなど、良い面もたくさんあります。

ただ、このオメガ6脂肪酸、摂りすぎると体内で炎症を引き起こしやすい物質に変わる性質があるんです。一方で、魚の油などに多く含まれる「オメガ3脂肪酸」は、炎症を抑える働きがあると言われています。現代の食生活では、外食や加工食品を利用する機会が多いこともあって、意識しないとオメガ6脂肪酸を摂りすぎて、オメガ3脂肪酸が不足しがちだと言われています。

このオメガ6とオメガ3のバランスが崩れて、オメガ6脂肪酸が過剰になると、体の中で軽い炎症が常にくすぶっているような状態になることがあります。そして、この「炎症体質」が、ニキビの悪化につながる可能性があるんです。ニキビ自体も毛穴の炎症ですから、体全体の炎症レベルが上がっていると、ニキビができやすくなったり、治りにくくなったりするかもしれない、というわけですね。

もちろん、アーモンドに含まれるオメガ6脂肪酸だけで、すぐにニキビが悪化するというわけではありません。でも、普段から揚げ物やスナック菓子など、オメガ6脂肪酸を多く含む食品をよく食べる人が、さらにアーモンドを食べ過ぎてしまうと、オメガ6とオメガ3のバランスがさらに崩れて、ニキビにとって良くない影響が出てしまう可能性は考えられます。アーモンドだけでなく、食事全体のバランスを見ることが大切ですね。

まれにあるアーモンドアレルギー

これは、数は多くないのですが、アーモンドに対してアレルギーを持っている方もいらっしゃいます。ナッツ類のアレルギーは、時に強い症状を引き起こすこともあるので注意が必要です。アーモンドアレルギーの症状は人によって様々ですが、口の中や喉のイガイガ感、じんましん、腹痛や下痢などの消化器症状のほかに、肌荒れや湿疹、そしてニキビのような吹き出物として症状が現れることもあります。

もし、アーモンドを食べた後に決まって肌の調子が悪くなる、口周りや特定の場所にニキビのようなものができる、といった経験がある場合は、アレルギーの可能性も少しだけ頭に入れておくと良いかもしれません。アレルギー反応による肌荒れは、通常のニキビケアだけではなかなか改善しないこともあります。気になる症状がある場合は、自己判断せずに、皮膚科やアレルギー科のお医者さんに相談して、検査を受けてみることをおすすめします。アレルギーだった場合は、原因となるアーモンドを避けることが、一番のニキビ対策、肌荒れ対策になりますからね。

このように、アーモンドには、食べ過ぎると脂質の過剰摂取につながったり、オメガ6脂肪酸のバランスを崩したりして、ニキビの原因になる可能性が考えられます。また、まれにアレルギー反応としてニキビのような症状が出ることもあるんですね。でも、がっかりしないでください! 実はアーモンドには、ニキビや美肌にとって嬉しいパワーもたくさん秘められているんですよ! 次は、その素晴らしい可能性について、詳しく見ていきましょう!

2. 実はすごいパワー!アーモンドがニキビ改善に役立つ可能性も?

さて、さっきはアーモンドがニキビの原因になるかもしれない、ちょっと心配な側面についてお話ししました。でも、実はアーモンドって、それだけじゃないんです!むしろ、上手に取り入れれば、ニキビや肌荒れの改善、そして美肌づくりに役立つ可能性を秘めた、すごいパワーを持った食材でもあるんですよ!ここからは、アーモンドがあなたの肌の味方になってくれるかもしれない、嬉しい理由をたっぷりご紹介しますね!

「抗酸化作用の王様」ビタミンEの力

アーモンドの栄養成分の中で、まず注目したいのが「ビタミンE」です!アーモンドには、このビタミンEがとっても豊富に含まれているんです。なんと、素焼きアーモンド100gあたり約30mgも含まれているんですよ。これは、他のナッツ類と比べてもトップクラスの含有量なんです。例えば、ビタミンEが豊富と言われるヘーゼルナッツ(約15mg/100g)やピーナッツ(約10mg/100g)と比べても、その多さが分かりますよね。

じゃあ、このビタミンEが、ニキビや美肌にどう関係してくるのでしょうか?ビタミンEは、「抗酸化作用の王様」とも呼ばれるくらい、強力な抗酸化力を持っていることで知られています。私たちの体は、呼吸するだけでも「活性酸素」という物質を作り出しています。この活性酸素は、適量であれば体を守る働きもするんですが、増えすぎると細胞を傷つけたり、老化を早めたりする原因になってしまうんです。紫外線やストレス、不規則な生活なども活性酸素を増やす要因になります。

お肌も、この活性酸素によるダメージ(酸化ストレス)を受けると、シミやしわ、たるみなどのエイジングサインが現れやすくなるだけでなく、肌のバリア機能が低下したり、炎症が起きやすくなったりして、ニキビができやすい状態になってしまうことがあるんです。

ここで活躍するのが、ビタミンE! ビタミンEは、この活性酸素の働きを抑え込み、細胞が傷つくのを防いでくれるんです。つまり、お肌の老化を防ぎ、健やかな状態を保つのを助けてくれるというわけ。さらに、ビタミンEには血行を促進する働きもあります。血行が良くなると、肌細胞に必要な栄養や酸素がしっかり届けられるようになり、肌のターンオーバー(新陳代謝)がスムーズに行われるようになります。ターンオーバーが正常に行われれば、古い角質が剥がれ落ちて新しい皮膚細胞に生まれ変わるので、ニキビ跡の色素沈着が改善されたり、ニキビができにくい肌質になったりする効果が期待できるんです。まさに、美肌のためのスーパービタミンですよね!アーモンドを食べることで、この強力なビタミンEを手軽に補給できるのは、ニキビに悩む私たちにとって、すごく嬉しいポイントです。

皮脂コントロールと新陳代謝を助ける「亜鉛」

次にご紹介したいのが、ミネラルの一種である「亜鉛」です。アーモンドには、この亜鉛も含まれているんですよ。含有量は、素焼きアーモンド100gあたり約3.6mgほど。これは、亜鉛が非常に多いことで知られる牡蠣(約14mg/100g)ほどではありませんが、日常的に摂りやすい食品の中では、比較的良い供給源と言えます。

亜鉛は、私たちの体の中で、たくさんの酵素の働きを助ける、とっても重要なミネラルなんです。特に、お肌にとっては欠かせない存在! 亜鉛には、主に二つの大きな役割があります。

一つ目は、「皮脂の分泌をコントロールする」働きです。亜鉛は、男性ホルモンの一種であるテストステロンが、より活性の強いジヒドロテストステロン(DHT)に変換されるのを抑える働きがあると言われています。このDHTは、皮脂腺を刺激して皮脂の分泌を過剰にする作用があるため、ニキビの原因の一つと考えられています。亜鉛を適切に摂取することで、このDHTの働きを抑え、過剰な皮脂分泌を抑制し、ニキビができにくい肌環境を作るのに役立つ可能性があるんです。

二つ目は、「肌の新陳代謝(ターンオーバー)をサポートする」働きです。亜鉛は、新しい細胞が作られるプロセスに深く関わっています。皮膚も常に新しい細胞に生まれ変わっているので、亜鉛が不足すると、肌のターンオーバーが滞りやすくなってしまいます。ターンオーバーが乱れると、古い角質がうまく剥がれずに毛穴を塞いでしまったり、ニキビ跡がなかなか治らなかったりする原因になります。また、亜鉛には、炎症を抑えたり、傷の治りを早めたりする働きもあるとされています。ですから、亜鉛をしっかり摂ることは、ニキビの炎症を鎮め、早く治すためにも大切なんですね。

実際、海外の研究、例えばトルコのイスタンブール大学医学部で行われた研究などでは、ニキビのある人は、そうでない人と比べて血中の亜鉛濃度が低い傾向がある、という報告もされています。もちろん、亜鉛だけでニキビが全て解決するわけではありませんが、アーモンドから手軽に亜鉛を補給できるのは、ニキビ予防・改善を目指す上で見逃せないポイントです!

腸内環境を整える「食物繊維」の力

そして、アーモンドのもう一つの魅力が「食物繊維」の豊富さです!素焼きアーモンド100gあたりには、約11gもの食物繊維が含まれています。これは、食物繊維が多いことで知られるごぼう(約5.7g/100g)や、玄米ごはん(約1.4g/100g)と比べても、かなり多い量ですよね。

「食物繊維が腸に良いのは知ってるけど、それがどうしてニキビに関係あるの?」って思いませんか? 実は、腸とお肌の状態って、ものすごく密接に関係しているんです。「肌は腸の鏡」なんて言葉もあるくらいなんですよ。

食物繊維には、水に溶けやすい「水溶性食物繊維」と、水に溶けにくい「不溶性食物繊維」の2種類があります。アーモンドには、特に不溶性食物繊維が多く含まれています。不溶性食物繊維は、腸の中で水分を吸収して大きく膨らみ、腸の壁を刺激してぜん動運動(腸が内容物を先に送り出す動き)を活発にする働きがあります。これによって、便通がスムーズになり、便秘の解消に役立ちます。

便秘になると、腸内に不要な老廃物や有害物質が長く留まることになります。すると、それらが腸壁から吸収されて血液中に流れ込み、全身を巡って、最終的に肌から排泄されようとすることがあります。これが、肌荒れやニキビの原因の一つになると考えられているんです。また、腸内環境が悪化すると、悪玉菌が増えて、炎症を引き起こす物質が作られやすくなります。この炎症が、肌の炎症、つまりニキビの悪化につながる可能性も指摘されています。

アーモンドに含まれる食物繊維は、便通を改善し、腸内環境を整えることで、腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌の増殖を抑えるのに役立ちます。腸内環境が整うと、有害物質の発生が抑えられ、体全体の炎症レベルも下がりやすくなります。その結果、巡り巡って、肌の調子が良くなり、ニキビができにくくなったり、改善しやすくなったりする効果が期待できる、というわけなんです。

このように、アーモンドには、ビタミンEの抗酸化作用、亜鉛の皮脂コントロール&新陳代謝サポート、そして食物繊維による腸内環境改善効果と、ニキビや美肌にとって嬉しい働きがたくさん詰まっています! まさに、自然の恵みがギュッと凝縮されたスーパーフードと言っても過言ではないかもしれませんね!

3. 【ちょっと深掘り】アーモンドのどの成分がニキビに関係してるの?

さて、これまでの話で、アーモンドにはニキビの原因になる可能性と、逆にニキビ改善に役立つ可能性の両方があることが分かってきましたね!なんだか、アーモンドって奥が深いですよね~。ここでは、もう一歩踏み込んで、アーモンドに含まれるどの成分が、具体的に私たちのニキビとどう関わっているのか、ちょっとマニアックに解説していきたいと思います!良い面も悪い面も、しっかり理解していきましょう!

ニキビ改善に期待!良い影響を与える成分たち

まずは、私たちの味方になってくれる可能性のある成分から見ていきましょう!

  • ビタミンE (α-トコフェロール):

    • 先ほども登場したビタミンEですが、もう少し詳しくお話ししますね。ビタミンEにはいくつかの種類があるんですが、アーモンドに特に多く含まれているのは「α-トコフェロール」という種類です。これが、非常に強力な抗酸化作用を持っているんです。私たちの皮膚は、常に紫外線や大気汚染などの外的ストレスにさらされていて、活性酸素が発生しやすい環境にあります。この活性酸素が、皮脂を酸化させて「過酸化脂質」という物質に変えてしまうことがあるんです。この過酸化脂質は、毛穴を詰まらせたり、炎症を引き起こしたりして、ニキビを悪化させる原因の一つと言われています。ビタミンEは、この皮脂の酸化を防いでくれる働きがあるので、ニキビ予防に繋がるんですね。さらに、肌のバリア機能を高める効果も期待されています。バリア機能が整っていると、外部からの刺激を受けにくくなり、乾燥や肌荒れ、そしてニキビもできにくくなります。
  • 亜鉛:

    • 亜鉛も再登場です!亜鉛が不足すると、お肌のターンオーバーが乱れるだけでなく、免疫機能が低下しやすくなるとも言われています。免疫機能が低下すると、アクネ菌などの細菌に対する抵抗力が弱まり、ニキビの炎症が悪化しやすくなる可能性があります。また、亜鉛には、炎症を引き起こすサイトカインという物質の産生を抑える働きがあることも分かってきています。つまり、亜鉛をしっかり摂ることは、ニキビの炎症そのものを抑えることにも繋がる可能性があるんです。さらに、一部の研究では、亜鉛がビタミンAの働きを助けることも示唆されています。ビタミンAも、皮膚や粘膜の健康維持に欠かせないビタミンですから、亜鉛との相乗効果も期待できるかもしれませんね。
  • マグネシウム:

    • あまりニキビとの関連で語られることは多くないかもしれませんが、マグネシウムもアーモンドに含まれる注目ミネラルの一つです(素焼きアーモンド100gあたり約290mg)。マグネシウムは、体内で300種類以上の酵素の働きを助ける、とっても重要なミネラルなんです。特に、エネルギー代謝やタンパク質の合成、神経伝達などに関わっています。ストレスを感じると、体はマグネシウムを消費しやすくなるのですが、現代人はストレスが多く、マグネシウムが不足しがちな傾向があると言われています。マグネシウム不足は、イライラや不眠、便秘などを引き起こすことがあり、これらが間接的にニキビの原因になることも考えられます。また、マグネシウムには炎症を抑える働きや、インスリン抵抗性を改善する効果も期待されています。インスリン抵抗性(血糖値を下げるインスリンの効きが悪くなる状態)は、皮脂の分泌を増やす可能性が指摘されているので、マグネシウムを適切に摂ることは、巡り巡ってニキビ予防に繋がるかもしれません。アーモンドには、このマグネシウムも比較的多く含まれているので、嬉しいですね。
  • 食物繊維:

    • 食物繊維の重要性も、もう一度強調させてください!腸内環境と肌の関係は、近年「腸脳皮膚相関」という言葉で、多くの研究が進められています。腸内フローラ(腸内細菌の集まり)のバランスが乱れると、リーキーガット(腸の粘膜に穴が空き、本来吸収されないはずの物質が血中に漏れ出てしまう状態)を引き起こし、全身性の炎症につながることがあります。この炎症が、皮膚にも影響を与え、ニキビやアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患を悪化させる一因になると考えられています。カリフォルニア大学デービス校などの研究機関も、腸内環境と皮膚疾患の関連性について研究を進めています。アーモンドに含まれる豊富な食物繊維は、善玉菌のエサとなり、腸内フローラのバランスを整え、腸のバリア機能をサポートすることで、リーキーガットを防ぎ、体全体の炎症を抑える効果が期待できます。これが、結果的にニキビができにくい、健やかな肌を作る土台になるんです。

摂りすぎ注意?悪影響の可能性がある成分たち

次に、摂りすぎるとニキビにとってマイナスに働く可能性のある成分についても、もう少し詳しく見ていきましょう。

  • 脂質(特にその種類):

    • アーモンドの脂質が豊富であることはお話ししましたが、その「質」も重要です。アーモンドの脂質の約60%以上は「オレイン酸」というオメガ9系の一価不飽和脂肪酸です。オレイン酸は、悪玉コレステロール(LDL)を減らす効果があるなど、健康に良い影響を与えることで知られています。これは嬉しいポイントですね!一方で、先ほども触れたように、アーモンドには「リノール酸」というオメガ6系の多価不飽和脂肪酸も含まれています(脂質全体の約20%程度)。リノール酸は必須脂肪酸ですが、現代の食生活では過剰摂取になりやすい傾向があります。リノール酸から作られるアラキドン酸という物質は、体内で炎症を引き起こすプロスタグランジンやロイコトリエンといった生理活性物質の材料になります。そのため、リノール酸を摂りすぎると、体内の炎症レベルが上がり、ニキビの炎症が悪化しやすくなる可能性があるのです。大切なのは、オメガ6(リノール酸など)とオメガ3(魚油に含まれるEPAやDHA、亜麻仁油に含まれるα-リノレン酸など)のバランスです。理想的な摂取比率は、オメガ6:オメガ3 = 4:1以下、あるいは2:1程度が良いとも言われていますが、現代人は10:1以上になっていることも少なくありません。アーモンド自体はオレイン酸が主体なので、そこまで神経質になる必要はありませんが、他の食事内容との兼ね合いで、オメガ6脂肪酸の摂りすぎにならないように注意することは大切です。
  • オメガ6脂肪酸:

    • リノール酸についてもう少し補足しますね。体内で炎症を引き起こす可能性がある一方で、リノール酸は皮膚のバリア機能にとって重要な「セラミド」の構成成分でもあります。なので、全く摂らないというのも問題なんです。本当に、バランスが難しいですよね!ポイントはやはり「摂りすぎない」こと。アーモンドに含まれるリノール酸の量は、他の油(例えば、一般的なサラダ油やごま油など)と比べると、そこまで極端に多いわけではありません。ですから、アーモンドを食べること自体を過度に恐れる必要はありませんが、揚げ物や加工食品、スナック菓子などを頻繁に食べる習慣がある方は、アーモンドの量にも少し気を配ると、オメガ6脂肪酸の過剰摂取を防ぎ、ニキビのリスクを減らすことに繋がるかもしれません。

加工法による違いもチェック!

スーパーやコンビニに行くと、いろんな種類のアーモンドが売られていますよね?「素焼き」「生」「塩付き」「ハニーバター味」「チョコレートコーティング」などなど…。実は、この加工法の違いによって、栄養価や添加物が変わり、ニキビへの影響も変わってくる可能性があるんです。

  • 素焼きアーモンド:

    • これは、油を使わずにローストしただけの、最もシンプルなタイプです。余計な油分や塩分、糖分が添加されていないので、アーモンド本来の栄養を摂りたい場合や、ニキビのことを考えるなら、一番おすすめです。ローストすることで、香ばしさが増し、消化も良くなると言われています。
  • 生アーモンド:

    • ローストしていない生のアーモンドです。酵素や一部の栄養素が加熱によって失われていないというメリットがありますが、消化があまり良くなかったり、ローストしたものより湿気りやすかったりします。また、「酵素抑制物質」が含まれているため、食べ過ぎると消化不良を起こす可能性も指摘されています。人によっては、生の方が体に合うという方もいますが、一般的には素焼きの方が手軽で食べやすいかもしれません。
  • 塩付きアーモンド:

    • ローストしたアーモンドに塩で味付けしたタイプ。おつまみとしては美味しいですが、塩分の摂りすぎにつながりやすいのが難点です。塩分の摂りすぎは、むくみの原因になったり、高血圧のリスクを高めたりするだけでなく、人によっては肌荒れやニキビを悪化させる可能性も指摘されています。特に、加工に使われる食塩には、精製されたものが多く、ミネラルバランスが偏っていることもあります。ニキビを気にするなら、無塩タイプを選ぶのが賢明です。
  • 油で揚げたアーモンド (フライアーモンド):

    • 時々、フライされたアーモンドも見かけます。これは、製造工程で植物油が使われているため、余分な脂質、特に酸化した油やオメガ6脂肪酸を摂取してしまう可能性があります。酸化した油は、体内で活性酸素を増やし、肌の老化や炎症を促進する原因になります。ニキビのためには、できれば避けたいタイプですね。
  • フレーバー付きアーモンド(ハニーバター、キャラメルなど):

    • 甘い味付けやスパイシーな味付けがされたアーモンドは、おやつ感覚で楽しめますが、砂糖やシロップ、バター、香料、添加物などが多く使われていることがほとんどです。砂糖の摂りすぎは、血糖値を急上昇させ、インスリンの過剰分泌を招きます。これが皮脂の分泌を促進したり、炎症を引き起こしたりして、ニキビの原因になることが分かっています。また、バターなどの飽和脂肪酸や、添加物も、人によっては肌荒れの原因になる可能性があります。美味しいけれど、ニキビが気になる時は、頻度や量を控えめにするのが良さそうです。
  • チョコレートコーティングアーモンド:

    • チョコレート、特にミルクチョコレートやホワイトチョコレートでコーティングされたものは、糖分や飽和脂肪酸が多く含まれます。カカオ含有量の高いダークチョコレートであれば、カカオポリフェノールの抗酸化作用などが期待できますが、それでも砂糖は含まれていることが多いです。チョコレート自体がニキビの原因になるかどうかは議論がありますが、糖分や脂肪分の摂りすぎは、やはりニキビには良くないと考えられます。

このように、同じアーモンドでも、加工法によってニキビへの影響は大きく変わってきます。基本的には、「無塩・素焼き」のアーモンドを選ぶのが、ニキビを気にせず、アーモンドの栄養を最大限に活かすためのベストな選択と言えそうですね!

4. ニキビを気にせず楽しみたい!アーモンドとの上手な付き合い方

さあ、アーモンドの持つ良い面と、ちょっと注意が必要な面、そして成分や加工法による違いも分かってきましたね!「じゃあ、結局どうやってアーモンドを食べたら、ニキビを気にせずにその恩恵を受けられるの?」と思っているあなたへ。ここからは、アーモンドと上手に付き合っていくための、具体的な方法を伝授しちゃいます!ポイントを押さえて、美味しく、賢く、アーモンドをあなたの美肌習慣に取り入れましょう!

1日の適量はどれくらい?「手のひら一杯」の魔法

まず、一番気になるのが「どれくらいの量を食べたらいいの?」ということですよね。アーモンドは栄養豊富ですが、カロリーも脂質もしっかりあります(素焼きアーモンド1粒あたり約6~7kcal)。食べ過ぎは、やはりニキビのリスクを高める可能性があります。

一般的に推奨されているアーモンドの1日の摂取目安量は、大体20粒から25粒程度と言われています。重さにすると約20g~25gくらいですね。これをカロリーに換算すると、約120kcal~175kcal。脂質は約10g~14g程度になります。

「20粒~25粒」って、数えるのがちょっと面倒…と感じるかもしれませんね。そんな時は、「自分の手のひらに軽く一杯分」と覚えるのがおすすめです。もちろん手の大きさには個人差がありますが、大体の目安として覚えておくと便利ですよ。

なぜこの量が推奨されているのでしょうか?これは、アーモンドに含まれるビタミンEの1日の摂取目安量(成人女性で5.0mg/日 ※2020年版食事摂取基準より)や、他の食事とのバランス、そしてカロリーオーバーや脂質の摂りすぎを防ぐ、といった観点から考えられています。

例えば、アーモンド23粒(約23g)で、ビタミンEは約6.8mg摂取できます。これは1日の目安量を十分に満たしますね。同時に、食物繊維は約2.5g、亜鉛は約0.8mg、マグネシウムは約67mg摂ることができます。もちろん、これだけで1日に必要な全ての栄養素が摂れるわけではありませんが、間食として考えた場合、他のスナック菓子などに比べて、非常に栄養価が高いと言えます。

大切なのは、「毎日必ず25粒!」と神経質になることではなく、大体の目安を知っておいて、食べ過ぎないように意識することです。もし、今日はちょっと食べ過ぎちゃったかな?と思ったら、次の日は少し控えめにするなど、数日間で調整するくらいの気持ちでいると、ストレスなく続けやすいですよ。

おすすめは断然「無塩・素焼き」タイプ!

加工法のところでも触れましたが、ニキビのことを考えるなら、選ぶべきアーモンドは「無塩・素焼き」タイプが断然おすすめです!

  • 無塩のメリット: 塩分(ナトリウム)の摂りすぎは、むくみや高血圧だけでなく、肌の乾燥やバリア機能の低下を招く可能性も指摘されています。また、加工に使われる精製塩はミネラルバランスが偏っていることも。ニキビ肌はただでさえデリケートなことが多いので、余計な刺激は避けたいですよね。無塩タイプなら、塩分の過剰摂取を心配する必要がありません。
  • 素焼きのメリット: 油を使って揚げていないので、余分な脂質、特に酸化しやすい油や、摂りすぎが気になるオメガ6脂肪酸を摂取するリスクがありません。また、砂糖や添加物も使われていないため、アーモンド本来の栄養をストレートに摂ることができます。ローストすることで香ばしさが増し、消化しやすくなるというメリットもあります。

スーパーやコンビニ、オンラインストアなどでも、「素焼きアーモンド 無塩」といった表示でたくさん販売されています。ぜひ、パッケージの裏側の原材料表示もチェックしてみてください。「アーモンド」とだけ書かれているシンプルなものがベストです!ナッツ専門店「NUTS TO MEET YOU」や、健康食品を多く扱う「タマチャンショップ」などでも、質の良い無塩・素焼きアーモンドが手に入りますよ。

食べるベストなタイミングは?「賢い間食」のススメ

「アーモンドって、いつ食べるのが一番いいの?」という疑問も湧いてきますよね。結論から言うと、「間食」として取り入れるのが、特におすすめです!

お昼ごはんから夕ごはんまでの時間が空いて、どうしても小腹が空いてしまう…そんな時、ありますよね?ここで、つい甘いお菓子やスナック菓子に手が伸びてしまうと、血糖値が急上昇し、その後急降下することで、眠気やイライラを感じやすくなったり、結果的に皮脂の分泌を促してニキビの原因になったりすることも…。

そんな時こそ、アーモンドの出番です!アーモンドは、低GI食品(食後の血糖値の上昇が緩やかな食品)であり、食物繊維や良質な脂質、タンパク質も含まれているため、腹持ちが良いのが特徴です。間食にアーモンドを20粒程度食べることで、空腹感を満たし、血糖値の急上昇を防ぎながら、次の食事までのエネルギーを持続させることができます。これは、集中力を維持したい時や、夕食のドカ食いを防ぎたい時にも役立ちます。

また、食前に少量のアーモンドを食べることで、食事の満足感を高め、食べ過ぎを防ぐ効果も期待できるかもしれません。ただし、食事の直前に食べ過ぎると、本来の食事量が減ってしまう可能性もあるので、量は調整してくださいね。

寝る前に食べるのはどうなの?と思うかもしれませんが、アーモンドは消化に少し時間がかかるため、寝る直前に食べるのは、胃腸に負担をかけて睡眠の質を下げる可能性があるので、あまりおすすめできません。できれば、寝る2~3時間前までには食べ終えるようにすると良いでしょう。

他の食品とのバランスが超重要!

ここまでアーモンドの素晴らしい点や上手な食べ方をお話ししてきましたが、絶対に忘れてはいけないのが、「アーモンドだけ食べていればOK!ではない」ということです。ニキビのない健やかな美肌を目指すためには、アーモンドだけに頼るのではなく、食事全体のバランスが何よりも大切です!

アーモンドから摂れるビタミンEや亜鉛、食物繊維は確かに素晴らしいですが、例えば、美肌に欠かせないビタミンC(野菜や果物)、ビタミンA(緑黄色野菜、レバーなど)、タンパク質(肉、魚、大豆製品など)、オメガ3脂肪酸(青魚、亜麻仁油、えごま油など)といった他の栄養素も、バランス良く摂ることが重要です。

  • 野菜や果物をたっぷり: ビタミン、ミネラル、食物繊維、抗酸化物質の宝庫です。特に、ビタミンCはコラーゲンの生成を助け、肌のハリを保ち、シミの予防にも役立ちます。
  • 良質なタンパク質を: 肌を作る材料になります。不足すると肌のターンオーバーが滞ったり、ハリが失われたりします。
  • オメガ3脂肪酸を意識して: オメガ6とのバランスを整えるために、サバやイワシなどの青魚を積極的に食べたり、料理に使う油を亜麻仁油やえごま油に変えてみたりするのも良いですね。
  • 発酵食品も味方に: ヨーグルトや納豆、味噌などの発酵食品は、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整えるのに役立ちます。

アーモンドは、あくまでバランスの取れた食事を構成する「一つの要素」として、上手に取り入れていく、という意識を持つことが大切です。特定の食品に偏るのではなく、いろんな食品から、体に必要な栄養素をまんべんなく摂取することを心がけましょう!それが、ニキビに悩まない、健康的で美しい肌への一番の近道ですよ!

5. まとめ:アーモンドと正しく付き合って、目指せニキビ0!

さて、今回は「アーモンドとニキビの気になる関係」について、かなり詳しく、そしてちょっとマニアックに掘り下げてきましたが、いかがでしたか?

巷で「美容に良い」と言われるアーモンドですが、「食べ過ぎるとニキビができる」という噂も、あながち嘘ではない側面があることが分かりましたね。特に、脂質の摂りすぎによる皮脂分泌の増加や、オメガ6脂肪酸と炎症の関係、そしてまれなアレルギー反応は、アーモンドがニキビの原因になりうる可能性として、頭の片隅に置いておく必要がありそうです。

でも、それ以上に、アーモンドには私たちの肌にとって嬉しいパワーがたくさん秘められていることも、お分かりいただけたのではないでしょうか?強力な抗酸化作用を持つ「ビタミンE」、皮脂コントロールや新陳代謝をサポートする「亜鉛」、そして腸内環境を整えてくれる「食物繊維」など、アーモンドはまさに、ニキビ改善や美肌づくりをサポートしてくれる成分の宝庫なんです!

つまり、アーモンドとニキビの関係は、「良い」か「悪い」かの二択で語れるほど単純なものではなく、「食べ方次第で、良くも悪くもなる」というのが、今回の結論と言えそうです。

大切なのは、アーモンドの持つメリットとデメリットの両方をきちんと理解した上で、自分の体や肌の声に耳を傾けながら、適量を守って、賢く食生活に取り入れることです。

今日の話のポイントを、もう一度おさらいしましょう!

  • 食べ過ぎに注意!1日の目安は20粒~25粒程度(手のひら一杯)。
  • 選ぶなら「無塩・素焼き」タイプがベスト! 余計な塩分・油分・糖分・添加物を避けましょう。
  • 食べるタイミングは「間食」がおすすめ! 血糖値の急上昇を防ぎ、空腹感を満たしてくれます。
  • アーモンドだけに頼らない!食事全体のバランスが最重要! いろんな食品から栄養を摂ることを忘れずに。

アーモンドは、手軽に手に入って、美味しくて、栄養満点な、素晴らしい食品です。上手に付き合えば、あなたの美容と健康の、力強い味方になってくれるはず!

でも、忘れないでくださいね。ニキビのない健やかな肌は、アーモンドだけで作られるわけではありません。バランスの取れた食事はもちろん、十分な睡眠、適度な運動、ストレスケア、そして正しいスキンケアといった、生活習慣全体の積み重ねが、何よりも大切です。

今回の記事が、あなたがアーモンドとより良い関係を築き、ニキビに悩まされることの少ない、ヘルシーで美しい肌を目指すための、一つのきっかけとなれたら、私、とっても嬉しいです!ぜひ、今日からあなたの食生活に、賢くアーモンドを取り入れてみてくださいね!

WRITING
西村恭平
西村恭平 Nishimura Kyohei

大学を卒業後、酒類・食品の卸売商社の営業を経て2020年2月に株式会社ブレーンコスモスへ入社。現在は「無添加ナッツ専門店 72」のバイヤー兼マネージャーとして世界中を飛び回っている。趣味は「仕事です!」と即答してしまうほど、常にナッツのことを考えているらしい。